【漫画】Twitterを見て「天は二物を与える」と思った瞬間 自分と比べてしょんぼり…

■Twitterで素敵な人を見た時の“劣等感”

　Twitterを見ていると、素敵なイラストを投稿している人が。他のイラストを見ようと思ったら、本人の顔が写った写真が投稿されていて……。福田ナオさんのイラスト用アカウント（@fukku7010gmail1）で公開されたエッセイマンガが反響を呼んでいます。

「素敵な作品を生み出すクリエイター様が自身の外見さえもキッチリ仕上げてきてると劣等感で死ぬ」というコメントとともに投稿された作品に、読者から「それな」「激しく同意」「うらやましい」「ひとつ才能があると、それを元手にさらなる能力を獲得できるんですよね」「二物を与えられた人もいれば、何ひとつ物を与えられていない人も同じ数だけいる」「男でもありますね」などの声が寄せられました。

　作者の福田ナオさんに、お話を聞きました。

ーー福田ナオさんがマンガを描き始めたきっかけを教えて下さい。

　物心ついた時からマンガが好きだったので、自然と自由帳に絵やマンガを描くようになっていました。中学生や高校生の時は部活や勉強で頭がいっぱいで、ほとんど絵は描かなくなっていましたが、高1になってようやく読んだ『ヒカルの碁』が面白すぎて「大学ではマンガサークルに入ろう」と思いまして、ペンとインクでマンガを描くようになったのは大学の頃からです。

ーー今回のエピソードについて、“ハイブリッド”なユーザーを見かけた時のお気持ちを改めてお聞かせいただけますか？　また、しょんぼりしてしまった後、気持ちを持ち直すために何かされていることはありますか？

　創作にせよ容姿にせよ、優れた能力を持つ方にものすごく憧れます。もちろんそういった方々はその能力を得るために陰でいろいろな研鑽を行っているわけで、そのことも含めて尊敬の念を抱きます。自分もそうなりたいからこそ憧れたり敬意を抱いたりするわけなのですが、その反面自分は絵も容姿もしょうもない人間で、努力も特段できませんので……その落差でしょんぼりするという感じですね……。

　とはいえ「よそはよそ、うちはうち」という考えでもあるので、後々まで引きずるということもありませんし、「気持ちを持ち直さなくては……！」とまで思い詰めることはなかったと思います。

『周りのオタクがぜんぜんボカロを聴かなくなって孤独を感じてる人の話』（福田ナオさん提供）

ーーTwitterではエッセイを中心としたマンガを多数投稿なさっていますが、これまでに投稿されたマンガで、反響が大きかったもの、ご自身が気に入っているものなどがあればご紹介いただけますか？

『周りのオタクがぜんぜんボカロを聴かなくなって孤独を感じてる人の話』は、同世代くらいの方々から共感していただけたようでうれしく思っています。こちらは今回の「しょんぼり話」とは違って、容姿も人格もよい非オタクの元クラスメートが、私が何年も前にオタクをこじらせて聴かせたボカロ音楽を存外気に入っていた……という「うれしかった話」です。

『電車に乗っててメチャクチャ嬉しくなる瞬間』も想像以上に多くの方から共感の声をいただきました。ダサい陰キャの私だけど、女子高生が電車で隣に座ってくれるくらいにはちゃんと社会になじめてるみたいでよかったよかった……という話で、始まり方は卑屈でも、多少なりとも前向きなスタンスで終わる内容が受け入れられるとうれしい気持ちになります。

ーー今後、Twitterで発表される作品については、どのように活動していきたいとお考えでしょうか？

　私はインターネットとTwitterに生きる陰キャのオタクという負の存在ではありますが、荒廃した世界に咲いているきれいな花を紹介するかのように、できるだけ楽しいことやうれしいことを皆さんに共有できたらと思っています。

（マグミクス編集部）