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『鬼滅の刃』柱たちが鬼殺隊を志した、それぞれの理由 悲痛な過去と覚悟を持った生き様

マグミクス / 2021年5月13日 16時40分

『鬼滅の刃』柱たちが鬼殺隊を志した、それぞれの理由 悲痛な過去と覚悟を持った生き様

■亡くした人を思い、戦う柱たち

『鬼滅の刃』に登場する9人の「柱」たち。どの柱も、剣士として強いだけでなく、人間として魅力的で、素晴らしい責任感をもって鬼と戦っています。そんな柱たちはなぜ鬼殺隊に入り、柱を目指したのでしょうか。

 つらく苦しい境遇から輝くような魂を持つ柱となった、キャラクターの生き方をご覧ください。

※この記事では、まだアニメ化されていないシーンの記載があります。原作マンガを未読の方はご注意ください。

●水柱・冨岡義勇 柱となっても、自分を認められなかった理由

 冨岡義勇(とみおか・ぎゆう)は小さい時に両親を亡くし、姉の蔦子(つたこ)と2人暮らしでした。しかし、蔦子は結婚式の前日、鬼に襲われて亡くなってしまいます。その後、鱗滝左近次(うろこだき・さこんじ)の元で錆兎(さびと)とともに修行をし、最終選別を経て鬼殺隊に入りました。

 恵まれた才能で柱となりましたが、錆兎を犠牲にして最終選別を生き残った後悔の念から自分は柱にふさわしくないと考えていました。炭治郎と話すうちに、錆兎からの激励を思い出して柱としての自覚を持つようになります。

 しかし、そもそも炭治郎が鬼殺隊士となれたのも義勇の存在があってこそ。禰豆子が人を喰った場合は、自分も腹を切る覚悟でした。並の隊士にはない、強い思いがあって柱を務めていたと言えます。

●蟲柱・胡蝶しのぶ 力がなくても、鬼を狩るために知力を尽くす

 胡蝶しのぶ(こちょう・しのぶ)は両親を鬼に殺されました。自分と姉も危ういところを、悲鳴嶼行冥に救われています。悲鳴嶼を見て、「人でも鬼を倒せる」と考えた姉妹。悲鳴嶼に半ば強引に頼み込み、育手を紹介してもらいます。

 姉・胡蝶カナエは「花の呼吸」を会得して柱となりましたが、上弦の鬼・童磨(どうま)に殺されました。残されたしのぶは自身の体格と知力を生かせる「蟲の呼吸」を編み出して、柱へ昇進しています。両親や姉を亡くした悲しみや怒りを、常に微笑みの裏に隠し続けていたしのぶ。嗅覚が鋭い炭治郎でなければ気付けなかった真の思いを隠し、凛とした態度であることに、柱たる強さを感じさせます。

●炎柱・煉獄杏寿郎 絶望した父を見ても、心を燃やし続ける

 煉獄家は代々「炎の呼吸」を継ぐ鬼狩りの一族です。煉獄杏寿郎(れんごく・きょうじゅろう)の父・槇寿郎(しんじゅろう)も炎柱でした。しかし槇寿郎はある日戦いを辞めてしまいます。杏寿郎は誰に教わることもなく3冊の指南書を読み込み修行しました。

 甘露寺蜜璃を継子にするほど成長した時、父の代わりとして下弦の鬼・佩狼(はいろう)と戦います。帝都に爆弾を仕掛けるという卑劣な手を使った佩狼に杏寿郎は勝利を収め、柱として認められました。

 母・瑠火(るか)を病で亡くし、父は心を閉ざした状態。それでも、幼い弟の千寿郎(せんじゅろう)を抱きしめて支え、柱としても責務を果たした杏寿郎。その生き様は、無限列車で共に戦った炭治郎たちだけでなく、多くの人たちの心に炎をともしてきたのでしょう。

●風柱・不死川実弥 家族を奪った鬼を狩るために

 不死川実弥(しなずがわ・さねみ)は子供時代、鬼になった母親に家族を殺され、自分の手で母にとどめを刺しました。その後は自分の血が鬼を酔わせる「稀血(まれち)」だと気付き、自分を傷つけ、流れる血を利用して手当たり次第に鬼を捕まえては朝日で焼き殺す無茶を続けます。

 そんな時に鬼殺隊の隊員・粂野匡近(くめの・まさちか)に出会い、育手を紹介されて鬼殺隊員となりました。下弦の壱を匡近とともに倒し、柱になっています。実弥といえば、禰豆子を箱ごと刺し、弟の玄弥に冷たく当たるなど、粗野で冷酷な印象が強い人物。実はその行動の裏には、家族や友人への愛の深さゆえの、強烈な鬼への憎悪があったのです。

■柱たちの入隊理由は「復讐」だけではない

●音柱・宇髄天元 戦うなら忍びではなく、せめて人として

 江戸の頃には絶えたと言われた忍びの家系に、宇髄天元(うずい・てんげん)は生まれました。江戸も終わり、衰退していく一族を憂いた天元の父は、子供につらい訓練を強いています。その厳しさは、15歳になるまでに9人いた子供が7人も死ぬほどでした。

