カードバトルホビー『マジカパーティ』は簡単なのに奥深い! 古参プレイヤーが解説
マグミクス / 2021年6月20日 9時10分
■カードの「パック開け」から楽しめる要素が満載
みなさんは2021年4月から放送開始したTVアニメ『マジカパーティ』をご存じでしょうか? 放送時間が日曜日朝9時半からという視聴率激戦区ですから、まだ見たことない方もいるかもしれません。
魔法使いがマジン(作品中のモンスター)を召喚して戦う……という内容のアニメですが、そのバトルを再現したカードバトルホビーも発売されています。そこでトレーディングカードゲーム(TCG)歴25年という古参プレイヤーの筆者が、カードバトルホビー『マジカパーティ』を体験し、その面白さやゲーム性についてご紹介したいと思います。
TCGアニメの多くは、実際にゲームをプレイして、カードに描かれたモンスターが実体化するかのような盛り上がりでストーリーが進んでいきます。このカードに描かれたモンスターがバトルするかのような描写が、これまでのTCGアニメの基本的パターンでした。
しかし、本作のアニメでは実際にマジンを召喚して戦うという流れを中心としています。作品内で登場するカードバトルホビーの『マジカパーティ』は、普通のカードゲームという形で登場していました。「これまでと違ったTCGアニメだ」と筆者は思ったのですが、実際のカードを手に取っていろいろと納得します。
これは、アニメでのマジンたちのバトルを再現したカードバトルホビー。すなわち、これまでのTCGアニメがカードバトルをアニメ化していたこととほぼ真逆でした。なるほど今までのTCGを題材にしたアニメと一線を画すわけです。
この革新的というか、コロンブスの卵のようなアイデアの数々はカードにもありました。TCGの楽しみのひとつと言えば、「パック開け」です。高レアリティのカードが入っているように願ってパックを開け、念願のカードが出たときの快感は、誰もが共感できることでしょう。
『マジカパーティ』のカードパック「マジカパック エピソード1L」(左)と、「マジカパック エピソード1R」(右)。それぞれ、18キャラのなかから3枚がランダムで封入されている(マグミクス編集部撮影)
しかし『マジカパーティ』のパックは開けただけで終わりではありません。ノーマルカードだと思っても、それがウルトラレアカードになる可能性もあるからです。
この『マジカパーティ』のカードは、スクラッチ印刷で本来の絵や数値が隠れているものがあって、それをケズることで進化後のキャラの絵になったり、テキストが強力なものに変わったり、レアリティがアップしたりします。つまりパック開けの後にも楽しみがあるのです。しかも、隠れている部分は1か所とは限りません。
この部分は、アニメでマジンを召喚する際、毎回スクラッチしてそこから飛び出すという演出で表現されていました。
また、カードには通常見えないテキストも隠されています。この部分は感温印刷で、何度も浮き上がったり消えたりと、一度限りのギミックではありません。
以上のようなアニメで表現されていた、魔法のように変化するカードということで、筆者も目からうろこが出る思いでした。パック開けだけでこれだけ楽しめるカードバトルホビーはそうありません。
■簡単で覚えやすいが、深い読み合いも可能
手に入れたカードの表面を削ることで、マジンの能力やデザインが変化する。削ることで隠されている要素が明らかになるケースも(マグミクス編集部撮影)
続いてはゲームシステムです。小さいお子様(対象年齢6歳以上)でも楽しめるように、ゲームの進行、ルールなどは単純明快。ほかのTCG経験者ならばすぐに覚えられることと思います。そういうわけで文字数の都合もありますから、今回はルールや進行に関してのくわしい話は省略して『マジカパーティ』の特色についてご説明しましょう。
まず、「TCGの基本はデッキ構築から」というのが一般的な常識。ここからがまず斬新です。なぜなら、デッキというものは何を引くかわからないので、それを考慮して構築するもの。しかし、『マジカパーティ』の場合はゲームを進行する際、デッキからどのカードを引くかは自分で決めます。
つまり、TCGあるあるの「あれさえ引けば勝てたのに」がないのです。これがいかに素晴らしいことかは、TCG体験者のみなさんならわかりますよね。TCGアニメでいつもキーカードを引けるキャラを見て、「こんなやつはいない」とボヤくこともないわけです。
それでは強いカードだけで構築すればいい。……そう思いますよね。そこも、キチンとルールでバランスが取れていました。そして何より、好きなカードを好きな順番で出せるということは、深い読みあいがゲームの流れを左右することになります。
この読みあいの部分が、『マジカパーティ』の醍醐味と言えるでしょう。
読み合いのキーとなるのが、カードを場に出した後に行われる「DJ(ドリームジャンケン)」。この勝負に勝った方が場に出しているカードのテキストを使用して、ゲームを有利に進めることができます。
その名の通り、デッキから別のカードを出してジャンケンをするのですが、これが通常のジャンケンの3すくみの上に、グー、チョキ、パーすべてに勝てる「スター」と、そのスターには勝つけれどグー、チョキ、パーには負ける「キラー」という、二重の3すくみになっていて、読みあいに拍車をかけます。ちなみにスターとキラーはデッキに2枚ずつだけ。ここぞという時の切り札となっています。
一見、単純で奥が深い。言い古された言葉かもしれませんが、『マジカパーティ』を説明する際、もっともふさわしい言葉かもしれません。
ちなみに、放送中のアニメの主人公ケズル役は小松未可子さん。相棒のマジン・バルニャーの声は竹内順子さん。ベテランふたりによる絶妙なノリのセリフ回しが魅力的で、アニメ作品としても楽しめます。
そして、まだ本編に登場していませんが、TCGプレイヤーには「This is THE…」でおなじみの佐藤拓也さんもレギュラーのようですから、筆者もワクワクが止まりません。
これからも『マジカパーティ』を楽しんでいこうと思います。
※TVアニメ『マジカパーティ』は、テレビ大阪・テレビ東京系列6局ネットにて毎週日曜日09:30から放送中です。
(C)MAZICA PARTY PROJECT・TVO (C) TOMY
(加々美利治)
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