『モンハン』コラボクエスト3選 『鬼滅』の「日輪刀」でラージャン退治！

■作品の垣根を超えた『モンハン』のコラボクエスト

　ひとりのハンターとしてさまざまな生物と相対し、自然豊かな世界で狩猟生活を送るアクションゲーム「モンスターハンター」（以下、モンハン）。2021年で17周年を迎えた「モンハン」シリーズは、2021年3月26日に最新作『モンスターハンターライズ』（以下、モンハンライズ）が発売となり、リリース3日で出荷本数400万本（全世界）を達成。同作の”和”を基調とした世界観は国内・海外ユーザーの関心を大きく引いているようです。

　そんな「モンハン」シリーズは、これまでナンバリングタイトル及び派生タイトルを展開するにあたり、実に多種多様なコンテンツと”コラボレーション”が行われてきたのをご存知でしょうか。今回は「TVゲーム」、「マンガ」、「映画」の事例に着目し、過去に配信された「コラボクエスト」を3つご紹介します。

●ハンターがゾンビ化？『バイオハザード』コラボ（モンスターハンターワールド：アイスボーン）

　最初に取り上げるのは、サバイバルホラー作品『バイオハザード RE:2』のテイストを取り入れた「ラクーンシティ」コラボ（2019年11月8日～2019年12月6日）。期間中に開催されたイベントクエスト「RE：戻り来た生物災害」をクリアすると、報酬として「S.T.A.R.S.バッジ」が手に入りました。このS.T.A.R.S.バッジを一定数集めることで、「バイオハザード」シリーズの人気キャラクター「レオン」と「クレア」のなりきり防具（外見を大きく変える）を作成することができたのです。

　加えてイベントクエストでは、状態異常「ゾンビ状態」が新登場。フィールド内で瘴気を浴びたプレイヤーが「バイオハザード」でおなじみの”ゾンビ”に変貌する仕掛けも施されていました。ゾンビ状態になったプレイヤーは両腕を前に突き出してフラフラと歩行するだけでなく、「回避アクション無効」、「体力の自動回復」といったステータスを付与され、「グリーンハーブ」（イベント限定アイテム）で状態異常を治すまで、ゾンビのままモンスターと交戦することになります。

　動植物が住まう自然豊かなフィールドをレオンやクレアが走り回る……。ハンターがイベント限定防具を装備した姿だとは分かっていても、その光景は想像以上にシュールです。とはいえコラボそのものの満足度は決して低くなく、ゾンビ状態を体験できるイベントクエストをはじめ、受付嬢を巨大な「タイラント」に変更できる着せ替え衣装など、むしろ”両作品が持つ世界観のギャップ”をうまく活かしたコラボ内容に仕上がっていました。

●日輪刀でラージャン退治『鬼滅の刃』コラボ（モンスターハンター エクスプロア）

　ひとつ目にご紹介した事例はカプコン製タイトル同士のコラボでしたが、続いてクローズアップするのは、人気マンガ『鬼滅の刃』（以下、鬼滅）コラボ（2018年9月1日～2018年9月9日）です。こちらのイベントクエストでは、頭頂部から巨大な角を生やした限定モンスター「ラージャン閻鬼種」が出現。『鬼滅』の敵キャラクターである鬼を踏襲した戦闘能力を誇り、血管の浮き出た豪腕と氷属性の攻撃で、クエスト攻略を目指す多くのハンターを撤退に追い込みました。

『鬼滅』コラボのイベントクエストで手に入る報酬は、通常では入手できない『鬼滅』の主要キャラクター防具（炭治郎・禰豆子・伊之助・しのぶ）、およびコラボ武器。例えば「炭治郎」の防具は”隊服・市松模様の羽織”となっており、装備することで原作さながらの炭治郎スタイルへ変身することができました。

　同じくコラボ武器も原作を強く意識。鬼殺隊が所有する「日輪刀」に加え、射撃時に禰豆子がひょっこりと顔を出すヘビィボウガン「禰豆子の箱」も実装されました。コラボ期間はわずか8日ほどでしたが、原作の雰囲気をしっかり再現したイベント限定モンスター・キャラクター防具・コラボ武器……などなど、全体的なクオリティは高かったように思われます。

●ミラ・ジョヴォヴィッチになりきる実写映画コラボ（モンスターハンターワールド：アイスボーン）

　2021年3月26日より国内上映が始まった実写映画『モンスターハンター』。こちらの映画公開を記念し、『モンスターハンター：アイスボーン』にてスペシャルコラボクエスト（2020年12月4日～2021年12月3日）が実施されています。

　クエストは前編・後編の2本立てとなっており、どちらも「映画に登場するモンスターの討伐を目指す」という内容。「The New World 新世界にて」（前編）では巨大な2本角が雄々しい「ディアブロス亜種」、「Our World 私達の世界へ」（後編）には大空を舞う飛竜「リオレウス」が登場。映画とほぼ同じシチュエーションのもと、「モンハン」シリーズの歴史を担ってきた人気モンスターを、誰の助けも借りずにプレイヤー1人（シングルプレイ専用）で討伐することになります。

　そして実写映画コラボの注目ポイントは、何と言っても”コラボ限定プレイアブルキャラクター”の存在。と言うのも、イベントクエストでプレイヤーが操作するのは、自身が作成したマイキャラクターではなく、映画の主人公アルテミス（演：ミラ・ジョヴォヴィッチ）なのです。立体的な3Dモデルで描画されたミラ・ジョヴォヴィッチを操り、巨大モンスターを倒して任務を達成する。これだけでも実写映画コラボのイベントクエストをプレイする価値は十分あるのではないでしょうか。

＊　＊　＊

　今回は「TVゲーム」・「マンガ」・「映画」とのコラボクエストを取り上げましたが、ご紹介した以外にも膨大な種類の具体例が存在しています。いわば「モンハン」シリーズとコラボレーションは、切っても切れない関係にあると言っても過言ではないのかもしれません。それだけに、いつの日か『モンハンライズ』で実装されるであろう、新たなコラボクエストにも期待が高まります。

※禰豆子の「禰」は「ネ」+「爾」が正しい表記

（龍田優貴）