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『大運動会 ReSTART!』スタッフが語る、伝説といわれた前作から「受け継ぐもの」とは?

マグミクス / 2021年3月24日 16時10分

『大運動会 ReSTART!』スタッフが語る、伝説といわれた前作から「受け継ぐもの」とは?

■前作から受け継ぎたかった、「まっすぐさと熱さ」

 1997年から1998年にかけて、ゲーム、テレビアニメ、OVAなどで展開された『バトルアスリーテス大運動会』の完全新作アニメ『バトルアスリーテス大運動会 ReSTART!』が、2021年4月10日(土)深夜25:30から放送開始します。「伝説の美少女スポ根アニメ」として支持されてきた前作から何を引き継ぐのか、どのようにして新たな魅力を吹き込むのか……監督を務める佐々木勅嘉さん、文芸担当と脚本を兼任するたかだ誠さん、シリーズ構成と脚本の香椎葉平さんの3人に、引き続き語ってもらいました。

* * *

──前作『バトルアスリーテス大運動会』で、監督の思い入れの深いキャラクターをひとり挙げるとしたら誰ですか?

佐々木勅嘉さん(以下、佐々木) やはり、主人公の神崎あかりですね。彼女が内に秘めたまっすぐさがあってこその、「大運動会」だと思います。そのまっすぐさについては、今回の新作『バトルアスリーテス大運動会 ReSTART!』の主人公・明星(あけほし)かなたにも受け継がれています。本読み(シナリオ会議)で特にこだわった部分でもあります。

──たかださんや香椎さんはいかがでしょう?

たかだ誠(以下、たかだ) 私はウォン・リンファですね。シリアスな物語に笑いをもたらしてくれるコメディエンヌが好きで、前作では彼女が出てくる度に笑いが起き、きっちりオチまでつけてくれる。素晴らしいと思いますね(笑)。

香椎葉平さん(以下、香椎) ジェシー・ガートランドとアイラ・ロスノフスキの物語には、本当に感動しました。特に今回の作品のシナリオ会議でも度々話題に上ったのが、少女時代のジェシーとボブソン・ハワード神父とのエピソードです。

 メインヒロイン全員が、ただカワイイだけでなく、それぞれに強い動機を秘めて宇宙撫子(コスモビューティー)をめざす。その動機の描き方こそ、『バトルアスリーテス大運動会』という作品特有の熱さにつながっているのだと思います。この点は、今回の作品でも追求したところですね。

たかだ 「どうしたら『大運動会』の作風を現代に引き継げるのか?」というのが、当初からの議題でしたからね。

佐々木 地球の南極をはじめとした訓練校と、決戦の場になる大学衛星、限られた話数のなかでどちらをメインの舞台にするのかという議題もありました。

たかだ どちらを舞台にしたとしても、前作で描かれた神崎あかりと柳田一乃のドラマの熱さに、少しでも近づけたかった。

佐々木 そのあたりを意識しながら、今回の新作では、明星かなたとシェリイ・ウォンの関係を掘り下げていったという経緯があります。

香椎 ドラマとしての「熱さ」と同じくらい引き継ぎたかった要素として、百合要素やハイレグのユニフォームというのもありますが(笑)。

■フェチな部分や生活感も大切にしたい

明星かなたが身につけている小物には、前作から引き継がれた要素も

──キャラクターデザインの春山和則さんは、筋金入りの『大運動会』ファンだそうですね。

佐々木 春山さんのデザインには、最初に拝見した時から、旧作だけでなく今回の新作に対する愛情も隅々までみなぎっているのを感じています。ユニフォームの話題が出ましたが、フェチズムの要素も、やはり抜きがたい作品の要素ではあります。その辺りも含めて、細かな部分まで考え抜かれた絵を上げていただいています。

香椎 ちょっとフェチなモチーフは、旧作の原作となっているゲームソフトのパッケージにも使われていて、そのことは春山さんから直接教えていただきました。公式スピンアウトコミックである『ペイル・ドット・ブルー バトルアスリーテス大運動会 ReSTART!』を手がけられた漫画家の高遠るい先生も、そのモチーフを、単行本第2巻の表紙イラストに使われています。

たかだ かなたの着けているリストバンドなどの小物にも注目してほしいですね。あのカラーリングも、神崎あかりの持ち物から引き継いでいるんです。

──キャラクターデザイン以外にも、絵についての要素でこだわった部分はありますか?

