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炎1兆度、IQ5万…特撮怪獣の「アホ数値」が子供たちに与えてくれた楽しさとは?

マグミクス / 2021年6月22日 18時10分

炎1兆度、IQ5万…特撮怪獣の「アホ数値」が子供たちに与えてくれた楽しさとは?

■子供たちが胸躍らせた「アホ数値」、今こそ目を向けるべき?

 一兆度。
 数字で書けば1000000000000度。
 これは、『ウルトラマン』の最終回に登場する怪獣ゼットンが吐く炎の温度です。

 凡人ではまず考えられない数値です。いくら最後の怪獣が吐く炎とはいえ、せいぜい100万度あたりが私たちの想像し得る最大値ではないでしょうか(なんとなく温度というものは万を超えないというイメージがあります)。

 ところが、宇宙恐竜ゼットンの吐く火球は万、そして億の壁を楽々と超えての1兆度。国家予算などでしかお目にかかることのない単位に子供たちの心は踊り放題でした。さほど『ウルトラマン』に詳しくない人でも、この火球のことは知っている……という人も多かったりします(今でこそ公式設定となっていますが、もともとは雑誌掲載情報であり、それらを書籍化した『怪獣図解入門』(著:大伴昌司)で広く知れわたったようです)。

 特撮、ことウルトラシリーズにおける怪獣のデータとくれば、子供心を焚きつけるものばかりではなかったでしょうか。今回は、「科学」と「空想」の境界が曖昧だったあの頃の私たちをたかぶらせてくれた怪獣たちのデータを、敬意を込めて「アホ数値」と呼び、記憶の残像とともに振り返っていきたいと思います。

※公式・非公式の垣根を行き来するため、出典の多くは前出『怪獣図解入門』に依ることとします。

●メフィラス星人はIQ1万以上! 『ウルトラセブン』にはもっと格上が…

 ゼットンの「1兆度の火球」と同じくらい有名な「アホ数値」といえば、『ウルトラマン』第33話に登場したメフィラス星人の知能指数と思われます。代表取締役感のあるビジュアルにして紳士的な口調、さらにはバルタン星人をはじめとする宇宙人を従えるカリスマ性を持ち合わせる彼の知能指数は、1万以上。なんと魅惑的なのでしょう。アインシュタイン50人分です(この計算自体が凄まじくアホで恐縮です)。

 何にせよ知能指数に「万」を持ってくるダイナミズム、そしてどこか説得力を感じさせてくれる点がたまらないのです。

 さて、そんな宇宙最強の頭脳の持ち主かと思われたメフィラス星人ですが、『ウルトラセブン』ではさらに高い知能指数を誇る宇宙人が登場します。第9話に登場したチブル星人です。肥大した頭部に、ひ弱な触覚だけのボディ。一度見たら忘れることのできないビジュアルの宇宙人ですが、そんな彼の知能指数はなんと5万。メフィラス星人の5倍、アインシュタイン250人分なのです。

 では、チブル星人はよほどの頭脳戦を仕掛けてきたのかと思えば、彼がとった侵略方法は「おじいちゃんに変装して子供らを玩具で操る」という実にチャーミングなもので、時間通りきっちり倒されます。メフィラス星人と比してどこかつけ入る隙を与えてくれるのもまたご愛嬌でした。

●十億百億は当たり前。数字は空想する楽しみを広げてくれる

 他にも…何百億光年まで見渡せる視力を持つビラ星人や、(劇中にそんな描写もないのに)10億ボルトの電気を貯蓄できるというブルトン。実は1枚5億円もしたというゴーストロンのうろこ……こうした「アホ数値」を眺めていると、木漏れ日に包まれているかのような不思議な温もりを感じるのです。今回、出典元とさせていただいた『怪獣図解入門』の著者である大伴昌司先生は、同書のなかで次のように述べています。

 “空想するたのしみを、味わってください。そしてみなさんも空想の解剖図をかいてみませんか”

 家賃、光熱費、保険料、ソシャゲ課金額、子供のスイミングスクールの月謝、原稿料……気づけばスケールの小さい数字に苛まれる日々を送っている私たち大人こそ、こうした怪獣たちの「アホ数値」に思いを馳せ、思考を「人智の彼方」へ思い切り飛ばしてみるのもまた有意義な時間かもしれません(あるいは、ものすごく無駄な時間かもしれませんが)。

(片野)

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