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2月26日はアニメ『ドラゴンボール』の放送開始日。『Z』への改題には製作の事情も…?

マグミクス / 2021年2月26日 7時10分

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■「つかもうぜ! ドラゴンボール!」

「2月26日」という日にちまでは覚えていませんでしたが、その日の筆者は新作TVアニメ『ドラゴンボール』の放送開始をTVの前で待ち構えていた記憶があります。同じ放送枠の前番組『Dr.スランプ アラレちゃん』が終了してしまったのは残念でしたが、それを補えるほどの期待を『ドラゴンボール』にかけていたのです。

 やがて始まった『ドラゴンボール』でしたが、オープニング曲「魔訶不思議アドベンチャー!」の強烈なインパクトに、一気に引き込まれたことを覚えています。筋斗雲で爽快に空を飛ぶ孫悟空。そして悟空を待ち受けている敵の数々や頼もしい仲間たちが綺麗にまとめられた映像も、これから悟空が向かう冒険のワクワク感を見事に表現しており、『ドラゴンボール』という作品がどんなものなのかが一発で理解できる、素晴らしい内容でした。

 ブルマとの出会い、ヤムチャとの戦い、ピラフ一味との激しいドラゴンボールの争奪戦など、序盤からさまざまな見どころがありましたが、やはり強く印象付けられているのはクリリンが登場したあたりからになります。それまでドラゴンボールを目的として繰り広げられていた冒険が、一気にバトルの方向にシフトして、話が分かりやすくなったのです。

 亀仙人のもとでクリリンとともに修行の日々を送り、「天下一武道会」に出場して強敵たちとの激闘を繰り返す。血気盛んな少年読者にとっては滅茶苦茶に盛り上がる展開で、このころから原作の連載を追いかけるようになり、本屋で立ち読みをしたり、友だちが親に買ってもらった「週刊少年ジャンプ」を借りてみんなで回し読みしたりと、アニメと原作の両方で『ドラゴンボール』はどんどん盛り上がりを見せていったのです。

 最初に開催された「第22回天下一武道会」の決勝では、亀仙人が変装したジャッキー・チュンと悟空が激突するも、僅差で亀仙人の優勝に終わってしまいます。続く3年後の第23回大会では新たに登場したライバルの天津飯がわずかな運の差で優勝をつかみ取り、やはり悟空は準優勝。これからはどんな展開が待っているのだろう……? そんな想像を働かせる間があったのか無かったのか、「クリリンの死」と言う衝撃的なシーンから、ピッコロ大魔王というかつてない強敵との戦いへ一気に突入していったのです。

■そして『ドラゴンボールZ』へ

 亀仙人もピッコロ大魔王に敗れ、神龍も殺されてしまう絶望的な状況のなか、悟空はカリン塔を登り切って仙猫カリンさまに修行をつけてもらい、さらには猛毒である超神水にも耐えきって大幅なパワーアップを果たし、死闘の末にピッコロ大魔王を打ち倒します。今まで肝心な場面では遅れをとることが多かった悟空が、人類の命運をかけた戦いでついに貴重な勝利をあげた瞬間でした。

 続いて開催された「第24回天下一武闘会」で、悟空は背が伸びた状態で登場。マジュニアこと生まれ変わったピッコロ大魔王との激闘を制し、ついに悟空は初優勝を果たし、ここでTVアニメ『ドラゴンボール』はいったん終了することになりました。

 実は『ドラゴンボール』は『Dr.スランプ アラレちゃん』とほとんど同じスタッフで製作されていたのですが、原作の担当編集者だった鳥嶋和彦氏の「アクションに徹しきれていない」という判断でプロデューサーに交代してもらい、新番組『ドラゴンボールZ』として新たなスタートを切ることになったのです。サイヤ人やフリーザといった凶悪な宇宙人たちとの生死を賭けた激しいバトルが続く展開を見越した判断だったのでしょう。

 事実、原作での「サイヤ人編」の人気はあまりにもすさまじく、クラスメイト同士で「少年ジャンプ」の奪い合いになっていました。実は宇宙人だった悟空が実の兄・ラディッツとの戦いで相打ちとなり死亡するというショッキングな展開が待ち受けていたのみならず、悟空とピッコロを圧倒したラディッツを「よわむし」と言ってのけるナッパやベジータの存在に、読む側はただ絶望するしかありませんでした。

 TVアニメでももちろんベジータたちとの戦いを楽しませてもらいましたが、このころには週刊連載作品を長期アニメ化した際にはつきものの「原作に追いついてしまったための引き延ばし」が目立つようになっており、ビデオに撮って早送りするのが常態化していたのを覚えています。

 厳しい時期には作者・鳥山明氏から原稿になる前の状態の作品をFAXで送ってもらってアニメを製作していたと関係者が明かすほどに、限界を超えた状況だったそうです。このように関係者を悩ませていた事情を今では理解できますが、当時のいち視聴者としては少々つらいものがありました。

 それでも、『ドラゴンボール』と『ドラゴンボールZ』が傑作であることは、世界中の人に親しまれていることで証明されています。2009年には『Z』のリメイク版である『ドラゴンボール改』も放送され、よりスピーディーになったアニメを楽しめるようになりました。これからも、『ドラゴンボール』は多くの人に愛され続けていくことでしょう。

(早川清一朗)

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