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6月11日は声優・関俊彦さんの誕生日。熱血主人公から「鬼舞辻無惨」などの悪役まで

マグミクス / 2021年6月11日 7時10分

6月11日は声優・関俊彦さんの誕生日。熱血主人公から「鬼舞辻無惨」などの悪役まで

■デビュー当時は熱血主人公を演じていた

 6月11日は声優・関俊彦氏の誕生日です。1983年にデビュー後、1987年にはTVアニメ『赤い光弾ジリオン』の主人公JJ役で主役デビューを果たし、大きく知名度を上げました。その後は『天空戦記シュラト』の修羅王シュラトや『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』のブリード加賀、『新機動戦記ガンダムW』のデュオ・マックスウェルなど多くの作品で主役・準主役級を演じ、2019年には『鬼滅の刃』の鬼舞辻無惨を演じるなど、悪役としても強い印象を残しています。

 35年近く前のある雨の日、部活が中止になってたまたま付けたTVのブラウン管に映し出された『赤い光弾ジリオン』。その主人公「JJ」役としてクレジットされていたのが関俊彦氏でした。当時の筆者は熱心なアニメファンというわけではなく、TVで放送していているから見る程度の、普通の視聴者に過ぎませんでした。

 しかし、ドジで失敗もするけどやるときは必ずやってくれるJJの力強さと粘り強さ、そしてどこか見ている人間を惹きつけるような魅力とアップルの胸元に引き付けられてアニメ誌を買うようになり、親を説得してビデオデッキを買ってもらうなど、急激に二次元方向に傾倒するようになったのです。

 あのとき「ジリオン」を見ていなければ、今ここでこうして記事を書くことも無かったでしょう。あのときからずっと、JJ役の関俊彦氏、チャンプ役の井上和彦氏、そしてアップル役の故・水谷優子氏は、筆者の中で特別な存在でありつづけています。

 関氏はその翌年に放送された六田登氏原作のTVアニメ『F-エフ』でも、主人公の赤木軍馬役を演じ、喧嘩とレースに明け暮れながらも家庭の事情に翻弄される複雑な境遇のキャラクターを熱演しました。次回予告での決め台詞「何人(なんぴと)たりとも俺の前は走らせねぇ!」の力強さはすさまじく、30年以上経った今でも耳の奥から消えることはありません。

■NHK教育番組で顔出し出演も

 1989年には『天空戦記シュラト』に井上氏、水谷氏とともに起用され、主人公の修羅王シュラトを演じています。また同年にはNHK教育テレビ「ふえはうたう」に出演し、1996年まで足掛け8年間、当時の声優としては珍しく顔出しで「お兄さん」を務めました。

 それからも『YAWARA!』の松田耕作や『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』のブリード加賀など多くの作品で重要なポジションのキャラクターを演じ続ける一方、音楽活動や舞台など活動の幅を広げていきました。歌唱力にはかなりの定評があり、モモタロス役を演じた『仮面ライダー電王』では、オープニングテーマとエンディングテーマも歌っています。

 1995年には『新機動戦記ガンダムW』で、デュオ・マックスウェルを担当。普段は明るいキャラながら、いざ戦闘となれば愛機ガンダムデスサイズを駆って「死ぬぜぇ、俺の姿を見た者はみんな死んじまうぞぉ」とうそぶきながら敵機を叩ききる、容赦のないキャラクターを見事に演じておられました。

 デュオは「ガンダムW」に登場した5人のガンダムパイロットのなかでも屈指の人気キャラであり、同作の正統続編である『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz 敗者たちの栄光』では主人公に抜擢されています。デュオの内面に存在する暖かな部分と冷たい部分を見事に映し出し魅力を際立たせた関氏の技量が、続編での主人公化を勝ち取れた要因なのかもしれません。

 さらに2000年以降は峰倉かずや氏原作の「最遊記」シリーズで傍若無人にして傲岸不遜な破戒僧である玄奘三蔵を演じ「……関さん、なんでこういうキャラ異常に上手いんだろ……」と思わせるほど、しっくりした演技を見せてくれました。

 関氏の活躍はまだまだ続き、2019年にはアニメ『鬼滅の刃』で鬼の首魁、鬼舞辻無惨役を演じています。現状アニメ化されている部分での出番はそれほど多くはありませんが、今後はますます増加していくことは確実です。何年後かになるのかはわかりませんが、最終決戦での無惨をどのように演じられるのか、今から楽しみにしています。

(早川清一朗)

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