『鬼滅の刃 遊郭編』ベスト・オブ脇役6選 “ちょっとだけ“登場するキャラが物語を彩る

■登場シーンはわずかでも、物語に深みを与える名キャラたち

　2021年にTVアニメ化が決定した『鬼滅の刃 遊郭編』。登場人物はド派手な音柱・宇髄天元（うずい・てんげん）と3人の妻をはじめ、遊郭で働く花魁（おいらん）や店の女将、主人などバラエティに富んでいます。脇を固める多彩キャラクターたちは、物語に奥行きを与える存在です。

　ここでは『遊郭編』に登場する数多くの「脇役」キャラクターをご紹介します。あなたの“『遊郭編』ベスト・オブ脇役”に輝くのはどのキャラでしょうか。

●炭治郎を買った「ときと屋」の女将さん

　藤の花の家紋の家で女装をした炭治郎、善逸、伊之助の3人は「ギョーン」という擬音を背負ってしまうほどのブサイク……。3人を売りにきた天元に、「うちではちょっと……」断る「ときと屋」の主人でしたが、女将は天元の色男ぶりに釣られて、「ひとりくらいなら」と炭治郎を買ってしまいました。炭子こと炭治郎の化粧を落とすと額に傷があると分かり、買うんじゃなかったと女将は激怒。ですが働き者すぎる炭子に圧倒されてワタワタしてしまうという、憎めない女性です。

●鯉夏花魁（こいなつおいらん）

「ときと屋」の鯉夏花魁は、店の子供にお菓子をあげるなど、優しく接する女性です。女装した炭治郎のことも、男の子と気付きつつも黙っていてくれました。外見だけでない、その心の美しさもあってか結婚が決まり、遊郭を出ていくことに。しかしその前日に彼女を食おうとする上弦の陸・堕姫（だき）に囚えられ、戦いに巻き込まれてしまいます。

●荻本屋（おぎもとや）の遣手（やりて）

　自分の目に狂いはないといいつつ、猪子こと伊之助を買っていった女性です。審美眼の高さに狂いはなく、化粧を落とすと伊之助の美しすぎる素顔が現れます。ときと屋の鯉夏花魁よりも売れっ子に「仕込むわよォ」と大張り切り。妙にガタイがいいのも「肉づきが良い子のほうがいいでしょ！」とポジティブです。

●善子を見込んだ、京極屋の女性

　善子こと善逸は、あまりにブサイクすぎて売れ残ってしまいます……。しかしまたも「京極屋」の遣手がいい男・天元にポッ。善子は天元に「いっそタダでもいいんで」と言われて売り払われます。怒りに震える善子は、耳の良さを活かして琴や三味線の才能を見せつけます。

「良くお店に入れたわね……」と言われる風貌の善子。しかしひとりの女性が、「あの子はのしあがるね」と語ります。自分を捨てた男を見返してやろうという子は強いと、善子の将来に太鼓判を押したのです。

　女性の見込んだとおり、善子も「アタイ絶対吉原一の花魁になる！！」と必死です。しかし、はっきりと作中で「※なれません」とツッコまれています……。もし善子が鬼殺隊士でなく、本当に女の子だったら、“のしあがって”いたかもしれません。

●お三津（みつ）

　炭治郎たちが遊郭に来る2日前のこと。京極屋の女将であるお三津は蕨姫花魁（わらびひめおいらん）に、店の女の子たちにけがをさせたり、いじめて自殺に追い込んだりする行為をやめるよう咎めます。蕨姫花魁は取り合いませんが、お三津は祖母から聞いた、かつて存在した「とても美しいが性格の悪い花魁」について思い出しました。

　その花魁には「首を傾けて下からにらみつけてくる独特の癖があった」と言った弾みに、かつて存在した花魁と蕨姫花魁が同一人物ではないかと気付きます。何十年も前に存在していた花魁と同じであれば、人間であるはずがありません。

　彼女は「もしかして人間ではない……」と言いかけ、正体を現した堕姫に上空から落とされて殺されてしまいます。炭治郎たちよりも先に鬼の存在に気付いた、勘の良さが招いた悲劇でした。

●ムキムキねずみ

　グッズ化の期待も高まる、名キャラクター。天元が訓練した頭の良い「忍獣」のネズミです。女装のために日輪刀を身に着けられなかった伊之助や善逸のもとに刀を届けました。1匹で1本の刀を持てる力があり、ムキムキしながら二足歩行で進みます。天元と似たような宝石の付いたはちまきを頭に巻いていて、ネズミながら派手なのもポイント。

＊　＊　＊

『遊郭編』の舞台は天元いわく「日本一色と欲にまみれたド派手な場所」というだけに、多彩な人々が登場します。

　そんな『遊郭編』のベスト・オブ・脇役は誰だったでしょうか。ムキムキねずみや京極屋の女将など多くの意見があります。他にも、紹介しきれなかったキャラが登場します。『鬼滅の刃』を読んだ人の数だけ、『遊郭編』のベスト・オブ・脇役があるのかもしれません。

（マグミクス編集部）