初代『どうぶつの森』見どころ3選 20年経っても褪せない「64版」の魅力
マグミクス / 2021年4月14日 10時40分
■発売から20年目を迎えた「どうぶつの森」シリーズ
「2020年に最も世間を賑わせたゲーム作品は?」という問いに対し、Nintendo Switch用ソフト『あつまれ どうぶつの森』(以下、あつ森)を挙げる方も多いのではないでしょうか。『あつ森』は2020年4月~12月の間に1941万本(世界累計)を売り上げており、発売から1周年を迎えた今もなお、精力的なアップデートを経てユーザーの心をつかみ続けています。
そんな『あつ森』からさかのぼること20年前の2001年4月14日、全てのシリーズタイトルの元となったNINTENDO64(以下、64)版『どうぶつの森』(以下、どう森)が産声を上げました。この記事では『どう森』の生誕20周年を記念し、初代ならではの”見どころ”を3つご紹介します。
●スローライフそっちのけでハマった「ファミコン家具」
「どうぶつの森」シリーズには多種多様な家具が登場しますが、『どう森』でひときわ異彩を放っていたのが「ファミコン」。その名の通り、任天堂が1983年に発売した家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ」をモチーフとした家具です。このファミコンは自宅にインテリアとして飾ることができたほか、本体に刺さったカセットをそのまま起動し、『どう森』のなかで遊べる仕掛けが施されていたのです。
具体的なラインナップを見ると、『ドンキーコング』(1983年7月)、『ドンキーコングJR.の算数遊び』(1983年12月)、『テニス』(1984年1月)、『バルーンファイト』(1985年1月)などなど、ファミコン黎明期を支えた任天堂の名作タイトルが並んでいます。これらはいずれもプレイ時のベストスコア等が記録されるだけでなく、『どう森』内での2人プレイにもしっかりと対応済み。コントローラーをつなぐことで、友達や家族と懐かしのファミコン作品に興じることができました。
その後ファミコン家具は次作『どうぶつの森+』(2001年12月)および『どうぶつの森e+』(2003年6月)にも収録されており、『スーパーマリオブラザーズ』(1985年9月)や『ゼルダの伝説』(1986年2月)が新たな仲間入りを果たしています。ルームコーディネートがてらファミコンを置いたつもりが、いつの間にか本編そっちのけでガッツリやり込んでいた……なんて体験をしたプレイヤーもきっと少なくないはずです。
●コントローラーパックを使った「おでかけ」システム
「どうぶつの森」シリーズは自分の村以外にも、ほかのプレイヤーが住んでいる村を訪れる「おでかけ」機能が搭載されています。例えば『あつ森』の場合だと、ローカル通信(近くの人とプレイ)とインターネット通信(遠方の人とプレイ)を介しておでかけ可能。島内を自由に探索できるほか、プレイヤー同士が同じ島内でリアルタイムにコミュニケーションも行えます。
しかし『どう森』の頃は、まだ複数人で楽しめるリアルタイムのおでかけ機能は実装されていませんでした。ではどうやってプレイヤー間の村々を往来していたのか。そのカギを握るのが、64コントローラーに接続する周辺機器「コントローラーパック」です。『どう森』でおでかけをする際は、このコントローラーパック、並びにおでかけ先のカセットを用意し、村の汽車乗り場で一連の設定を行う必要がありました。
通信機能を用いてスムーズに村(島)を往来できる近年のシリーズ作品と比べるとやや手間こそかかりますが、隣で同じ画面を眺めている友人の村へ”ひとりで入り込む”のはなかなかに新鮮な気分だったのも事実。筆者の場合は「この村にはどんな住人が住んでいるのか、そもそも普段はどんなふうに村で過ごしているんだろう?」と辺りを見回すうち、「誰かの作った秘密基地をひとり訪れて感心する」ような不思議な感覚を味わうことができました。
●本気でプレイヤーを叱りつける「リセットさん」
地面から勢いよく身を乗り出し、”セーブをしないまま電源を切ったプレイヤー”を大声で叱りつける「リセットさん」。彼もまた『どう森』にて多くのプレイヤーに衝撃を与え、シリーズ20年の歴史を歩んできた名物キャラクターです。
キレの良い関西弁とまくしたてるような口調は初登場時から変わらず、自宅前にいきなり現れたかと思いきや、怒声混じりにセーブの大切さを真剣に説いてきます。ちなみに『どう森』のリセットさんは、白いシャツ&腹巻きという”雷親父”スタイル。性格こそ同じですが、デニムのオーバーオールを着込んだ近年のリセットさんとは少し見た目が違います。
後のシリーズ作品ではやや弁明を聞いてくれるようになりましたが、20年前のリセットさんにあからさまな言い訳は無駄。何度もリセットを繰り返す常習者には「くらぁーっ! ふざけるのもええかげんにせぇ!」と大目玉をくらわします。遊んでいるのが誰であろうと関わらず、セーブをおろそかにするプレイヤー全員に対して平等にキレる。そんな人柄も相まって一度目にすると忘れられないのがリセットさんなのです。
ゲームキューブの発売を前に、任天堂が64市場の終了間際に送り出した『どう森』。『あつ森』なとの最新作へ踏襲されたものや、作品を重ねることでいつの間にか消失したものも含め、シリーズ原点である64版には荒削りながらも味わい深い魅力が詰まっていた。そう言っても過言ではないでしょう。
(龍田優貴)
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