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『ドラクエ音楽』すぎやまこういち氏 「仕方ないから東大へ」逸話がクレイジーの領域

マグミクス / 2021年5月27日 7時10分

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■「そして伝説へ…」鬼才ぶりがうかがえる数々のすぎやまこういち伝説を一挙ご紹介

 すぎやまこういち氏。日本を代表する作曲家です。「ドラゴンクエスト」シリーズの音楽を担当したことでも有名ですが、ゲーム音楽のみならず、誰もが聴いたことのある曲をこれまで実に数千曲の作曲を手がけたリビングレジェンドです。2016年には「最高齢でゲーム音楽を作曲した作曲家」としてギネスに認定され、2018年には旭日小綬章を受章、2020年には文化功労者に選出されています。

 すぎやま氏は1931年(昭和6年)、世に言う満州事変の年に生まれ現在90歳。誰もが耳にしたことある名曲を生み出し続けているすぎやま氏ですが、その人生もまたにわかには信じがたい浮世離れしたエピソードが数多く存在。本稿では 「東大卒ゲーマー」として「作曲家」しても振り切れた才気を宿した“天才・すぎやまこういちの伝説”を文字数の許す限りご紹介します。

●灯火管制のなかでも花札に興じていた少年時代

 東京・下谷で生まれたすぎやま氏は小さい頃から両親より「ゲーム」と「音楽」の英才教育を施されてきました。音楽に関していえば祖母の英語の賛美歌を子守歌に眠り、楽譜の読み方を両親に教わると小学校の頃からコーラス隊を結成し指揮者を担当します。さらに「ゲーマー」としての才能もここで開花。両親とも筋金入りのゲーム好きだったため、夜間空襲に備え灯火管制が敷かれている時も光を外に漏らさぬよう注意しながら花札やトランプに家族で興じていたそうです。

●音大はお金がかかるので…泣く泣く東大に行く

 成蹊高校では自ら「音楽部」を創設し音楽熱が高まる一方でしたが、両親からは「学費が安いので公立に行け」と言われ、またピアノが家になかったことから泣く泣く音大を諦め、仕方なく東大に入ったとのこと。『ドラゴン桜』が霞みます。結局、東大入学後も授業を抜け出しては高校オーケストラの指揮をしていたそうです。

●音楽愛が爆発したディレクター時代…口パク歌手に「出て行け!」と怒鳴る

 大学卒業後は文化放送勤務を経てフジテレビへと入社。念願の音楽番組の担当が決まるとそこで愛が爆発。ある英国の有名歌手が口パクで歌おうものなら「ゲット・アウト!」と怒鳴り帰らせたり、カメラマンや照明含めスタッフ全員楽譜が読めるよう徹底したり、“独裁者”扱いされていた時代もあったと言います。なおこの頃にはすでにザ・タイガースの曲を手掛けるなど作曲家としてのキャリアをスタートさせていました。

●“あの曲”は5分で完成! たった1週間で作った『ドラクエ』音楽

 フジテレビ退社後、作曲活動に専念していたすぎやま氏のもとにエニックスから急きょ『ドラゴンクエスト』の作曲依頼が舞い込みました。ところが、のっぴきならぬ事情で締め切りはたった1週間。そんな状況下ゆえか、かの有名な『序曲』にいたっては5分で作り上げてしまったとか。

●「ふっかつのじゅもん」を印刷する機械をわざわざ購入

 ここからは「作曲家」ではなく「ゲーマー」としての伝説もご紹介。『ドラクエ』音楽を30年以上担当できたのも『ドラクエ』愛があったからこそと語るすぎやま氏は、基本的に全てのキャラはレベル99まで育てあげるそう。また当時プレイヤー泣かせとしても有名だった『ドラゴンクエストII』の52文字の「ふっかつのじゅもん」にいたっては書き損じがないよう、テレビ画面ごとプリントアウトできる機械を購入したたそうです。スマホカメラがない時代とはいえ、その執念には驚かされます。

●そもそも『ドラクエ』も「将棋ゲーム」の意見書から始まった!

 好きなものに対しての情念が桁違いのすぎやま氏。先述の『ドラクエ』の仕事が決まった経緯もまたゲーマーならでは。エニックスの『森田将棋』というパソコン用将棋ゲームにハマっていたすぎやま氏がアンケートに“生意気なこと”を書いて送ったことがきっかけとなり、同社のゲーム音楽を担当することになったのだとか。

 ……逸話はまだまだあるのですがとても入りきりません。現在も休日はもっぱらDSに夢中だというすぎやま氏。きっとまたご自身の伝説を、ご自身で塗り替えてくれるに違いありません。

(片野)

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