『大運動会 ReSTART!』監督・スタッフが語る!300人が集まったキャスティングの舞台裏
マグミクス / 2021年3月23日 17時20分
■「らしさ」の追求から始めたストーリーづくり
『バトルアスリーテス大運動会』は、1997年から1998年にかけて、ゲーム、テレビアニメ、OVAなどで展開されたメディアミックスコンテンツです。個性豊かな美少女たちが、宇宙一の称号である「宇宙撫子(コスモビューティー)」の称号をかけて、さまざまなスポーツでしのぎを削るという物語です。破天荒な設定でありながら、見る者の心を震わせる熱いドラマで、今も伝説的な傑作としてアニメファンの間で語り継がれています。
その『大運動会』が、キャラクターを一新した完全新作『バトルアスリーテス大運動会 ReSTART!』となって、2021年4月10日(土)深夜1時30分から放送スタートします。新作をつくるに当たっての狙いや作品の魅力、見どころなどについて、同作の監督を務める佐々木勅嘉さん、文芸担当と脚本を兼任するたかだ誠さん、シリーズ構成と脚本の香椎葉平さんの3人に、たっぷり語ってもらいました。
* * *
――企画が動き出し、『バトルアスリーテス大運動会』でキャラクターを一新した完全新作をというオーダーがあったのは、2019年のことだっだと伺いました。
佐々木勅嘉さん(以下、佐々木) 企画プロデューサーのひとりから直接、新作の構想についてのお話を伺って、依頼を受けました。
たかだ誠さん(以下、たかだ) 私は所属しているスタジオの社長から、「新作に取りかかる」という話だけを最初に告げられました。それから作品タイトルを知って、「あのバトルアスリーテス大運動会ですか!?」と、思わず聞いてしまいました(笑)。
香椎葉平さん(以下、香椎) ぼくは原作権利元のAICライツさん関連の案件で少々相談を受けていたもので、そのつながりから依頼をいただきました。もともと、『魔法少女プリティサミー』や『メガゾーン23』といった有名タイトルのリバイバルを模索する動きがあって、数ある候補作のなかのひとつが『バトルアスリーテス大運動会』だったんです。
――『バトルアスリーテス大運動会』が選ばれた決め手は何だったのでしょう?
香椎 それはもう、権利関係がひと通りクリアできたからという、大人の事情です(笑)。
佐々木 東京オリンピックを見越した企画意図もあったんじゃないですか?
香椎 さすが監督、鋭いですね(笑)。
たかだ まずはメインスタッフで『バトルアスリーテス大運動会』を全話視聴し直し、香椎さんにドラマの分析をまとめていただきました。それを叩き台に議論するところから、新作の物語づくりがスタートしています。「まったく新しい内容を」というオーダーではあっても、何はともあれ「大運動会」らしい作品にしなければならないわけですから、その「らしさ」を可能な限りつかんで共有しましたね。
香椎 議論には時間をかけましたね。令和の時代に「大運動会」を新しく作るにあたって、何が実現可能で何がそうでないか、たかださんや監督にさまざまなアドバイスをいただいて改稿を重ね、ストーリーのベースとなるものを協力して作りあげていった感じです。
■製作中に実感した、女性ファンの支持
『バトルアスリーテス大運動会 ReSTART!』の主人公、明星かなた
――監督は依頼を受ける以前から、かつての『バトルアスリーテス大運動会』をご存知でしたか?
佐々木 子供の頃、学校から帰ってきてテレビをつけたら、ちょうど流れてましたよね。それを観ていたのは覚えてますよ。
たかだ 私は実は、リアルタイムで視聴していたわけではないんです。ただ、放送当時から、ハマっている友達は周囲にたくさんいましたよね。自分で観たのは後になってからですが、人気作品なんだなあという印象は、放送当時からありました。
香椎 ぼくも、たかださんと同じです。
佐々木 今回の作品が情報解禁になった直後、同じアニメ業界の先輩方から、「『大運動会』の新作の監督をやるんだって? おめでとう!」と、お祝いの言葉をいただきました。業界内でも作品の知名度は高く、思い入れを抱かれている方が多くいらっしゃるんだと思います。
――個人的にはかなり意外だったのですが、『バトルアスリーテス大運動会』には、女性ファンも相当数いるそうですね。
香椎 お話をいただいているグッズ関係の会社の担当者さんが、若い女性とのことですが、大運動会の熱狂的なファンで、自ら製作委員会にアプローチをかけてこられたそうです。かつてグッズとして発売されていた南極訓練校の生徒手帳を、今でも大切に持っているんだとか。そんなふうに期待してもらえるのはありがたい話でもあり、身の引き締まる思いでもあります。
佐々木 出演してもらっている女性キャストさんのなかにも、大運動会がもともと好きで、どうしても出演したかったとおっしゃっている方がいますよ。オーディションの時は、我々はそんなことは知るよしもないのですが、見事に役を勝ち取られ、驚くほどのハマり役として演じられていると思います。
――キャラクターとキャストを一新するにあたって、かなり大規模なスタジオオーディションを行われたそうですね。
佐々木 メインヒロインの6人はすべてオーディションで選びましたし、いらっしゃった声優さんの数がかなり多くて、とにかく大変でしたね。総勢で300名は超えていたのではないかと思います。テープオーディションという形式も考えられるのですが、現場でのオーダーにどう答えていただけるのかというのを、やはり見せてもらいたかったですから。
■旧作のイメージを踏襲しつつ、一新したキャスティング
難民出身で、母星での争いを終わらせるために宇宙撫子を目指す、ヤナ・クリストファ
──キャストを選ぶにあたって、神崎あかりを中心とした前作のキャラクターの雰囲気に近付けたものにしよう……などといった意識はされましたか?
