2021冬アニメのアニソンを振り返る。『ウマ娘』など泣ける曲、本編で流れて盛り上げた曲も!
マグミクス / 2021年4月14日 19時40分
■物語の山場をアニソンが盛り上げた、絶妙な演出
アニメのオープニングやエンディングを飾り、ときには挿入歌としても使われるアニソン。それはTVサイズで聞くだけでも十分に魅力的ですが、アニメ本編との相乗効果やフルサイズ化によってさらに魅力が増す……といったことも珍しくありません。今回は2021年冬のアニメを彩ったアニソンから、特に心揺さぶられた曲を振り返ります。
●『ウマ娘』、『装甲娘戦機』エンディングが泣ける
2021年1月からの放送で大きな盛り上がりを見せた『ウマ娘 プリティーダービー Season 2』、その第12話ではエンディングテーマ「木漏れ日のエール」が話題になりました。この楽曲は、本編でライバル関係にあるトウカイテイオー(CV:Machico)とメジロマックイーン(CV:大西沙織)による歌唱曲で、何度も挫折を味わうトウカイテイオーと勇気づけるメジロマックイーンという構図の歌詞、パート割り、映像のエンディングでした。
しかし第12話では、メジロマックイーンが繋靭帯炎を発症し立場が逆転。するとエンディングでは歌詞はそのままに、一部歌唱パートと映像内容を入れ替え/差し替えすることで本編の構図を再現するという演出で、視聴者の涙腺を刺激しました。
また“クライマックスで主題歌が挿入歌として流れる”というのはアニメにおいて定番ですが、やはり熱いもの。同じ2021年冬期のアニメでは、『Dr.STONE』第2期第10話の人類最強タッグ結成に合わせた「三原色」や、『シャドウバース』最終話となる第48話のエピローグ的なバトルで流れた「キリフダ」など、以前の主題歌が物語の山場を盛り上げました。
ほかにも印象的な使われ方をしたアニソンは多数あります。エンディングテーマ「-標-」のメロディーがピアノアレンジで流れ、そこからエンディングに突入するという怒涛の展開を見せた『怪物事変』第10話や、最終話における主人公ノルとその師匠オリヴィアとの本音の対話をInstrumentalバージョンながら切ないメロディーだけで支えた『俺だけ入れる隠しダンジョン』のエンディングテーマ「ネモフィラ」などは、同冬アニメにおけるクライマックスのひとつとなりました。
また、映像演出の面でも見逃せないものがありました。『ゆるキャン△ SEASON2』の本編からシームレスにオープニングへとなだれ込んだ第3話、夜の時間の移ろいがじっくりと楽しめた第4話エンディングが印象に残っている人も多いでしょう。
また、『装甲娘戦機』のエンディングは、鹿乃さんが歌う「コンパスソング」に合わせて主人公のリコが歩き、走り、ときにこけてもまた駆け出す後ろ姿が映されたものでした。その映像に最終話となる第12話では、リコたちが乗る装甲車のナビゲーションAI・ネイトが追加。リコの前で浮遊するだけではありますが、ネイトが主人公達にとってのコンパスであったことが暗示され、歌詞も彼の視点でもとらえられるようになります。
■フルサイズで聴くと「すごみ」を増す楽曲も
●『ワンエグ』『のんのんびより』のエンディングはフルサイズ必聴
CD「巣立ちの歌 / Life is サイダー」(ワンエグ盤)ジャケット
最近のアニソンはTVサイズが先行配信されるケースが増えましたが、音源がリリースされ、フルサイズで聴くとまた違った味わいを得られることもあります。たとえば『ワンダーエッグ・プライオリティ』のヒロインたちが歌うエンディングテーマ「LIFE is サイダー」。この曲は、物語の進行に合わせて改めて意味を考えさせられる歌詞が魅力的でしたが、フルサイズでは間奏にヒロイン4人の他愛のない会話が挿入され、彼女たちの日常への愛おしさがさらに増すでしょう。
『のんのんびより のんすとっぷ』のエンディングテーマ「ただいま」は、前シリーズまでと同じくZAQさんが作詞・作曲し、れんげたち4人が歌う合唱曲です。のどかさと懐かしさをたたえた雰囲気もこれまで同様ですが、過去のエンディングテーマを踏まえていたり、日常が積み重なることで未来に向けて変わっていくというCメロ以降であったりと、シリーズ最終作にふさわしく歌詞の“泣かせ”度は随一。最終回ではフルサイズで流れ、多くの『のんのんびより』ファンの涙を誘ったのではないでしょうか。
●「僕の戦争」はCメロから景色が一変
CD「僕の戦争」(神聖かまってちゃん)ジャケット
“フルで聴くとすごい”という意味では、2020年12月放送開始の作品ではありますが『進撃の巨人 The Final Season』オープニングテーマ「僕の戦争」にも触れないわけにはいきません。TVサイズでは『The Final Season』のマーレ編の話に沿った不穏さや恐怖を煽るような楽曲でした。しかしフルサイズ、特にCメロ以降は日本語の女性ボーカルがメインとなり、曲から想像させられる景色が様変わりします。神聖かまってちゃんらしい、遊び心ある仕掛けでした。
また、歌い手がキーになった楽曲も多数ありました。『文豪ストレイドッグス わん!』では、ラックライフによる第1シリーズエンディングテーマ「名前を呼ぶよ」を、主人公の中島敦(CV.上村祐翔)がカバー。『WIXOSS DIVA(A)LIVE』の主人公たちNo Limitが歌う明るいオープニングテーマ「D-(A)LIVE!!」は、第11話で作中最強格ユニットの夢限少女が歌うと一転してクールなイメージになったのも驚きです。
また、亡国の王女・マユリスが男装して旅をする『オルタンシア・サーガ』のエンディングを、女性ボーカルのような高音域までカバーする男性アーティストのまふまふさんが歌ったのは、ニクい采配でした。
2021年冬期も、アニソンはアニメと同じく大充実のシーズンでした。4月から放送開始している春アニメでも、アニソンがもたらす感動やアニソンが物語を盛り上げる演出に注目して楽しんでみてはいかがでしょう?
(C)2021 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」製作委員会
(C)WEP PROJECT
(C)Hajime Isayama
(はるのおと)
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