金ローで『スター・ウォーズ』完結編が放送。銀河が舞台の「闇堕ち」ドラマに終止符?
マグミクス / 2021年2月26日 17時20分
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■1977年に始まった物語、ついに終幕
遠い昔はるか彼方の銀河系で始まった壮大な物語も、いよいよフィナーレです。『スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け』(2019年)が、2021年2月26日(金)の「金曜ロードSHOW!」(日本テレビ系)にてテレビ放映されます。地上波初オンエア、夜21:00から23:44までのノーカット放送となります。
1977年に製作され、日本では1978年に公開された『スター・ウォーズ』から、40年以上の歳月が流れました。SFブームを巻き起こし、特撮映画に進化をもたらした人気シリーズも、9作目となる本作でついにクライマックスを迎えます。
ジェダイの騎士を真似て、チャンバラごっこをして遊んでいた子供たちも、今ではすっかりいい大人です。シリーズ初期からのおなじみの顔ぶれが次々と登場し、長年のファンにとって見逃せないエンディングが待っています。
■3代にわたるスカイウォーカー家の「親子バトル」
オリジナル三部作は、辺境の惑星育ちの若者ルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミル)がジェダイの騎士へと成長を遂げる物語でした。新三部作は、ルークの父親であるアナキン・スカイウォーカーとアミダラ姫との悲恋が描かれました。本作を含む続三部作は、身寄りのない女の子・レイ(デイジー・リドリー)が主人公です。
第1作『スター・ウォーズ』は黒澤明監督の時代劇『隠し砦の三悪人』(1958年)などから影響を受けたことが有名ですが、続三部作のレイは『風の谷のナウシカ』(1984年)などの宮崎駿アニメのヒロインを彷彿させるキャラクターとなっています。
続三部作のもうひとりの主人公は、アナキンことダース・ベイダーを祖父に持つカイロ・レン(アダム・ドライバー)です。ダース・ベイダーの遺志を引き継ぐかのようにカイロ・レンは帝国軍の残党で組織された「ファースト・オーダー」を率い、銀河系を支配下に置こうとしていました。
一方、レイはレジスタンスの指導者・レイア将軍(キャリー・フィッシャー)のもとで、修行に励んでいました。そんなとき、悪の皇帝・パルパティーンがまだ生きているという情報がレジスタンス側に届きます。レイはチューバッカ、C-3PO、BB-8たちと一緒にミレニアムファルコンに乗り込み、手がかりを探しに向かうのでした。レイとカイロ・レン、ふたりの宿命の対決の日が刻々と近づきます。
カイロ・レンは、レイアとハン・ソロ(ハリソン・フォード)との間に生まれた息子であることは続三部作の第1作『スター・ウォーズ フォースの覚醒』(2015年)で明かされていますが、本作ではレイの生い立ちが判明します。レイとスカイウォーカー家がどうつながるのか、気になるところです。
■ダース・ベイダーが放つ、圧倒的存在感
ダース・ベイダーはシリーズを代表する人気キャラクターとなり、グッズも多数作られている。画像は「スター・ウォーズ ブラックシリーズ ダース・ベイダー 6インチアクションフィギュア E9365」(ハズブロ)
さまざまなキャラクターが、「スター・ウォーズ」シリーズに登場しました。ルークの師匠であるヨーダ翁、ブラック職場の上司にいそうなジャバ・ザ・ハット、ちょい役なのに人気者になった賞金稼ぎのボバ・フェット、そのうざさが今となっては忘れがたいジャー・ジャー・ビンクス……。なかでも、いちばんインパクトがあり、シリーズ全体の大きな鍵を握ったキャラクターといえば、やはりダース・ベイダーでしょう。
最強のジェダイの騎士になりうる才能に恵まれていたアナキン・スカイウォーカーでしたが、アミダラとの悲恋の末にダークサイドへと堕ちてしまいました。アナキンは憎しみと悲しみを隠すために黒いヘルメットを被り、ダース・ベイダーへと変貌を遂げました。今回はダース・ベイダーこそ登場しませんが、カイロ・レンがダース・ベイダーのヘルメットを愛おしそうに手にするシーンがあります。黒いヘルメットが映るだけでも、強烈な印象を残します。
メカデザインやVFX技術など、のちのSFアニメや特撮映画に多大な影響を与えた「スター・ウォーズ」シリーズですが、ダース・ベイダーの「闇堕ち」エピソードもそのひとつに挙げることができそうです。近年のマンガやアニメでも、闇堕ちを扱った作品がいろいろと作られています。
誰よりも才能があるゆえに、挫折によって、闇世界へと大きく足を踏み入れてしまうダース・ベイダー。強い正義感の持ち主だった『DEATH NOTE』の夜神月は、死神のノートを手に入れたことで犯罪者のいない理想世界を築こうとします。『鬼滅の刃』の“上弦の鬼”猗窩座(あかざ)は誰よりも深い愛情を持っていたがために、強靭な鬼へと生まれ変わりました。複雑な内面を持つ彼らは、強さと同時に心の脆さも併せ持っています。ある意味とても人間くさい、ダークヒーローとして人気を集めています。
ダース・ベイダーという魅力的なキャラがいたからこそ、「スター・ウォーズ」は40年以上にわたる人気シリーズとなったのではないでしょうか。
■シリーズ9作品をつなぐ、大切な台詞
話を『スカイウォーカーの夜明け』に戻しましょう。自分が持つパワーの大きさに気づいたレイは、闇堕ちした自分の姿を予見し、ビビります。力を正しく使うには、それ以上に強い理性が必要です。その自信が、レイにはなかったのです。そんなレイの前に、彼女が尊敬してやまない人物が現れます。その人物は大切な言葉を投げかけます。
「血よりも、強いものがある」
シリーズ全9作をつなぐ、とても重みのある台詞です。この言葉を噛み締めてレイは、最後の決戦に臨むのでした。
はたしてレイは、闇堕ちする未来を回避することができるのでしょうか? 親殺しという重い罪を犯し、完全に闇堕ちしてしまっているカイロ・レンに、救いの手を差し伸べる者は現れるのでしょうか? 遠い昔はるか彼方の銀河系で始まった壮大な物語を見続けてきたファンには、格別なラストシーンが待っています。
(長野辰次)
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