佐々木 意識はしました。ただ、今回はあくまで新作で、完全リメイクという形ではないわけですから、イメージを踏襲しつつも新しくする部分は新しくするという方向性でキャスティングを行いました。
たかだ 「主人公の明星(あけほし)かなたは、明るめの声の方で」というのは、当初からの方向性としてありましたので、諸星すみれさんは本当にピッタリだと思います。
佐々木 かなたが諸星すみれさんで、その相棒であるシェリイ・ウォンが富田美憂さんになったということで、ネットでは発表された途端に『アイカツ!』コンビだと話題になったようですね(笑)。あれは意識したわけでなく、本当に偶然なんです。今回の作品で最高のコンビとして演じていただける方はどなたか、スタッフ一同で相談した結果、たまたまそうなったという流れです。
香椎 他のみなさんも含め、素晴らしい方が揃っていますよね。まだお若いのに、ぼくも見習わなければと感じ入るほどプロフェッショナルな方々だと思います。
──難民出身のヤナ・クリストファというキャラクターの声優に早見沙織さんを起用されたのには、どのような理由があったのでしょうか?
たかだ 物語の途中で、ヤナの前にある人物が現れます。ヤナとその人物のやり取りには、シナリオを正確に読むだけでなく、書かれているセリフの字面以上の意味を声で表現できる力が必要ではないかと。その点で最高の力量を備えた方として名前が挙がったのが、早見さんでした。
香椎 ヤナの前に現れる人物のキャストさんも、素晴らしい演技を見せてくれています。ふたりの緊張感みなぎる掛け合い芝居には、ぜひ注目してほしいですね。
佐々木 声優さんについては、オーディションで選ばれたからどうだ、選ばれなかったからこうだ、役柄や演技がそうだという話以前に、シリーズを通して役を演じ切るのがまず大変なことだと思うんです。その点、今回の作品では、パリア・レスピーギを演じた新人の南條ひかるさんを含め、全員が最後まで全力で演じ切ってくれています。監督としては、本当にありがたいことですよね。
※『バトルアスリーテス大運動会 ReSTART!』は、2021年4月10日(土)深夜1時30分~テレビ朝日系列全国24局ネットで放送開始予定。引き続き、同作について3人の対談インタビューをお届けします。
●佐々木勅嘉
さまざまな作品を手がける監督、アニメーター。近年はアニメーションスタジオ・セブンの作品が多い。『おじさんとマシュマロ』『おくさまが生徒会長!+!』『京都寺町三条ホームズ』『女子かう生』『ノブナガ先生の幼な妻』「トライナイツ』の監督・演出・絵コンテを務める。『バトルアスリーテス大運動会 ReSTART!』では監督・演出・絵コンテを担当。
●たかだ誠
株式会社アニメーションスタジオ・セブン所属の文芸・脚本家。『おくさまが生徒会長!』『トライナイツ』等のシリーズ構成、脚本を手がける。「おくさま劇場」「TERA劇場」等のミニコーナーのセリフも作成。『バトルアスリーテス大運動会 ReSTART!』では文芸、各話シナリオを担当。
●香椎 葉平(かしい ようへい)
アニメやゲームの企画・原案・宣伝・文芸などを広く行う。「香椎葉平」はペンネームのひとつ。同一名義での活動には、テレビアニメ『ピーター・グリルと賢者の時間』の宣伝や、Web不定期連載「映画ファンにすすめるアニメ映画」など。
(C)AICライツ/太陽系管理委員会
※インタビュー後編「『大運動会 ReSTART!』スタッフが語る、伝説といわれた前作から「受け継ぐもの」とは?」はこちら
(取材/構成:おふとん犬)
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