「ジャンプ」でいつの間にか名実況・解説キャラになった5人「こんなはずじゃ…?」
マグミクス / 2021年6月7日 11時50分
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■読者とマンガをつなぐ名脇役? 残念な役割? その実態はいかに…
マンガやアニメの激しいバトルシーンや試合中、一体何が起こっているのか、繰り出された必殺技はどのような効果があるのか……せっかくの大事なシーンでも読者や視聴者に伝わらなければ意味がありません。しかし、あまりにも説明が多すぎるとテンポ感も悪くなる問題点も出てくるため、いかにバトルのスピード感を落とさずに状況を伝えるのが作者にとって難しいことは想像にたやすいです。
そんな時に読者にもちゃんと分かりやすいように説明する仕事を密かにこなしているのが「実況・解説」ポジションのキャラたち。
マンガにおいてある意味、主人公以上の貢献度を発揮することもある「実況・解説キャラ」たちですが、多くは非戦闘員であったり、敗退、またはインフレについていけなくなったりとメインのバトルに参加できないキャラが多い印象……どこか不遇の立ち位置とされることが多いです。
この記事では、これまでの「実況・解説キャラ」の代表格と言われてきた『ドラゴンボール』のヤムチャやピッコロ、『キン肉マン』のテリーマンのようなキャラたちの後を継ぐ、新生「名実況・解説」になってしまったキャラたちを紹介。2000年以降に「週刊少年ジャンプ」で連載開始された作品に絞ってピックアップしていきます。
●山本鬼兵『アイシールド21』
まずは多くの読者がルールを知らないと言われていた「アメフト」を扱ったこの作品で解説ポジションとして輝きを放つことになった山本鬼兵。初登場時は「テクニックの鬼兵」の異名といぶし銀な雰囲気で、カリスマ的な存在として扱われていた彼ですが、チームはその後まさかの都大会予選で敗退。もしかするとプレーしている姿が記憶に残っていないという人もいるのではないでしょうか。その後、カリスマ感はどことやら、一貫して試合を見守る、解説役キャラに定着します。予想が全く当たらないギャグ的な扱いも多かったですが、毎試合のように出番が与えられていた貴重な解説役キャラです。
●青峰大輝『黒子のバスケ』
ふたりめもスポーツマンガである『黒子のバスケ』から。この作品では試合ごとに軸となる実況・解説役が変わっていく傾向がありましたが、主人公の元相棒であり、最強キャラとして登場した青峰大輝はそのなかでも強い存在感がありました。その実力は疑いようがなく、主人公たちの大きな壁として立ち塞がったものの、ウィンターカップ以降はバスケのことはもちろん、黒子の性格や能力を知るキャラとして解説キャラとしても台頭。全国大会ではなんと初戦で誠凛高校と対戦、そこで敗退したこともあって終盤は完全なる解説役として定着してしまった、(プレイヤーとしては)やや不遇の立場ともいえます。
●ビュティ『ボボボーボ・ボーボボ』
「ジャンプ」のギャグマンガのなかでも異彩を放った作品『ボボボーボ・ボーボボ』からはヒロイン・ビュティを選出。この作品では紅一点的な立ち位置として第1話から登場したビュティ。キャラが増えていくうちにツッコミの仕事が増加。これまでの概念を吹き飛ばすようなぶっ飛んだボケが多いこのマンガにおいてツッコミを繰り出しつつ、「実況・解説」としても実は大きな役割を果たしています。出番は多いにも関わらず、ヒロインとしての立ち回りは少なく、潤滑油的な役割に徹するという希少な存在です。
●はたけカカシ『NARUTO―ナルト―』
物語の終盤まで最前線で奮闘したカカシ先生もこの作品において、重要な「実況・解説」役。推したい理由はまずは圧倒的な思考量。初期は何を考えているか分からないような一面も多かったカカシも徐々に戦闘中の思考が増えていき、(もちろん物語上はその声は聞こえていないですが)間接的に読者への解説になっていました。そして、常に第一線の戦いに顔を出しながらも、能力の負担による疲労で戦闘不能状態になることが多かったのも実況・解説ポジションに回りやすいシチュエーションを作っていた気がします。
●後藤さん『鬼滅の刃』
最後は大人気マンガ『鬼滅の刃』で、鬼とは直接戦わず、戦闘の後処理をになう部隊「隠(かくし)」のひとり・後藤さん。炭治郎たちの命を救う影の仕事人的な役割の彼ですが、本来の仕事だけではなく、物語の合間合間で登場しては彼らや読者に鬼殺隊のことを教えてくれる存在として重要な役割を果たしてくれていました。さらにこの作品では珍しい、読者と同じような感覚を持つ”普通の人”として、戦闘の凄さを実況してくれたり、炭治郎たちの成長を解説してくれたりする一面も。鬼殺隊を陰で支えるだけではなく、物語を円滑に進める縁の下の力持ちのひとりと言っていいでしょう。
(ハヤサカコウキ)
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