『ウルトラマンティガ』のトラウマ級エピソード5選。危険は身近なところに存在する？

■出だしからヒヤヒヤ、ハラハラで感情移入が過ぎる！

　1996年に放送開始し、現在も熱狂的人気を誇る『ウルトラマンティガ』。25年の時を経て、後継作である『ウルトラマントリガー』が2021年7月10日（土）から放送を予定し、ますます注目を集めています。

　『ティガ』の大きな魅力のひとつはコアなファンも唸らせるストーリーですが、なかには子供の視聴者には刺激的すぎるものもありました。今回は、トラウマ級だった『ウルトラマンティガ』のエピソードを5つご紹介します。

●衝撃的なスタート…第1話「光を継ぐもの」

　同作第1話で、主人公でGUTS隊員のダイゴたちはタイムカプセルに残された超古代人・ユザレの言葉を頼りに、地球を怪獣たちから救う存在“巨人”が眠るピラミッドを探しにいきますが、そこに怪獣・ゴルザとメルバが現れます。

　本作でのウルトラマンは、3000万年の時を経て復活した光の巨人という設定です。第1話では、ティガを含めた3体の巨人が日本の東北地方で石像となって眠った状態でした。ダイゴはなんとか彼らを復活させようと模索しますが、ゴルザとメルバによって2体はあっけなく破壊され、運良く残ったのはティガだけでした。

　やっと見つけた希望の存在を前に、石像状態のウルトラマンたちは足を折られ、首をつつかれ破壊されます。『ウルトラマンティガ』の幕開け早々、なかなかにショッキングなシーンでした。

●ターゲットは子供…第10話「閉ざされた遊園地」

　第10話で妹と一緒に遊園地に出かけたシンジョウ隊員。しかし遊園地内は見えないバリヤーによって閉じ込められ、子供たちは地中に引きずり込まれる怪現象が発生します。

　登場怪獣は「バリヤー怪獣 ガギ」です。この怪獣はウルトラシリーズを通して、「えげつなさ」でトップクラスではないでしょうか。宇宙からやってきたガギは、“繁殖”目的で地球に潜伏。ドーム状のバリヤーで人間を閉じ込め、アリ地獄と触手で子供たちを捕えて栄養とするのが目的です。子供たちが地中に引きずり込まれるシーンが印象的で、楽しい場所である遊園地は地獄へと一変します。

●人間サイズの敵…第13話「人間採集」

　カラスをモチーフにした人間大のレイビーク星人が登場し、終始ヒヤヒヤされるエピソードです。レイビーク星人は母星の奴隷とするため、人間をミニチュアサイズに変え拉致しています。そして偶然、レイビーク星人の悪行を見かけた少年が尾行を開始し、ヒヤヒヤ感はMAXに！

　その後は、廃工場にて人間サイズに変身したティガがレイビーク星人とバトルを繰り広げます。人間サイズへの変身は『ウルトラセブン』などでも印象的でしたが、しっかりバトルを繰り広げる演出は本作での新しい試みでした。これにより、“危険は身近にも潜んでいる”ことを知らせるエピソードにもなっています。

●怖すぎるビジュアル…第16話「よみがえる鬼神」

　封印の刀が盗まれたことで、かつて山で暴れまわっていた鬼神・宿那鬼（すくなおに）が復活。鬼を封印した侍の魂もダイゴ（ウルトラマンティガ）に協力し、とも共に鬼を追います。

『ウルトラマンティガ』のなかでも特に人気が高いエピソードです。不穏な空気が流れ続ける異色回に仕上がっていますが、ひとつ目の宿那鬼（すくなおに）のビジュアルが怖すぎで、それだけでトラウマものです。

　さらにその顔は、頭の後ろ側に隠されています。さらにさらに、首を切られても死なず、ティガに噛みつき攻撃を仕掛けるというしぶとさも見せた強敵でした。

●怪しいカルト…第33話「吸血都市」

　謎の失踪事件が続発しているエリアで女性を保護し、基地へ連れ帰るムナカタ副隊長。しかし、その女性は吸血鬼に姿を変え逃走します。

　この33話は、コウモリに似た怪獣「吸血魔獣キュラノス」が登場する、吸血鬼をテーマにしたエピソードです。キュラノスはウイルスによって、人間を吸血鬼に変化させる能力を持っていますが、吸血鬼となった人間たちはキュラノスを最高神と崇め計画的に行動しています。どこか怪しいカルト集団の匂いを漂わせ、その拠点にGUTS隊員たちが乗り込む様子は、第13話「人間採集」に通じるヒヤヒヤ感があります。

『ウルトラマンティガ』では今回取り上げたもの以外にもトラウマ回が多くあります。しつこいキリエロイド、喋るガゾート、寄生するマグニア、イーヴィルティガに倒されるガーディー、そして最終回には「石像に戻されるティガ」が待ち構えています。観る者を釘付けにする演出が満載だった『ティガ』を、『ウルトラマントリガー』放送前にもう一度見返してみてはいかがでしょう？

（椎名治仁）