連休に見たい「アナザーガンダム」3選 美しい作画で“初ガンダム“にもおすすめ
マグミクス / 2021年5月1日 18時10分
■ガンダムを語るなら外せない! GWに一気見したい「アナザーガンダム」作品
「ガンダム」シリーズ作品では、作中の年号を「宇宙世紀○○年」とするものと、それ以外(「西暦○○年」「コズミック・イラ○○」など)で表すものがあります。宇宙世紀以外の年号を用いる「アナザーガンダム」は、その歴史や世界観がそれぞれ大きく異なる点が魅力のひとつ。しかし、「ガンダム」シリーズは作品数が多く、「アナザーガンダム」まで見られていない方もいるのではないでしょうか。この記事では、長期休みにぜひ見ておきたい「アナザーガンダム」を3作品ご紹介します。SNSでも「好きなアニメランキングトップ5に入る」「もう一度フルで見ようかな」と評判です。
●『機動戦士ガンダムSEED』(2002年10月~放送)
『機動戦士ガンダムSEED』は21世紀に入って初めて制作された「ガンダム」作品で、年号は「コズミック・イラ(C.E.)」です。大河ドラマや少女マンガの影響を受けたというドラマチックなシナリオがファン層を広げ、人気に。2018年にNHKで放送された『発表!全ガンダム大投票』では、初代『機動戦士ガンダム』『機動戦士Zガンダム』に続き第3位にランクインしました。幼なじみのふたりが「地球軍」と敵対する「ザフト軍」に分かれて対立することで、戦争の不毛さや悲惨さを描き出しています。
ザフト軍と地球軍は、C.E.70に起きたザフトのプラントへの核攻撃「血のバレンタイン」をきっかけに、本格的な戦争に突入していました。長引く戦争のなか、中立国・オーブの衛星ヘリオポリスでは、地球軍の機動兵器を開発。それを聞きつけたザフト軍は、兵器を奪うためオーブに侵攻を開始しました。オーブの工業カレッジに通う学生、キラ・ヤマト(CV:保志総一朗)は、居合わせた少女を避難させたものの、自分は逃げ遅れてしまいます。ナイフを構えて襲いかかってきたザフト兵は、キラの幼なじみであるアスラン・ザラ(CV:石田彰)でーー?
まるで「昼ドラ」のようなドロドロとした人間関係を、美しい作画でリアルに描き出した本作。戦争という極限状態のなかで揺れ動く友情や愛情が、ドラマチックに表現されています。また、本作タイトルの「SEED」には、「種子」以外にも「遺伝子操作」や「発端」という意味が含まれています。遺伝子操作によって生まれた「コーディネイター」と、遺伝子操作をしていない「ナチュラル」の対立は、本作の主要テーマのひとつ。「核戦争」「遺伝子操作」などの社会的なテーマも織り交ぜられており、考えさせられます。美しい作画で入りやすいものの、続編の『SEED DESTINY』と合わせると100話に及ぶ長編なので、長期休みにじっくり見るにはぴったりの作品です。この作品は、「dアニメストア」「Netflix」「U-NEXT」などで見ることができます。
●『機動戦士ガンダム00(ダブルオー)』(2007年10月~放送)
『劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-』 (C)創通・サンライズ
『機動戦士ガンダム00(ダブルオー)』は、「ガンダム」シリーズで初めて年号に「西暦」を採用した作品です。現実の世界から300年後の世界を想定して作られているため、登場する各勢力も現実の世界に近く、世界観が理解しやすいのも特徴です。監督は『鋼の錬金術師』『シャーマンキング』の水島精二さん、脚本は『無限のリヴァイアス』『おおきく振りかぶって』の黒田洋介さんと、スタッフ陣の豪華さも話題となりました。
時は西暦2307年。人類は枯渇した化石燃料の代わりに、巨大な軌道エレベーターと大規模な太陽光発電システムをエネルギー源としていました。しかしその恩恵を受けられるのは、「ユニオン」「人類革新連盟」「AEU」の3大国家群と、その同盟国のみ。非加盟国家や中東諸国は、貧困に苦しんでいました。さらに、3大国家群も世界の主導権を奪い合っており、争いは尽きません。そんななか、「武力による戦争の根絶」を掲げる組織・ソレスタルビーイングが現れます。ソレスタルビーイングはガンダムを使って、全ての戦争行為に武力介入を始めてーー?
刹那・F・セイエイ(せつな・えふ・せいえい/CV:宮野真守)の「俺がガンダムだ!」という名言でも有名な本作。キャラクター原案はマンガ『LOVELESS』『アーシアン』の作者・高河ゆんさんが手がけており、美麗で動きの良い作画とも相まって評判となりました。また、年号に「西暦」を採用し、アメリカ合衆国や中国など実在の国々が登場する設定は、美しい作画とあわせて「ガンダム」シリーズ初心者にもおすすめできるポイントです。ガンダムで「平和のための武力行使」を行うという矛盾した活動は、果たして人類をひとつにするのか。果たしてそれは「正義」なのか……。ファーストシーズンの25話、セカンドシーズンの25話に加え、映画化や舞台化も行われている人気の作品です。この作品は、「Netflix」「U-NEXT」「バンダイチャンネル」などで見ることができます。
●『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』(2015年10月~放送)
『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』 (C)創通・サンライズ・MBS
『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』は「アナザーガンダム」の最新作で、年号は「ポスト・ディザスター(P.D.)」です。「少年兵たちのロードムービー」という側面の強い本作は、ビーム兵器が登場せず鈍器のような武器で戦うなど、バトルシーンの泥臭さも特徴的。作画も美しく、上記の2作品同様、高い女性人気を得ています。
「厄祭戦」と呼ばれる大戦争が終結してから約300年後の、P.D.323年。強大な軍事組織「ギャラルホルン」の監視下に置かれた地球では、4つの経済圏による分割統治が行われていました。一方、地球の統治下にある火星は貧困に苦しんでおり、独立運動を行う少女・クーデリア・藍那・バーンスタイン(CV:寺崎裕香)が交渉のため地球に向かおうとしていました。火星の民間警備会社「クリュセ・ガード・セキュリティ(CGS)」に所属する三日月・オーガス(CV:河西健吾)たちは、クーデリアの護衛任務を受け、彼女と地球に向かいます。しかし三日月たちは、反乱の芽を摘み取ろうとするギャラルホルンに襲撃されて――?
貧困のなか、生活のために戦う少年兵たちを主人公にした本作。戦争に巻き込まれるのではなく、生活のために自ら戦いに行く少年たちを描く点が、これまでの「ガンダム」作品と大きく異なっています。お互いを「家族」と称し、子供たちで生き残ろうともがく三日月たちの様子や手段から、「任侠ガンダム」と呼ばれているほどです。また、少年兵をテーマに取り上げていることもあり、「ガンダム」シリーズの予備知識がなくても理解しやすい作品です。なお、ネット上でもよく見かける名言「止まるんじゃねぇぞ……」は本作のセリフで、2017年度アニメ流行語大賞で銅賞を受賞しています。1期・2期合わせて50話で完結しており、ひと味違う「ガンダム」作品を見たい方にもおすすめの作品です。この作品は、「dアニメストア」「U-NEXT」「バンダイチャンネル」などで見ることができます。
* * *
「宇宙世紀」の作品とは世界観が大きく異なることもある「アナザーガンダム」ですが、「ガンダム」シリーズを見始めるきっかけとしては入りやすいかもしれません。外出しづらい長期休みを利用して、「アナザーガンダム」を制覇してみてはいかがでしょうか。
※配信状況は記事掲載時点のものです。
(新美友那)
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