見ながら寝落ちOKなアニメ3選 ストレスがたまった日、“自然”に癒やされる

■面白さは折り紙つき！　ゆえに眠りを誘うアニメ作品

“さあ寝よう！”と思ってベッドで横になったものの、何かワンクッション挟みたいときってありませんか？　そんな時は、スマホ片手に自然をテーマにしたアニメ作品で癒やされながら寝落ち……というのはどうでしょうか。“寝る前にスマホは良くない”と言われていますが、昼間の緊張がほぐれていない時は、好きなアニメでリラックスするのもひとつの手です。

　じっくりストーリーを解釈しながら楽しんだ方が良いアニメもある一方で、なんとなく見ても楽しい作品もあります。今回は海・山・田舎の3つの自然をテーマにした作品をご紹介します。ストーリーに連続性がなく、いつ寝落ちしても問題ない作品を集めてみました。

●九州の海でのんびり…『放課後ていぼう日誌』

　2020年に放送された『放課後ていぼう日誌』は、小坂泰之氏の同名コミックを原作にしたアニメ作品です。都会から引っ越してきた高校生の鶴木陽渚（つるぎ・ひな）が、「ていぼう部」に入部し、個性的な部員たちと出会い“釣り”の魅力に目覚めていくストーリー。アニメは全12話で、毎回異なる「釣りたい魚（アジやキスなど）」をテーマに展開され、寝落ちして後半見逃した！　という場合でもさほど影響が出ない構成です。その反面、釣り知識ゼロでも楽しめるように、釣り方の説明や釣った魚をどうやって食べるかなど、なんとなく見てても勉強になる作品となっています。その専門性からアニメファンだけでなく、釣り人からも人気を博しています。

　熊本県南部の芦北町を舞台に、のどかな海辺町が描かれていますが、芦北町の風景には並々ならぬこだわりを持って制作されたようで、アニメ化するにあたり現地で大量の写真撮影を行い忠実に再現しているとか。なかでもリアルすぎる堤防の質感は必見です。　「ていぼう部」の4人と一緒に体験できる九州の海は、画面越しでも気持ちが安らぎ、さらに立派な熊本弁で喋るキャラクターもいるため、九州人でなくとも田舎に帰った気分になるかも？

●手軽に見られる登山アニメ…『ヤマノススメ』

『ヤマノススメ』サードシーズンキービジュアル　(C)しろ／アース・スター エンタ―テイメント／『ヤマノススメ サードシーズン』製作委員会

『ヤマノススメ』はしろ氏によるマンガが「コミックアース・スター」にて連載のゆるふわアウトドア作品。女の子たちが登山を通じて成長して行く物語で、2013年からアニメ放送が開始され、現在までで3シーズン続いている人気シリーズです。1期が5分、2・3期が15分枠というショートアニメながら、1話完結ではなくストーリーが続いて行くのが特徴。しかし寝落ちしても、ストーリーについていけなくなるということはなく、むしろ寝落ちする前に1話見終わってしまう手軽さが魅力。仮に寝てしまっても、見返すのがおっくうにならない作品でもあります。

　主人公・あおいたちが山登りをしたり、お泊まり会をしたり、登山アイテムを買うためにバイトを始めたり……ほのぼのした日常感を楽しめます。埼玉県の飯能市を舞台にしており、地元の山や神社、公園なども多数登場。あおいたちのほのぼのした会話も合わさり、穏やかに眠りにつけそうです。

●ダークで雰囲気が絶妙…『蟲師』

『蟲師』続章 其ノ五 Blu-ray（アニプレックス）　(C)漆原友紀/講談社・アニプレックス

　おしまいは言わずと知れた名作を“田舎枠”としてピックアップ。『蟲師』は、漆原友紀氏が「月刊アフタヌーン」で連載した同名コミック。2005年からTVアニメ全26話が放送され、その後、続章として全20話と特別編が放送されました。ひと言で説明すると「大人版日本昔ばなし」というテイストで、個人的には就寝前のアニメとしてはこれ以上ないほど適任ではないかと思います。

　今作の「蟲（むし）」とは昆虫の「虫」とは違い、作中では「植物でも動物でもない、生命の原生体たるモノ」という説明。つまりは未知の存在のこと。なかには人間に害を与える蟲も存在しており、そんな蟲に対する知識を生業としているのが「蟲師」です。蟲師のギンコと旅先で出会う人々との人間ドラマを描いています。

　明治以前と思われる時代設定は、少しダークな雰囲気を演出してくれるため就寝前のシーンに非常にマッチします。アニメは基本的に1話完結型で、レギュラーメンバーはギンコのみであるため、物語の連続性は気にする必要はありません。そして、いかにもヒーリング効果がありそうな劇伴（曲）が使用されています。

＊　＊　＊

　以上、3作品をご紹介しましたが、“つまらないから寝ちゃう”というわけではなく、いずれも折り紙つきの人気作です。ベッドの上で軽いアウトドア体験をしながら春の睡眠を楽しんでください。

（椎名治仁）