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5月22日は『スラムダンク』三井寿の誕生日。「バスケがしたいです」から名シューターへ

マグミクス / 2021年5月22日 7時10分

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■「あきらめたらそこで試合終了だよ」

 5月22日は、『SLAM DUNK』の登場人物、三井寿の誕生日です。連載ベースで本作を追っていた方にとって、バスケ部襲撃事件を起こした三井が実はバスケ部だったと暴露されたときの衝撃は、とてつもなく大きかったのではないでしょうか。それまでただの不良のリーダーでしかなく、宮城リョータに重傷を負わせ、赤木の、バスケ部の夢を潰しかけた人間が、かつて誰よりもバスケを愛している人間だったのです。

 中学時代の三井寿は、神奈川県大会でMVPを獲得するほどの活躍を見せ、武石中を全国大会に導いた天才シューターとして名を知られていました。神奈川大会の決勝戦、敗色濃厚な状況で、安西監督から「あきらめたらそこで試合終了だよ」と声をかけられたことから心酔、海南大付属や陵南といった強豪校ではなく湘北高校へ進学します。

 しかし、ひざを負傷してしまい、完治する前に無理に復帰したためにさらに悪化。バスケに対する愛情は絶望に塗りつぶされ、不良の道へと堕ちていってしまいます。

 そして不良仲間を集めてバスケ部に乗り込み、流川楓や宮城に怪我を負わせるものの、桜木花道の友人である桜木軍団の介入により事態は逆転。木暮に「夢見させるようなことを言うな!」と叱りつけられ、赤木から何度も平手打ちを受けるその姿に、もはや悪役としての恐ろしさなど全くありません。

 やがて現れた安西監督を前にして、涙ながらに「バスケがしたいです……」と声を絞り出した三井は、2年間言えなかった本当の気持ちをさらけ出した、ただのひとりの若者に過ぎなかったのです。

 桜木軍団、そして三井の友人である堀田徳男の男気あふれる行動により、バスケ部襲撃の罪から逃れた三井はバスケ部に復帰、チームに受け入れられます。三井の加入によりついに湘北高校のレギュラー選手5人が揃い、それまで不良ものとしての色を残していた『SLAM DUNK』という作品が、本格的にバスケに向かって突き進んでいきます。三井の起こした事件が、本作にとって極めて大きなターニングポイントとなったのです。

■三井の加入は急きょ決定した

 今から考えると信じられませんが、作者の井上雄彦先生によれば三井の湘北チームへの加入は想定外だったとのこと。喧嘩のシーンを描いているうちに三井に感情移入して、急きょチーム入りしたというのですから驚きです。本来であれば5人目に想定していたのは誰だったのか気になるところですが、それは歴史のifなのでしょう。

 復帰後の三井にとって、まず大きな試練となったのが、翔陽高校との試合です。勝ったチームが決勝リーグへと進める状況で、三井は中学時代に戦い、圧倒していた長谷川一志に5点以内に抑えると言われ激昂します。事実、後半残り10分を切った段階で5得点に抑えられ、しかも長谷川にボックスワン(マンツーマン)で付かれて疲労困憊し、ベンチの1年にまで心配される体たらくを見せてしまいます。

 しかし残り5分を切り、12点差をつけられた時点でもらったファウルによって「こういう展開でこそオレは燃える奴だったはずだ…!!」と、ついに覚醒。3本のフリースローを皮切りに次々と3ポイントシュートを決め、最後は際どいボールに飛びつき流川に後を任せ、同点を見届けたところで力尽きました。このとき安西監督からかけられた「君がいてよかった…」という言葉を聞いた時の三井の表情からは、すでに不良時代の影は消え失せていました。

 その後も厳しい局面で3ポイントを決めてチームに貢献し続けた三井は全国大会終了後もチームに残り、バスケを続けています。2004年に学校の黒板に書き下ろされた『あれから10日後』では、不良をやっていたこともあり学力が足りないので、バスケで推薦を取って大学に行くつもりのようです。果たして三井は上手く大学に行けたのでしょうか。もし行けたとしたら、やはり高いセンスとシューターとしての能力を生かし、活躍したことでしょう。

『SLAM DUNK』は今後映画化が予定されていますが、そこでは三井がどのように描かれるのか、期待したいところです。

(早川清一朗)

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