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4月22日は声優・中田譲治さんの誕生日。「スーパー戦隊」と縁の深い、ダンディ声の魅力

マグミクス / 2021年4月22日 7時10分

4月22日は声優・中田譲治さんの誕生日。「スーパー戦隊」と縁の深い、ダンディ声の魅力

■特撮悪役を演じても威力のあったダンディボイス

 本日4月22日は、俳優で声優の中田譲治さんのお誕生日です。おめでとうございます。中田さんといえば、特徴的なダンディボイスでみなさんもよくご存知のことと思いますが、素顔も声に負けず劣らずダンディな方で、かつては特撮番組などで出演していた時によく拝見していました。

 中田さんの俳優デビュー作は、NHK大河ドラマの『草燃える』(1979年)の仁田忠常です。その後、いくつかのドラマに出演していましたが、筆者が最初に認識した役が『超新星フラッシュマン』(1986年)の途中から登場して人気悪役となったサー・カウラーでした。

 このカウラーは主役であるフラッシュマンたちをも手玉に取るほどの強敵で、デザインやインパクトも相まって悪役のなかでも屈指の人気者となっています。常に不敵な笑みを浮かべたシリアスさが魅力でしたが、一度だけ見せた、コショウでくしゃみをするというコミカルな演技が忘れられません。おそらくアドリブだったと推測していますが、そういった演技が「できる俳優」というイメージでした。

 その後『超獣戦隊ライブマン』(1988年)ではラスボスである大教授ビアスを演じるなど、久々に大物悪役俳優が出てきたと筆者は感じます。このころには顔と声をおぼえましたので、再放送の『太陽にほえろ』や『Gメン’75』などでのゲスト出演も楽しんで見ていました。

 しかし、中田さんはカウラーを演じる前年の1985年には、すでに声優としての道も歩んでいたのです。声優デビュー作となるのが、『プロゴルファー猿』(1985~88年)の第16話に登場した三日月星四郎。後に、影の帝王と呼ばれるキング・シーザーというキャラの声も演じていて、その時にはカウラーを見ていたので「声優もできる役者なんだ」と驚いたことがあります。

 このカウラーという役は中田さんにとても縁があり、『ロードス島戦記-英雄騎士伝-』(1998年)に登場する傭兵王カシュー・アルナーグI世というキャラを演じているのですが、これはデザイナーの出渕裕さんがカウラーをベースにデザインしたものでした。ちなみに最初にアニメ化されたOVA版の『ロードス島戦記』(1990年)では、中田さんはジェスター公爵というまったく別のキャラを演じています。それを見て当時は「カウラーがいるのにカウラー(の声の人)は別の人をやっている」と話題になっていました。

 この他にも、『宇宙戦艦ヤマト2199』(2013年)ではヴォルフ・フラーケンというカウラーによく似たキャラを演じているのですが、これは総監督だった出渕さんからの指名だったそうです。

■シリアスからコミカルまで、幅のある演技で魅了する匠の技

中田さんはアニメ『ケロロ軍曹』のギロロ伍長役で多彩な演技を披露している。画像は「キャラクタースリーブ ケロロ軍曹 ギロロ伍長」(エンスカイ)

 中田さんが本格的に声優活動を始めたのは1990年代に入ってからでした。

 初めての大きな役は『機動戦士Vガンダム』(1993年)のナレーションでしょうか。他にもレギュラーでレオニード・アルモドバル、印象的な敵役だったゴッドワルド・ハインなど、複数のキャラを演じていました。

 その後、2001年に放送された『HELLSING』(2001年)のアーカードで初の主演を務めます。そして2004年に声優としての地位を不動のものとした、代表作ともいえるべきキャラとほぼ同時に出会いました。それが『ケロロ軍曹』(2004~2014年)のギロロ伍長と、『巌窟王』(2004年)のモンテ・クリスト伯爵/エドモン・ダンテスです。

 特にギロロは作品が長い間放送されていたことと、シリアスからコミカルな演技という振り幅が広かったこともあって、中田さんの演技を存分に楽しめたキャラとなりました。

 もちろん、それ以前、それ以降にも印象深いキャラがたくさんいます。筆者チョイスですべては紹介しきれないのが残念ですが、アニメだけでも『疾風!アイアンリーガー』(1993年)のファイタースピリッツ、『天空のエスカフローネ』(1996年)のフォルケン・ラクール・デ・ファーネル、『Fateシリーズ』(2006年~)の言峰綺礼、『繰繰れ! コックリさん』(2014年)の信楽、『ゴールデンカムイ』(2018年~)の土方歳三などが個人的には思い出深いキャラたちでした。

 洋画ではクリス・ノースの吹き替え、ゲームでは『新世代ロボット戦記ブレイブサーガ』(1998年)のバーンガーンも印象深いです。文字数が足りなくて紹介が半端になってすみません。

 中田さんの声は威圧感があって聞くだけで背筋の伸びるような感じがしますが、柔らかく演じたときは紳士のように思えて心が和み、逆に荒ぶった感じで暴力的な語り口をした時には固まってしまうような怖さを感じます。ひょっとしたら人の心を支配できるような洗脳効果がある声なのではないでしょうか(笑)。筆者的にはそう思えるくらい印象深い声であります。

 今年は戦隊シリーズ45周年というメモリアル作品『機界戦隊ゼンカイジャー』(2021年)でラスボスとなるボッコワウスの声を演じている中田さん。40周年の『動物戦隊ジュウオウジャー』(2016年)ではアザルドを演じ、35周年の『海賊戦隊ゴーカイジャー』(2011年)ではゲストキャラのザイエンを演じているので、戦隊メモリアル皆勤賞ですね。振り返ればカウラーの登場した『超新星フラッシュマン』は戦隊シリーズ10作品目ですから、ものすごくご縁のあるシリーズかもしれません。

 何かサプライズがあるかもしれないと期待して、今年も中田さんのご活躍をお祈りしたいと思います。

(加々美利治)

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