『SLAM DUNK』で記憶に残る「名プレー&珍プレー」6選。鳥肌ものの得点シーンも…
マグミクス / 2021年5月7日 17時10分
■桜木が“バスケットマン”になった瞬間
連載完結から25年目となる2021年、アニメ映画化が発表されて再び話題となっているバスケットボールマンガの金字塔『SLAM DUNK』は、数々の名シーンや名言が読者に強い印象を残し、時代を問わず多くのファンに愛されています。
また同作では、バスケファンの胸をアツくする“名プレー”や、つい笑ってしまう“珍プレー”も多く描かれました。今回は、原作マンガのなかでも屈指の“名プレー&珍プレー”を3つずつご紹介します。
●主人公・桜木花道のダンク初成功
まずは、神奈川県代表インターハイ予選の決勝リーグ1回戦でのシーンから。16年連続でインターハイに出場している強豪・海南大付属との試合で、主人公の桜木花道(さくらぎ・はなみち)がみせた、記憶に残る“名プレー”です。
ゴールに頭をぶつけたり、相手選手の頭にボールを叩きつけたりと、実戦でダンクを決められなかった桜木が、公式戦で初めてダンクシュートを成功させた名プレーです。フェイントで相手選手を華麗に抜くと、見事にゴール。素人だった桜木が“バスケットマン”になった瞬間ではないでしょうか。ベンチに下がっていたライバル・流川楓(るかわ・かえで)も「ぶちかませ!!」と叫んでいるのが印象的で、感動がこみ上げました。
また、海南戦は名言も多い試合でした。3年生で主将の赤木が足首の痛みで一時退場しますが、それでも試合に戻ろうとして「骨が折れてもいい。歩けなくなってもいい。やっとつかんだチャンスなんだ」とマネージャーに言い放った言葉が今も忘れられません。
● “あきらめの悪い男”三井寿を蘇らせる3Pシュート
続いては、作中屈指の名試合から。インターハイ2回戦で当たった絶対王者・山王工業との試合で、湘南の3年生・三井寿(みつい・ひさし)がみせた“名プレー”です。
天才的なバスケセンスで、スリーポイントシュートを武器に活躍する三井ですが、競技から離れていたブランクもあり、スタミナ不足が欠点。試合後半、フラフラになりながら「オレは誰だ?」と自身に問いかけ、「オレは三井、あきらめの悪い男」と放ったセリフは、ファンの間でも名言として知られています。
そんな“あきらめの悪い男”が見せた名プレーが「もうオレは腕も上がんねーのによ」と口にするほど、体力に限界が来ていてなお、披露したスリーポイントです。いまにも倒れそうな三井を見た流川がボールを持つと、「そんなタマじゃねーよな」と、三井へのパスを選択。すると、腕も上がらないと言っていた三井がスリーポイントシュートの体勢へ。放ったシュートは高く美しい弧を描きながら「パツン!」とゴールに吸い込まれます。
このとき三井が心のなかで言った「静かにしろい この音が…」「オレを甦らせる。何度でもよ」というセリフで、さらに心が震えた名プレーでした。
■作中No.1との呼び声高い名プレーとは…?
●主将“ゴリ”の頭に決めたダンク
続いては、第1巻で桜木がみせた“珍プレー”をご紹介。桜木がバスケ部の練習に参加した際、主将を務める“ゴリ”こと赤木剛憲(あかぎ・たけのり)の頭にダンクをぶちかましてしまうのです。
桜木は抜群の身体能力で赤木より高くジャンプしますが、ボールはリングではなく頭に直撃……。「ワザとじゃないよ」と弁明しますが、時すでに遅し。赤木を怒らせてしまうのでした。
しかし、監督を務める安西先生はこのプレーを見て、桜木の将来を期待している表情を見せます。素人感満載だった桜木がここから努力を積み重ね、前述のように強豪・海南戦で見事ダンクシュートを成功させるのでした。
●リバウンドを奪い合う“キングコング兄弟”
そんな赤木と桜木による“キングコング兄弟”が、インターハイ初勝利を飾った豊玉高校との試合で“珍プレー”を披露しました。
「リバウンドを制する者は試合を制す」という名セリフを桜木に放ち、リバウンドの技術を叩き込んだ赤木。そして自称・リバウンド王こと桜木が試合終盤、絶対にボールを死守すると意気込みます。
空中に放られたボールを赤木が「誰にも渡さん!」とキャッチ。一方、桜木も「ふんぬー!」とキャッチ。ふたりでリバウンドを奪いあう形となり、三井らに「味方だー!」と突っ込まれながら、試合は終了。ふたりの空中戦の強さを物語るシーンとなりました。
●試合中に「大根の桂剥き」を披露する魚住純
続いては、試合中にボールとは関係ないところで起きた“珍場面”。それはインターハイ2回戦の山王戦で起きました。
山王のセンターで中心選手のひとり、河田雅史とマッチアップする赤木ですが、さんざん抑え込まれ、その実力差に心が打ち砕かれそうになります。まわりが見えなくなっていく赤木は、無理やりダンクを狙うと転倒。意識がもうろうとする赤木の頭上に“ある物”が落ちてきます。
なんとそれは「大根」。目の前に切磋琢磨してきた陵南高校のライバル・魚住純(うおずみ・じゅん)が、板前の格好をして大根の桂剥きをしていたのです。
「華麗な技を持つ河田は鯛(たい)」
「お前に華麗なんて言葉が似合うと思うか赤木」
「お前は鰈(かれい)だ。泥にまみれろよ」
などといったセリフを去り際に残した魚住。そして大根の桂剥きは、刺身のツマになる。つまり“引き立て役”です。そんな役割も重要であることを魚住は赤木に伝えたかったのではないでしょうか。
●いがみ合っていたふたりの協力プレー
最後は、同じく山王戦から、ファンの間でも作中No.1と呼び声高い“名プレー”をご紹介。桜木がブザービーターを決めた“あのシーン”です。
絶対王者・山王に1点差まで詰め寄る湘北は試合終盤、赤木が相手選手のダンクを懸命に弾き飛ばすなど一進一退の攻防が続きます。相手ゴール下でルーズボールを拾った桜木は、因縁のライバル・流川へパス。お互い今まで滅多にパスなど出したことがない、いがみ合った関係でしたが、チームの勝利のためボールを預けます。これを得点に結びつける流川でしたが、すぐさまカウンターを食らい再び1点を追いかける湘南。
速攻をかける湘南は相手ゴール前で再び流川がボールをキープ。そしてその横には「左手はそえるだけ」と小さくつぶやく桜木の姿が。それを見た流川が取った選択は桜木へのパス。桜木は綺麗なシュートフォームで得点を決めて大逆転勝利。最後は、顔を合わせたふたりの熱いタッチが描かれる、鳥肌ものの名シーンでした。
* * *
以上、6つの“名プレー&珍プレー”をご紹介しましたが、『SLAM DUNK』では他にもたくさんの印象的な試合シーンが描かれています。皆さんの心に残っているプレーは何ですか?
(中島憲太郎)
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