「せがた三四郎」がPSを蹴り飛ばす!? 90年代CMヒーロー”バカゲー”3選
マグミクス / 2021年3月15日 16時40分
![「せがた三四郎」がPSを蹴り飛ばす!? 90年代CMヒーロー”バカゲー”3選](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/magmix/magmix_48848_0-small.jpg)
■セガサターン最後の抵抗か…ヤケにも思える?『せがた三四郎 真剣遊戯』
1997年末に彗星のごとく現れた「セガサターン」の販売促進キャラクター「せがた三四郎」。空手の道着に身を包んだ藤岡弘、氏が「セガサターン、シロ! 指が折れるまで!」と訴えかける破天荒なキャラクターは大反響を呼び、シングルCDが10万枚近いヒットを飛ばすほどの人気を博しました。
「せがた三四郎」はセガサターンのプレイを視聴者に呼びかけるだけでなく、彼自身もゲームソフトに起用されていたことをご存知でしょうか。この記事では、懐かしのCMヒーローが登場する、いわゆる”バカゲー”をご紹介します。
セガサターン用ソフトとして1998年10月に発売された『せがた三四郎 真剣遊戯』は10本のミニゲームと、当時のCMから構成されています。ミニゲームの所々に「せがた三四郎」の実写取り込み画像が出現、CMにも負けない「暑苦しさ」が詰め込め込まれた本作が”バカゲー”であることは、ミニゲームの内容と演出がシュールであることに理由があるでしょう。
たとえば、ミニゲームのひとつ「特訓!海も俺の戦場だ!!」は、いわゆる”落ちもの”パズルゲームです。パズルに苦戦すると、画面横で水責めの刑に処されている「せがた三四郎」の水槽に水がどんどん溜まっていく演出が織り込まれているのですが、なぜ彼が水責めの刑にあっているのか、なぜ水責めにあう彼の苦悶の表情を実写版にする必要があったのか、明確な説明はなされません。
また、「修行の邪魔はさせん!!」は滝の上から降ってくるゴミを蹴り返しゴミ箱に入れる内容のミニゲームなのですが……。ゴミ袋やドラム缶などに混じって「PlayStation」にしか見えないゲーム機も”ゴミ”として降ってきます。
セガは本作発売の翌月に「ドリームキャスト」の販売を予定しており、『せがた三四郎 真剣遊戯』はセガサターン締めくくりとしての様相も強い作品でした。
セガサターン末期の時代に、PlayStationをゴミ箱に蹴り入れる「せがた三四郎」。それは当時のセガの魂の叫びを表しているのかもしれません。
また、シュールなミニゲームを10本詰め込んだ”最後の抵抗”にも思える本作は”バカゲー”でありながら、セガの”遊び心”がなければ実現し得なかった作品とも言えるでしょう。
「せがた三四郎」もドリームキャストの登場と共に姿を消し、後続の販売促進キャラクターとして「湯川専務」が登場するようになります。
■トンデモ設定の「ペプシマン」 「ヤキソバン」が”バカゲー”の理由は?
ペプシコーラのCMキャラクター「ペプシマン」を主役に起用したPlayStation用ソフト『ペプシマン』。このゲームの目的は、制限時間以内に障害物が設置されているコースを走り抜け、コース内で集めた「ペプシ缶」をゴールにいる”困っている人々”に渡すことにあります。
シンプルな内容ですが、このゲームを「バカゲー」たらしめているのは、裏パッケージ記載のキャッチフレーズ「人類には、ペプシコーラが必要だ!」が象徴する通り、荒唐無稽な世界観にあります。
たとえば、サンフランシスコが舞台のステージでは、「ペプシコーラの売り切れによって人々が暴動寸前に陥ってしまっている」状況を救うべく「ペプシマン」は出動をします。
ビル火災が発生しているニューヨークのステージにおける彼のミッションは消火活動や人命救助ではありません。「消化活動の終わった火災後ビル内に閉じ込められた人を元気 づけるため『ペプシコーラ』を渡す」ことこそ彼の正義。
ステージ間に流れる、実写ムービーでの「ペプシコーラ」のCMも、ゲーム全体に流れるカオスな雰囲気を助長させることに一役買っています。
また、日清食品の「日清焼そばU.F.O.」のCMキャラクター「UFO仮面ヤキソバン」をゲーム化したのが、スーパーファミコン用ソフト『U.F.O.仮面ヤキソバン ケトラーの黒い陰謀』。
ゲーム内容はカプコンの発売する『ファイナルファイト』風のベルトスクロールアクションゲームです。
当時流行っていた「ヤキソバン」人気に急いだ結果からか、本作はゲームファンより「面白いが少し単調」と評価されがちですが、本作が”バカゲー”たる理由は、内容ではありません。
このゲームは当初「懸賞景品」として作られたこと、販売を目的とせず開発されたことにあります。
今回ご紹介したどの作品も本記事では”バカゲー”とひとくくりにしてしまいましたが、いずれのタイトルも制作背景まで考慮すると、当時のテレビCMの影響の強さを感じとることができますし、内容とは違ったところでの面白さを発見できます。
今ではもう手に入れること自体困難なタイトルもありますが、気になった方は動画視聴サイトで雰囲気だけつかんでみるのも面白いかもしれません。
(ふみくん)
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