5/2は『ウマ娘』スペシャルウィークの誕生日。開発者の夢も乗せ、日本一へと駆け抜ける！

■「日本一になる」夢を抱え、トレセン学園へ

　本日5月2日は、TVアニメ／ゲームアプリ『ウマ娘 プリティダービー』に登場する、スペシャルウィークの誕生日です。実在の競走馬であるスペシャルウィークは1995年の同日生まれで、残念ながら2018年に他界しています。

　TVアニメ1期のスペシャルウィークは主人公として位置づけられており、彼女が長年暮らした地元を離れ、トレセン学園に向かうところからストーリーが始まります。

　ひょんなことから学園より先にレース場を見学することにしたスペシャルウィークは、そこでサイレンススズカの圧倒的勝利を目撃し、レースの世界へと引き込まれて行きます。転入早々に行われた選抜レースでは「日本一のウマ娘になりたいです！」と宣言し、周囲の失笑をかってしまいます。しかしレース本番では大幅に出遅れながらもあっという間に巻き返し、キングヘイローと競り合い最後には抜き去り、潜在能力の高さを見せつけたのです。

「日本一になる」というスペシャルウィークの夢は、彼女の生い立ちに深い関係があります。スペシャルウィークの母親は、彼女を産んですぐに亡くなってしまいます。産みの母親にかわってスペシャルウィークを育てたのは、「おかあちゃん」と呼ばれる金髪の女性。育ての「おかあちゃん」は産みの「おかあちゃん」が亡くなる前にスペシャルウィークを託され、必死になって育て上げていたのです。

　実はこの設定、史実のスペシャルウィークが元となっています。史実でも母馬であるキャンペーンガールはスペシャルウィークを産んですぐに亡くなってしまいました。母を亡くしたスペシャルウィークは乳母馬の乳を飲んで育ち、その後は人の手によって育てられます。

　このときスペシャルウィークを手塩にかけて育てていたのが、ティナというニュージーランド人の女性だった……というエピソードがアニメにも反映されているのです。

　さて、アニメに話を戻します。サイレンススズカとルームメイトとなったスペシャルウィークは、デビュー戦でも見事に勝利。続く目標を皐月賞・日本ダービー・菊花賞の三冠制覇に定めますが、そう簡単に行くはずもありません。

■「大食い」がピンチを招くことも…

デビュー戦で見事勝利したスペシャルウイークだが、ウイニングライブでは棒立ちになってしまい、チームメイトと特訓するという一幕も。画像はアニメ『ウマ娘』1期・第3R「初めての大一番」より（画像：Cygames）

　皐月賞でのスペシャルウィークは食べ過ぎて太ってしまい、勝負服のチャックが閉まらない状態でした。これも史実に準拠した展開で、実在のスペシャルウィークもデビュー時は466kgだった体重が、皐月賞のときには10kg増加していたのです。

　結果、早々に三冠制覇の資格を失ったスペシャルウィークでしたが、仲間の支えもありダービー、宝塚記念、天皇賞・秋とレースへの出走を続け、ライバルであるエルコンドルパサーやセイウンスカイ、グラスワンダーとの激闘を繰り広げます。

　実績を積み重ね、ついに「日本総大将」と呼ばれるまでに成長したスペシャルウィークはジャパンカップに出走、凱旋門賞でエルコンドルパサーに勝利したヨーロッパ最強ウマ娘、ブロワイエを迎え撃ちます。果たしてスペシャルウィークは日本一のウマ娘になれるのか。ふたりの「おかあちゃん」との約束を守れるのか……ぜひあなた自身の目で確かめてください。

　アプリゲームでのスペシャルウィークも、キービジュアルでは真ん中に描かれており、事実上の主人公として位置づけられています。レア度は当然ながら最高の☆3ですが、ライバルが強く苦戦しがちで、育成難易度は少し高めとなっています。覚醒レベルを上げると強力な回復スキル「食いしん坊」を習得できるのは、太り過ぎの状態でレースに臨んだスペシャルウィークらしいと言えるでしょう。

　しかし何よりスペシャルウィークの存在感を感じるのは、オープニングでしょう。発表からサービス開始まで非常に長い時間がかかった『ウマ娘　プリティダービー』。その開幕を飾るオープニングテーマで、高らかなファンファーレとともにまず最初に映し出されるのがスペシャルウィークです。そしてステージ上の皆が声を合わせ「やっとみんな会えたねー！」と叫ぶシーンでも、アップになるのはスペシャルウィークなのです。

　開発者が『ウマ娘』に込めた想いが凝縮された存在。それがスペシャルウィークなのかもしれません。

（ライター　早川清一朗）