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週65本視聴するアニメライターが選ぶ「人生を変えた」3作品。先入観を砕く面白さ!

マグミクス / 2021年4月1日 19時40分

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■『プリティーシリーズ』が人生の転機に

「俺は1分1秒、そしてこの瞬間にも成長している! だからこそ言える! 昨日の俺より、今の俺はもっともっともっと強い!」とは、名キッズアニメ『人造昆虫カブトボーグ V×V』第1話における主人公・天野河リュウセイの台詞です。筆者はこの心意気がアニメ全般にも通じると信じています。

 現在、国内外問わずいろんなジャンルの職人が集まって、ものすごく手間がかかる「アニメ」という芸術作品が次々に作り上げられています。もちろん玉石混交ですし、部分的に見れば前進後退をしているのかもしれませんが、総体的に見るとどんどん面白くなっている……筆者はまともにアニメを見始めて10年ほどの新参者ですが、週に65本くらい楽しく見続けたうえで、そう確信しています。

「人生を変えたアニメ3作品」というお題をマグミクス編集部からいただいたときに、『トップをねらえ!』『エヴァンゲリオン』『ガンダム』、そして『コードギアス』といった過去に大好きだった作品も脳裏をよぎったものの、アニメ好きの人間が記事を書く以上、「近年のアニメにもこんな面白い作品もあるよ」とお勧めする役割もあるはずです。今回は、筆者が半人前のアニメライターになるまでを振り返りながら、この10年の“間違いない”アニメを3本紹介したいと思います。

●あまりにドラマチック『プリティーリズム・オーロラドリーム』(2011年~2012年)

 本作は現在放送中の『キラッとプリ・チャン』(※)まで続く『プリティーシリーズ』、そしてダンススケートショー「プリズムショー」を題材にした『プリティーリズム』3部作の第1作です。第3作『プリティーリズム・レインボーライブ』は、2010年代後期に大きな話題となった『KING OF PRISM』シリーズのスピンオフ元として知られていますが、その前2作も負けじと大傑作です。

 このシリーズの魅力はとにかくドラマチックなこと。『オーロラドリーム』の場合は友情や愛情、恩讐、過去からの因縁、そして脱力気味なギャグが入り混じった濃厚な人間ドラマが1年にわたって展開しますが、毎回クライマックスで流れるお約束のCGキャラクターによるショーもその魅力を力強く後押しします。

 このショーは当時のTVアニメとしては高クオリティだっただけでなく、その最中もどんどんドラマが繰り広げられるため、単なるCGショーであること以上に心動かされます。こうした物語とショーを重ねて主人公である普通の少女・春音あいらが少しずつ成長していき、トップスター「プリズムクイ―ン」に近づく第4クールは、毎回涙すること必至でしょう。

 筆者は本作を含む『プリティーリズム』シリーズによって「子供向けアニメなのに面白い」ではなく、放送時間や対象性別・年齢関係なく「面白いアニメはとにかく面白い」という当たり前のことを教えてもらいました。当時の筆者はゲームライターで、アニメという好きなものにあまり仕事で関わらないようにしていました。

 しかし、シリーズ第3作『レインボーライブ』放送後に行われたイベントを独自に取材して掲載された記事が、キャパの都合で参加できなかった多くの人に喜ばれたことに感激し、好きなアニメを推していくアニメライターとして活動することを考え始めました。2011年4月9日の初回から間もなく10年、まことにおめでとうございます。

■『まどマギ』『進撃』に匹敵する神話は、いま生まれている可能性も…

●“怪作にして快作”の最高峰『LOST SONG』(2018年)

アニメ『LOST SONG』キービジュアル (C)MAGES./LOST SONG製作委員

 本作は、声優の田村ゆかりさんと歌手の鈴木このみさんが演じる、歌うたいの少女ふたりを軸としたファンタジー物語です。内容に少しでも詳しく触れるとネタバレになる作品のため、「とにかく観てほしい」としか言えないのがもどかしいところです。「!?!?」となってからのハラハラ度は、3年弱経った今も比肩する作品を知りません。

 この作品は本編の枠外での取り組みも印象的でした。地上波最終回におけるCMを利用した告知、再放送とアニソンの祭典「Animelo Summer Live」の連動、そして朗読と歌で物語のフィナーレを紡いだパシフィコ横浜のイベントなど、視聴者を驚かせ、楽しませようという試みが盛りだくさんで、さらに魅力を増した本作の物語は『魔法少女まどか・マギカ』(※)『進撃の巨人』と並ぶ2010年代を象徴する神話と言っても過言ではありません。

 当時の筆者はこの傑作を多くの人に観てもらいたいと思いさまざまな形で活動しましたが、手応えは少なく、結果として「真に面白いアニメを勧める人間として、もっと強い影響力を持たなければ……」という思いを新たにしました。

●現在進行中のカオティック演劇アイドルアニメ『ゲキドル』(2021年)

アニメ『ゲキドル』キービジュアル (C)ゲキドル製作委員会

「今やっているアニメが一番旬で美味しい」と信じ、毎日多くの作品に少しずつ人生を変えられている……そんな思いから、最後は2021年冬クールでもっともエキサイティングな作品を紹介します。『ゲキドル』は、「世界同時都市消失」と呼ばれる災害から復興する世界で、3Dホログラムを使った演劇“シアトリカルマテリアルシステム”のステージに立つことを目指す少女たちのお話です。

 視聴前は「演劇がモチーフの青春アイドル的な作品かな」と思っていたのですが、そこにSFや百合、サイコサスペンスといった刺激的な要素をぶち込み、さらにキャラクターたちの強い情念(とトリック)で加速し、軽やかに想像を超え続けていく物語は、比喩表現ではなく本当に「毎週手に汗握る」展開です。

 どんなオチになるのかがまったく読めない本作は、熱血王道を突っ走る『ウマ娘 プリティーダービー Season 2』や、ファニーさをたたえた『アイドールズ!』『アイ・チュウ』(※)など、アイドルアニメ大豊作の今期でも特筆すべきものでしょう。

 ほかにも、野島伸司脚本らしさがたまらない『ワンダーエッグ・プライオリティ』、どんな映像を観られるかというワクワクでは近年随一の『EX-ARMエクスアーム』、盤石過ぎる続編ものやそれぞれに痛快な“なろう”原作アニメなどなど……今期もいつものように面白い作品が目白押し。制作に多大な苦労があると想像できる「アニメ」という芸術が、これだけ生まれ続ける奇跡に感謝しつつ、これからも視聴者として、面白い作品を紹介するライターとして、存分に楽しんでいきたいです。

※タイトルの・部分は、正式には星印になります。

(はるのおと)

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