『エデン』で世界唯一の人間を演じた高野麻里佳さん、「赤ちゃんから大人になる役は挑戦だった」
マグミクス / 2021年6月1日 18時10分
![『エデン』で世界唯一の人間を演じた高野麻里佳さん、「赤ちゃんから大人になる役は挑戦だった」](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/magmix/magmix_55128_0-small.jpg)
■ロボットだけの世界で成長し、絆を深めていく少女
Netflixオリジナルアニメシリーズ『エデン』が2021年5月27日(木)から配信されています。同作の舞台は千年後の未来。はるか昔に人間が姿を消してしまった世界「エデン」で、ロボットだけが暮らしています。
ある日、ロボットのE92とA37は、サラという人間の赤ちゃんが入ったカプセルを偶然発見し、眠りから目覚めさせてしまいます。「人間は古い言い伝えの中の有害な存在」と教え込まれていた彼らは、これをきっかけに世界の常識に疑問を抱き、2体はエデンを離れて安全な場所で赤ちゃんをひそかに育てることにします。
世界でたったひとりの人間であり、ロボットたちとの絆を育んでいく主人公、サラを演じる高野麻里佳さんにお話を聞きました。
ーー作品に出演することになった経緯を教えてください。
高野さん(以下敬称略) 「仮アフレコ」という、絵を作るための音声を録る場所に呼ばれたことです。その場では絵を作るためのプレスコ収録を行ったのですが、私はサラの仮キャストとして入っていたので、本番は違う方になる可能性もありました。
ーーそのまま正式に起用されることになったのですね。
高野 プロデューサーで本作の原案を手がけたジャスティン・リーチさんが「良かったです」と言って下さいました。もし別の方に決まっていたら、作品を見たときに悲しくなったかもしれないので、選ばれて嬉しかったです。
ーーサラというキャラクターについて感じていることについて教えて下さい。
高野 サラはすごく魅力的です。この世界で唯一の人間で、ロボットに育てられながらも、少女らしい表情を見せてくれます。天真爛漫で普通の女の子であるサラは、どの世界にいても、きっとこういう性格なんだろうな……と思い憧れました。途中で見せる孤独や、ロボットには見せない不安も抱えていて、人間らしいところが魅力だと思いました。
ーーサラと共感できるところはありましたか。
高野 私はサラとあまり似ていなくて、石橋を叩いて渡るような、頭がかたいところもある性格なので、好奇心の赴くままに行動できるサラに憧れるところがありますね。
ーー普段の現場と違うところはありましたか?
高野 何もかも違いました。原作となるマンガなどもないですし、原案の方も日本の方ではありません。原作者の方と話し合うこともなかなかありませんし、赤ちゃんから大人になる役に携わるということも……全てが挑戦でした。
■人間という存在を客観視できる、印象的なシーン
Netflixオリジナルアニメシリーズ『エデン』キーアート
ーーもし、高野さんが目が覚めたときに周りに人間がいなかったらどうされますか。
高野 今の私なら寂しくて泣きます(笑)。サラのように赤ちゃんの時からそうだったら、ロボットたちのなかでサラのように育っていたかも知れませんね。
ーーサラがウソをつくときの癖はロボットの両親にバレていますが、高野さんにもそのような癖はあるのでしょうか?
高野 ウソをつけない人間ですが……悩んだときに頭を触る癖があります。ライブとかで頭を触っていたら、言葉を選んでいたり、悩んだりしているときだと思います(笑)
ーーサラを演じる上で大切にされたことについて、教えて下さい。
高野 サラは物語のなかで自分ひとりだけ周りと違うということに気がついてしまいますが、それまでの人生では、ロボットに囲まれて幸せに過ごしていたと思います。ロボットの無機質な感情にとらわれず、サラ自身が大事にしたい家族への愛情や絆を意識していました。
ーーお気に入りのシーンはどのシーンですか。
高野 サラが赤ん坊のときに、お父さんロボットとお母さんロボットが出会うシーンです。初めて人間に会うロボットと無防備な赤ん坊という、全く異なるもの同士が出会うコミカルなシーンでした。ロボットが「これは汚いものかもしれない」と認識しようとするなど、人間を客観視できるシーンだと思いました。
多くの作品では人がいることが当たり前として描かれているので、人間を客観視する機会は多くありません。ロボットの視点からサラを見ることで、「新しいアニメが生まれたな」と感じました。
ーー高野さんは、最近では『ウマ娘 プリティーダービー』のサイレンススズカ役などが大きな反響を呼んでいます。ご自身のお仕事で転機になったのはどの役でしょうか?
高野 私の初めてのレギュラー作品が、日本の声優事情を描いているアニメ『それが声優!』でしたが、アニメ化に際して現実でも声優ユニット「イヤホンズ」を結成したことが転機だったかな……と思います。ユニット活動も初めてでしたし、声優に求められているもののなかに「歌」や「顔出し」があるのかと、考えるきっかけになりました。ユニットでの経験が自信にもなりましたし、今後の声優人生を歩む上でも、「イヤホンズ」はいつも寄り添ってくれると思います。
ーー現在、歌手としても精力的に活動されていますが、目標はありますか。
高野 出演している作品の曲は歌ってみたいと思います。それも声優だからこそできることだと思うので、今後もチャレンジしていきたいです。
ーー新型コロナウイルスの影響が続いていますが、ご自宅ではどのように過ごされていましたか。
高野 家でお仕事ができるようにと思って、自宅に小さなスタジオを作っていました。仕事用のパソコンやマイクにつなぐインターフェイスなどを揃えて、いい音質でセリフが収録できるように練習しました。それらを使ってボイスサンプルも収録しましたし、ラジオ番組も収録していました。
ーー最後に、作品を楽しみにしている方々にメッセージをお願いします。
高野 私自身は声優7年目、アーティストデビューもしたばかりで、まだまだこれからチャレンジしていきたいです。『エデン』は、私にとって初めての経験が詰め込まれた作品で、赤ちゃんから大人まで成長するサラを見守っていただきながら、ぜひ大事なものを見つけてほしいです。
※Netflixオリジナルアニメシリーズ『エデン』は、2021年5月27日(木)より全世界独占配信中。
(マグミクス編集部)
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