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『鬼滅の刃』伊之助の“涙”は成長の証? 「爆泣き」全シーン

マグミクス / 2021年3月31日 7時10分

『鬼滅の刃』伊之助の“涙”は成長の証? 「爆泣き」全シーン

■猪の被り物からあふれる、伊之助の涙は成長の証!?

『鬼滅の刃』では、ポロポロと涙をこぼす竈門炭治郎、文句や泣き言を言いながらベソベソ泣く我妻善逸……というように泣き方にも、それぞれの個性が表れています。そんななかでも、印象に残るのが、猪の被りものからあふれるくらい涙を流して爆泣きする嘴平伊之助。

 人が涙を流すのは、苦しみや驚き、喜び、恐怖などの激しい感情を抑制できなくなった時だといいますが、伊之助の泣き方は、まさに、「激しい感情」そのものです。「猪突猛進」、「野生児」という言葉がピッタリの伊之助の性格を思えば、この泣き方当たり前のように思えますが、実は、この伊之助の涙にこそ、彼の成長の証を見ることができるのです。

 捨て子だった伊之助は猪に育てられ、家族や仲間など親しい人間との接触はほとんどなかったため、当初、他人の優しさや痛みに共感することはありませんでした。

 鼓屋敷で伊之助が初めて登場した時も、敵味方かまわず刃を向けるほど好戦的で、女の子を踏みつけていても平気、人の話はスルーしても、自分の言うことには強引に従わせようとするなど自分勝手そのもの。

 そんな傍若無人な伊之助も、鬼殺隊の同期、炭治郎や善逸らとのともに行動するなかで友情を感じるようになり、他人を思いやり、大切にする気持ちが芽生えました。同時に、柱たちの戦いぶりや信念、厳しさ、優しさに触れるうちに彼らへの尊敬の念も抱くようになり、伊之助の心の成長に大きく影響したといえるでしょう。

 本稿では、伊之助の爆泣きシーンから、彼の心の変化と成長を見ていきます。

※この記事では、まだアニメ化されていないシーンの記載があります。原作マンガを未読の方はご注意ください。

●炎柱・煉獄杏寿郎の前で爆泣き

 伊之助の最初の爆泣きは、無限列車での戦いで上弦の参・猗窩座と戦い、炎柱・煉獄杏寿郎が討死にした時です。

 後輩たちの成長を信じ、笑顔で旅立った杏寿郎の前で、自らのふがいなさに涙をこぼす炭治郎に向かって、「死んだ生き物は土に還るだけ」と、ドライなことを言いながらも、「悔しくても泣くんじゃねえ」と涙をあふれさせるのです。

 この時の伊之助は、まだ炭治郎や善逸ほど他人の心が分かるというレベルではありませんでした。自分のなかに目覚めた人間的な感情をどう扱っていいのか分かりかねて、とまどっていた段階だったのでしょう。そのため、伊之助は被り物から涙をあふれさせながらも、「俺は泣いてねえ!!」と善逸に頭突きをくらわせたり、突然、「修行だ!」と炭治郎を無理やり立たせようとしたりして、泣きながら暴れました。

 隠に背負われて帰る際にも、「ぎゃああああん わあああ」とギャン泣きする伊之助は、まるで幼児のよう。自分の無力を思い知って落ち込む炭治郎よりも精神年齢はずっと幼く、自分ができなかったことにかんしゃくを起している状態と言えます。炭治郎は、「いっぱい悔しかったんだろうな」と伊之助の気持ちを推測していますが、自分のふがいなさへのいら立ちや大切な人を失った悲しみが、ごちゃ混ぜになって、心を乱している状態なのだろうと思われます。まだ幼児程度とはいえ、最初が粗暴な野生児だったことを思えば、杏寿郎の死は伊之助にとって人間らしい感情を持てるように成長した大きな転機でした。

■伊之助が流す、母への涙と友への涙

●初めて流した、母への涙

 母親の記憶がないことを理由に、「俺には母親はいねぇ!!」と言っていた伊之助。しかし、上弦の弐・童磨との戦いで、自分の母親のことを聞き、童麿がその仇であると知ります。そして母を思い、生まれて初めて、母とそっくりだと言われた顔を涙で濡らすのでした。

 母は自分のことを不要だから捨てたと思っていた伊之助が、母の温かさや優しさを知って、一番彼に欠けていたものを取り戻します。それは、記憶には残っていないけれど、確かにあった母との幸せな時間……。この伊之助の涙は、とても温かくて悲しい涙です。

●友を守るために刀を振り、流す涙

 鬼舞辻無惨との最後の戦いで、柱たちや多くの仲間を失った鬼殺隊。無惨を追い詰めますが、無惨も必死で抵抗し、犠牲は増すばかり……。炭治郎も柱たちも動けなくなったなか、無惨に立ち向かったのが伊之助でした。

 伊之助は、「返せよ 足も手も命も 全部返せ それができないなら 百万回死んで償え!」と両目から涙をあふれさせながら、無惨に立ち向かいます。鬼殺隊に入った当初は、自分のことにしか興味がなく、協力して戦うこともなかなかできなかった伊之助とはもう別人とすら言えるでしょう。自分を守ってくれた柱、一緒に過ごした仲間、大切な友を思って涙を流すのです。

 そして、その後の展開では、親友である炭治郎の身に起きたとんでもない出来事に粉々になるほど心を痛め、悲痛な思いで涙を流しながらも、けっして逃げず、諦めない伊之助は、野生児から幼児へ、そして男へと、大きな成長を遂げたと言えます。

* * *

 涙は、心のデトックスとも言われ、最近では、「涙活」という言葉も登場しています。あなたは最近、どんなことで涙を流しましたか?

(山田晃子)

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