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『超音戦士ボーグマン』放送から33年。ファンに愛された紅一点のバトルヒロイン

マグミクス / 2021年4月13日 7時10分

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■主人公たちが「社会人」という設定が斬新だった

 当時、中学生だった筆者は、購読していた『アニメディア』の広告ページを見つめながら、もだえ苦しんでいました。そこには『超音戦士ボーグマン』のレーザーディスクVol.3の予約特典が、アニス・ファームの等身大ポスターであると書かれていたのです。

 しかし当時の筆者はレーザーディスク本体を持ってはいませんでした。何千円も払って見ることができないディスクを買って、ポスター1枚を手に入れるなど中学生には無理な話。泣く泣くあきらめることにしたのです。このときの判断を、筆者は今でも後悔しています。

 さて、アニス・ファームが登場した『超音戦士ボーグマン』は、1988年に放送が開始されたセガ提供の「バトルスーツもの」作品です。1999年に4つの隕石が東京に落下して壊滅してから31年後の2030年、東京湾上に建設されたメガロシティを舞台に、主人公の響リョウ、チャック・スェーガー、アニスの3人がバルテクターと名付けられたバトルスーツに身を包み、人類の脅威である謎の敵「妖魔」と戦います。

 本作の大きな特徴としては、主人公たちは教師として日常生活を送っている点が挙げられます。当時のアニメでは主人公は学校の生徒であることが多く、「社会人が主人公」という設定は、斬新なものだったのです。

 妖魔の脅威にさらされた際には学校の校長、メモリー・ジーンのサポートでバルテクターを転送してもらい、ボーグマンへと変身します。この装着シーンが実に格好いいのですが、アニス・ファームに限っては、アニメの歴史に残るレベルの描写が存在していました。

 バルテクターの胴体から胸部下部分を装着するときに胸が盛り上がる、いわゆる乳揺れ描写です。このような描写はTVアニメでは初めてと言われており、その後の作品に極めて大きな影響を与えています。

 正直こんな描写を中学生時代に見せられたらたまりません。おかげで筆者は当時から今に至るまでアニスのファンで、キャラクターデザインを務めた麻宮騎亜氏が近年同人誌で出版したアニス本「アニス・イン・ワンダーランド」も当然購入しています。たぶん、この先も心のどこかにアニスが住み続けているのでしょう。

■声優・松本保典氏の初レギュラー作品

『超音戦士ボーグマン』LD Vol.3(筆者所有)では、アニスが「ガンウォーリア」とともに描かれていた

 アニスの声を担当したのは『ふしぎの海のナディア』のナディア役で知られる鷹森淑乃氏。先生として子供たちに接するときの優しさ、戦士として妖魔と戦うときの凛々しさを見事に表現されていました。

 また、響リョウ役の松本保典氏にとっては本作が初のレギュラー作品となります。『ボーグマン』はその後『スレイヤーズ』のガウリイ=ガブリエフなど、多くの当たり役をつかんだ名優の出発点でもあるのです。

 また、『ボーグマン』はメカの描写も秀逸です。リョウが愛用するバイク「ロードサンダー」は、戦闘時には装備を転送されて強化され、3人のボーグマンが乗り込んで体当たりを行うなど最終兵器として大きな活躍を見せました。声を担当したのは山寺宏一氏。普段は「サンダー」と呼ばれており、リョウの相棒として軽妙な掛け合いを行うなど、仲間としてボーグマンたちを支えていたのです。

 また、アニスは若干戦闘力が劣るためにパワードスーツ「ガンウォーリア」を使用することが多いのですが、マシンガンやチェーンアームなどを装備し重厚な存在感を放つ存在であり、LDのvol.3ではアニスとともにジャケットを飾っています。

 リョウの頼れる相棒として活躍したチャック・スェーガーの声を担当したのは、井上和彦氏。ストーリー中に登場した世界警察・対妖魔特殊部隊ファントムSWATのリーダーである桂美紀と恋仲になり、続編のOVA『超音戦士ボーグマン2 -新世紀2058-』にも桂研究所の所長として登場しています。

 さらに特筆すべきは、前期のオープニングとエンディングを、実力派ヘヴィメタルバンド「EARTHSHAKER」が担当していることでしょう。オープニングの「DON’T LOOK BACK」、エンディングの「FOREVER」はいずれも当時のアニメソングのイメージを打ち破った名曲です。後期の「夜をぶっとばせ!」と「TENDER」も良い曲ですが、やはり筆者は前期が好きです。

 ただ、残念ながら『ボーグマン』は視聴率面では苦戦してしまい、当初の予定を短縮して終了を迎えてしまっています。しかしながらその後『ザ・ボーグマン ラストバトル』『LOVERS RAIN』などのOVAやドラマCD、サウンドトラックなど数多くの商品が発売され、ファンを喜ばせました。筆者は昔全部持っていたはずなのですが、今はもう、手元にはありません。小麦色の肌のアニスの下敷きがあったのですが、これはまた手に入れたい品物の筆頭です(レーザーディスクについてはその後購入し、今でも手元に残しています)。

 アニスの等身大ポスターについては、今でもたまにメルカリなどでポスターを探すことがありますが、ごくまれに出ていても売れてしまっていて、購入の機会に恵まれていません。いつか、手に入れる機会に恵まれることを祈っています。

(ライター 早川清一朗)

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