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時代と共に変わるウルトラマンごっこ。「赤白帽を縦にかぶる」→平成の変身アイテムは?

マグミクス / 2021年3月27日 7時10分

時代と共に変わるウルトラマンごっこ。「赤白帽を縦にかぶる」→平成の変身アイテムは?

■「赤白帽」から「パーカー」へ…?

 この2021年で「ウルトラマン」が55周年を迎えた、ということは「ウルトラマンごっこ」も55周年です。そしてそれは、シャツを頭から被って「ジャミラ」と言う子供が現れてから半世紀以上経過したことを意味します。

 今回は、誰もがやった「ウルトラマンごっこ」を振り返りつつ、それらが長い歴史のなかで子供たちにどのように受け継がれていったか、その変遷をたどっていきたいと思います。

●赤白帽でウルトラマン…必要なものは学校に揃っていた

「ウルトラマンごっこ」とひと口にいっても、ただ手を十字に組んでスペシウム光線、ダブルピースでバルタン星人……といった簡単なものばかりではありません。本格派(?)の子供たちは身の周りのものを使って可能な限りディティールを再現していたのです。

 最たる例は赤白帽でしょう。昭和中期より学校で普及した赤白帽は、奇しくも縦にかぶれば(向きの違いこそありますが)ウルトラマンの頭部を再現してくれました。

 さらに時代は子供たちの味方をします。「ウルトラマン」が放送されていた頃は米飯給食が始まる前であり、食器も(先割れ)スプーンが主流でした。それゆえに両目にあてがえばウルトラマンの眼になりましたし、掲げればベータカプセル(あるいは第34話「空の贈り物」の時のハヤタのシーン)になりました。

●シャツをかぶって「ジャミラ」になる

 またTシャツをかぶって顔だけをだして、「ジャミラ」になる少年たちも続出します。今思えば、ジャミラが登場する第23話「故郷は地球」は、「ウルトラマン」のなかでも極めて重厚なテーマを扱ったエピソードです。それなのに、なぜこれほどまでにジャミラごっこが浸透したのでしょうか。

 これは私見ですが、ジャミラが「ウルトラ水流」で倒されたことが理由のひとつではないでしょうか。なにせスペシウム光線は出すことができませんが、「水流」なら蛇口をひねれば出てきます。手軽にジャミラ化できることは大前提で、実際に使われた必殺技で倒せる相手としてジャミラは適役だったのかもしれません。

■平成以降の「ウルトラマンごっこ」はどう変わったか

子供に人気のウルトラマンの着ぐるみパジャマは、大人用も発売されている。画像は「なりきりコスチューム ウルトラマン 大人用」(バンダイ)

 ここまで見てきた通り、初期のウルトラマンごっこの特徴は小学校の備品が一役買ってくれていたことがわかります。では平成以降のウルトラマンごっこはどうなったのでしょう。

●「パーカー」の登場で変わった?平成以降のウルトラマンごっこ

 いわゆる「平成ウルトラマン」の時代に突入しても「ウルトラマンごっこ」が途絶えることはありませんでした。また『ティガ」や『ダイナ」『ガイア」に慣れ親しんでいても、「ウルトラマンごっこ」では「ゼペリオン光線」と同じくらい「スペシウム光線」もまた現役だったといえます。

 そんな「平成ウルトラマン」シリーズが始まった1990年代半ば。日本のファッションではあるものが一般化します。そしてそれが、平成以降の「ウルトラマンごっこ」に大きな影響を与えることになります。

 それは「フード付きパーカー」です。ミリタリー系パーカーこそ昭和から存在していましたが、カジュアルファッションとしてパーカーが一般化した時期と、「平成ウルトラマン」の放映期間はほぼ同時期です。結果、子供たちは灰色のパーカーを逆に着て、フードを顔にかぶることで首から顔にかけて皮膚がつながっている(=よりウルトラマンらしい)状態を再現することが可能になりました。

 このフード付きパーカーは、比較的早い段階から商品化され、フードにウルトラマンの顔をあしらったデザインの子供用パジャマが現在に至るまで人気を博しています。ウルトラマンごっこにおいては、既製品の力を拝借する機会もぐっと増加したといえるでしょう。

 また、誰かが怪獣役を担うことが必須だった初期のウルトラマンごっことは違い、今ではウルトラヒーローが同時に何人も登場するのが当たり前です。そのため、複数人を一度に相手にしなくてはならないという怪獣(大人)たちの悲鳴がSNSやブログで数多く見られます(ウルトラ6兄弟が登場した頃にはもう始まっていたことかもしれません)。

 さらに変身アイテムの可動性が上がっているため、段ボールで手作りしようとする保護者向けの「作り方」がSNSで共有されるなど、ウルトラマンごっこを支える親世代を取り巻く環境にも変化が起こっているようです(本当にお疲れ様でございます)。

 昭和、平成、令和……ウルトラマンが続く限りウルトラマンごっこも続きます。そしてどんなに年を重ねようと、赤白帽の被り方には「赤」と「白」ともうひとつ、「ウルトラマン」があったことを、決して忘れたくありません。

(片野)

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