『ONE PIECE』作者に「海賊マンガを、おれは描く!」と決意させた70年代アニメとは?
マグミクス / 2021年2月24日 18時10分
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■主人公は小さくて弱虫な男の子だった
「週刊少年ジャンプ」で連載中の『ONE PIECE』といえば、言わずと知れた超ウルトラ級の人気マンガです。1997年の連載開始以来、日本出版界の記録を次々と塗り替え、2015年には「最も多く発行された単一作家によるコミックシリーズ」としてギネス世界記録にも認定されました。
人気は国内にとどまらず、翻訳版は世界42か国以上で出版され、全世界累計発行部数4億8000万部(2021年2月現在)を突破するほど。主人公の少年モンキー・D・ルフィが、海賊王になることを夢見て仲間たちと助け合いながら大海原を冒険していく物語に、世界中の人たちが心を躍らせているのです。
そんな『ONE PIECE』には、作者の尾田栄一郎氏が〈原点〉とも呼ぶアニメがありました。それが『小さなバイキング ビッケ』です。尾田氏はビッケについて、あるインタビューで「“明日、僕は父さんたちと航海に出るんだ”っていうシーンがあり、そのシーンにすごく憧れていたんです」と語っています。そして、海賊マンガのイメージがどんどんと膨らみ、中学生にしてすでに「これを連載しよう」と決めていたのだそうです。
ルフィの決めゼリフ「海賊王に、おれはなる!!!」風に言えば、「海賊マンガを、おれは描く!!!」と、尾田少年に決意させたアニメ『小さなバイキング ビッケ』には、どんな魅力があったのでしょう?
原作は、スウェーデンのルーネル・ヨンソン氏による児童文学「小さなバイキング」。1972年にドイツの放送局と日本のアニメ制作会社との共同制作でTVアニメ化されました。日本では1974年から75年にかけて放送され、最高視聴率20.5%を記録するほど、子供たちを夢中にさせた作品です。
その魅力は、なんといっても主人公ビッケのキャラクターにありました。「バイキング」といえば七つの海を股にかける屈強な大男たち……といったイメージですが、ビッケは暴力が嫌いで心配性な、とっても小さくてかわいい男の子なのです。
海賊の長である父ハルバルは、ビッケにはとても航海は無理だと嘆きますが、実はビッケは誰にも負けない才能を持っていました。
■北欧版の「一休さん」? 主人公ビッケにしかできない知恵の勝負
完全オリジナルストーリーのCGアニメ映画として2020年10月に公開された『小さなバイキングビッケ』。DVDは2021年3月3日発売予定(アメイジングD.C.)
アニメの第1話では、ビッケが父ハルバルとの石運び競争に勝って“立派なバイキング”として認められるまでが描かれていますが、弱虫で非力で、大男のハルバルに勝てるはずなどないと思われていたビッケが、いったいなぜ勝てたのでしょうか?
実はビッケには、力はなくても持ち前の知恵がありました。母のイルバも常々「この子には腕力はないけど知恵があるのよ」と言っていた通り、知恵をめぐらせて、即席の投石機を作り、重い石の山を苦もなく遠くに運んでしまったのです。その知恵者ぶりは、とんちで有名な「一休さん」と比較されることもあり「北欧版の一休さん」と呼ぶ人もいるほど。
身体は小さくても、知恵を使って大人を負かせたビッケの存在は、TVの前の子どもたちにも自分が認められたような気分で、さぞ痛快だったことでしょう。
念願叶ってバイキングの一員として航海に出たビッケは、毎回さまざまな難問や事件に出会うのですが、持ち前の知恵を絞って乗り越えていきます。たとえば、迷路で迷った時には着ていたシャツと靴下の糸をほどいて目印にして脱出。敵に大きなふいごで大風を吹かされた時は、くしゃみ粉を使ってやっつけます。
ピンチのたびに、小さなビッケが知恵をしぼって解決するので、ハルバルの海賊団はそれまでビッケがいなくてどうやって航海を乗り切ってきたんだろう? と、不思議に思うほどの活躍ぶりでです。
そして、名案をひらめく時のビッケの決まりゼリフも、このアニメの名物でした。鼻の下を指でこすってアイディアをひねり出したら、明るく元気に「そうだ、この手で行こう!」と叫ぶのです。放送当時、ビッケファンの子どもたちは、何かしようとするごとに「そうだ、この手で行こう!」と言っていたものですが、大人になった今でも、このセリフを口にしてみると、自然とポジティブな気分になってくるから不思議です。
弱くて小さな存在でも、知恵をしぼれば大男にも負けないことを教えてくれたビッケは、オトナになった私たちにも、困難に立ち向かう勇気を与えてくれています。
(古屋啓子)
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