佐々木 スポーツものの作品ですから、さまざまな競技に取り組んでいる場面が出てきます。その描写については、できるだけ迫力やスピード感を出して面白く見えるように工夫しています。

たかだ ベースはSFではあるのですが、舞台となる大学衛星は、神(しん)・大運動会に挑むかなたたちが毎日の暮らしを送る生活の場でもあります。宇宙撫子候補生が集う寄宿校などには、無理のない範囲で生活感を出すようには心がけています。

香椎 絵的な部分は制作スタジオさまにお任せの形ですが、作品全体のベースとなった前作のドラマ分析の議論でこだわったのは、「敗者からのまなざし」でした。倉田英之さんや黒田洋介さんのシナリオが、なぜあれほど素晴らしいのか。神崎あかりと柳田一乃の描き方についても言えると思いますが、勝者だけでなく敗者の視点から物語を掘り下げるというスタンスが、一貫して保たれていたからだと思います。

■敗者からのまなざしと、勝者に託す想い

『バトルアスリーテス大運動会 ReSTART!』は、宇宙を舞台とした前作の世界観を引き継いでいる

──「敗者からのまなざし」とは、どういったものでしょうか?

香椎 例えば、敗北して故郷のスラム街に帰ったジェシーとボブソン神父のエピソードは、勝者の目線だけから物語を作るのだとしたら、それ自体が必要ありませんよね。アイラが最後まで全力を尽くし、堂々と勝負の場から去っていく。あれも、敗者からのまなざしに基づいて描いたエピソードです。

 勝者がその勝利を喜ぶだけでなく、敗れた者が自らの敗北を受け入れ、自分を負かした相手にその想いを託していく。だからこそ感動が生まれるのだし、これを描き切った前作の領域に少しでも近づきたいという願いは、スタッフ全員にあるはずです。

たかだ 今回のキャラクターひとりひとりが、なぜ宇宙撫子を目指すのか。その理由は最初に考えましたよね。最後に勝ち残るのはひとりだけですから、敗れていった面々は、自分の目的を果たせないことになる。それでも勝者に託す想いとは何なのか、託された者はどのように想いを受け継ぎ、ゴールを目指すのか。このあたりは、ぜひ見てほしいところですね。

佐々木 決勝戦の種目にもご期待ください。これしかないだろうと考えて作りました。

──最後に、皆さんそれぞれから、『バトルアスリーテス大運動会 ReSTART!』の注目ポイントを教えてください。

香椎 第4話のBパートまで、ひとまずはご覧になっていただけると嬉しいです。先ほどもお話ししたように、早見沙織さん演じるヤナの前に、ある人物が姿を現します。かなり長いシーンになるのですが、収録スタジオにいたスタッフ全員が思わず固唾を飲んだほど緊張感みなぎる掛け合い芝居は、ご覧になって損はないと思います。

たかだ 諸星すみれさん演じるかなたは、ある地方の方言をしゃべります。方言によるセリフも、監督とともにかなりこだわった部分でして、キャラクターを好きになるポイントになってくれると良いなと思っています。また、今回は大運動会の名前自体が「神・大運動会」に変わっています。なぜそうなっているのか、理由にも気づいてほしいですね。

佐々木 伝説の作品を「新キャラクター&完全新作ストーリーで」という難しいオーダーではありますが、我々の全力を尽くして、前作を御存知の方にもそうでない方にも喜んでもらえるアニメを作っているつもりです。前作のファンの皆さんにとっては、「おっ!」と思ってもらえる要素も、最終回までにたくさん用意しています。放送をお楽しみにお待ちください。

※『バトルアスリーテス大運動会 ReSTART!』は、2021年4月10日(土)深夜1時30分~テレビ朝日系列全国24局ネットで放送開始予定です。

(C)AICライツ/太陽系管理委員会

(取材/構成:おふとん犬)

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