 生き残った弟は天元の父と同じ、人の命を命とも思わない機械的な人間に成長。 人間性を失うことに嫌気がさした天元は、人の役に立ちたいと鬼殺隊に入りました。悩みながら戦うことが愚かではないという価値観の鬼殺隊で、天元は音柱になっています。

 TVアニメ放送が決まった『遊郭編』で大いに語られるところですが、一般人を守ることを最優先としながらも、3人の妻、炭治郎たち若い隊士を尊重する姿は、惚れ惚れしてしまうほどのものです。

●恋柱・甘露寺蜜璃 自分が自分でいられる場所を見つけるために

 甘露寺蜜璃(かんろじ・みつり)は「結婚相手を見つけたい」という理由で鬼殺隊に入りました。というのは、もともと人の8倍筋力があり、よく食べることもあって髪の色が桜餅の色になってしまいました。奇妙な外見のため、結婚話が破談になってしまったのです。髪を黒く染め力も食欲も隠して見合いをしたのですが、「自分が自分のまま人の役に立てることはないのだろうか」と思い悩んだ末、鬼殺隊に入りました。

 鬼殺隊では、煉獄杏寿郎の継子として鍛えられました。「炎の呼吸」で能力を発揮することはできませんでしたが、発展させて自分だけの「恋の呼吸」を作り出し、柱へと出世しています。

 鬼に大切な人を殺された復讐心から鬼殺隊に入隊する者が多いなか、蜜璃の理由はかなり変わっています。しかし、任務への責任感は極めて誠実。刀鍛治の里の戦いでは、上弦の鬼の襲撃に駆けつけ、炭治郎たちを守るために命をかけて戦います。

●蛇柱・伊黒小芭内 暗い生い立ちに悲しみつつも、刀を握る

 伊黒小芭内(いぐろ・おばない)は鬼が殺した人間の金銭を奪って生活をする女系の一族に産まれました。伊黒の一族は鬼に、自分たちの産んだ赤ん坊をささげていたのです。伊黒も生け贄になるところでしたが、370年ぶりに生まれた珍しい男子であったため、成長するまで生かされていました。

 しかし、伊黒は座敷牢の格子を盗んだかんざしで削って脱出。鬼に喰われそうになったところを、当時の炎柱に助けられました。一族は伊黒が逃げたため鬼に喰われ、責任を感じた伊黒は鬼殺隊に入って柱まで上り詰めたのです。鬼を倒し、人から感謝されることで、一族の罪をなんとか埋めようとしてきた伊黒。悲惨な生まれを他者のせいにせず、罪を自ら背負うことは、どれほどの重圧だったでしょうか。

●霞柱・時透無一郎 失われた血筋のためではなく、兄のために

 時透無一郎(ときとう・むいちろう)の先祖は、戦国時代にただひとり鬼舞辻無惨を追い詰めた剣士・継国縁壱(つぎくに・よりいち)の兄です。その血筋を買われて、産屋敷あまね(うぶやしき・あまね)から鬼殺隊に誘われました。ところが、兄・有一郎(ゆういちろう)は断ってしまいます。

 その後、兄弟は鬼に襲われました。無一郎は瀕死の重傷を負いながら鬼を倒しますが、有一郎は息絶えてしまいます。あまねが産屋敷邸で介抱したのをきっかけに、鬼殺隊に入隊。記憶は失いましたが、無一郎の才能はすばらしく、刀を握ってたった2か月、まだ14歳という若さで柱になっています。そして本当の力を発揮するのは記憶を取り戻してから。痣(あざ)を発現させて能力を底上げし、人を思う気持ちも芽生えさせ、単身で上弦の鬼を討ちます。

●岩柱・悲鳴嶼行冥 鬼による悲劇がなければ、力を知ることもなかった

 悲鳴嶼行冥(ひめじま・ぎょうめい)は、もともと寺で孤児をと共に暮らしていました。ところが門限を守らなかった子供が鬼に遭遇し、自分だけ助かるために悲鳴嶼と寺の子供たちを鬼に喰わせようとしたのです。入ってきた鬼はあっという間に子供たちを殺し、ひとりだけ残った女の子・沙代(さよ)を守るために悲鳴嶼は素手で鬼を殺しました。

 朝になって鬼の死体は消え、子供の死体だけが残ります。幼い沙代は鬼のことを指して「あの人が殺した」と言ってしまい、それが悲鳴嶼であると誤解を生んでしまいます。

 殺人の罪で捕らえられた悲鳴嶼を助けたのは産屋敷耀哉(うぶやしき・かがや)です。子供たちの件で疑い深くなってしまい、盲目というハンデを負いながらも、悲鳴嶼は19歳で柱となりました。「鬼殺隊最強」と呼ばれる存在になるまでには、生まれ持っての強さだけでなく、凡人ではなし得ない努力があったのでしょう。

* * *

 彼らは、皆それぞれの事情で鬼殺隊に入り、柱となっています。理由は違っても、柱が他人のために自分の命をかけて鬼と戦う姿は、多くの人々の心を動かしました。暗いニュースも多い世の中に、『鬼滅の刃』がこれほど人気を集めた理由は、彼ら柱の戦いぶりと高潔さにもあるのかもしれません。

(マグミクス編集部)

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