6月26日は声優・皆口裕子さんの誕生日。演じた恋愛ゲームヒロインはプレイヤーを溶かす?
マグミクス / 2021年6月26日 7時10分
■アプリコット姫から猪熊柔へ
6月26日は声優・皆口裕子氏の誕生日です。1985年のデビュー後、1987年にはバラエティ番組「ねるとん紅鯨団」のナレーションを務め、1989年にはTVアニメ『YAWARA!』の猪熊柔を演じて大きな飛躍を遂げました。その後も『ドラゴンボールZ』のビーデル役や『美少女戦士セーラームーン』シリーズのセーラーサターン/土萌ほたる役などを担当し、2021年現在も円熟味を増した美声で多くの役を演じ続けています。
美少女の役を演じている声優さんは数多く存在していますが、もし筆者が「最高の美少女声」を持つ声優は誰かと聞かれたら、迷うことなく皆口裕子氏の名前を挙げるでしょう。もう30年以上も皆口氏の声を聞き続けていますが、衰えるどころか輝きを増し続けていることに驚かされます。
そんな皆口氏の声を筆者が最初に意識したのは、1986年に放送されたTVアニメ『ボスコアドベンチャー』でした。本作は皆口氏のTVアニメデビュー作品であり、ヒロインのアプリコット姫を演じています。今回の記事を書くにあたり改めて調べたところ、山寺宏一氏も本作でアニメ声優としてデビューを果たしている作品だったことには驚かされました。
当初は日高のり子氏が歌うオープニングテーマ「ときめきはForever」目当てで見ていたのですが、その内にアプリコット姫の明るさと元気さ、そして優しさに惹かれるようになり、最終回までTVの前にかじりつくようにして見ていました。ただ、このときはまだ小さかったこともあり声優の存在に興味がなく、皆口裕子氏の名前を記憶することもありませんでした。
皆口氏の名前を意識するようになったのはその数年後。TVアニメ『YAWARA!』の猪熊柔役でした。おそらく、本作で皆口氏のファンになった方は多いことでしょう。筆者もこのころには声優という職業があることを理解しており、ようやく皆口裕子氏の名前を認識し、「あ! アプリコット姫の声だ!」と小さいころの記憶を呼び起こすことができたのです。それ以来、筆者はずっと皆口氏のファンであり続けています。
■強烈だった「姉ヶ崎寧々」のインパクト
2009年発売の恋愛ゲーム『ラブプラス』で、皆口さんはヒロインのひとり、姉ヶ崎寧々の声を担当(コナミデジタルエンタテインメント)
1990年代の皆口氏は、『ドラゴンボールZ』ではビーデル/パン役を演じ、『美少女戦士セーラームーン』シリーズでも土萌ほたる/セーラーサターン役で強い印象を残しています。特に、ほたるは現在も使われている「萌え」の語源という説もあり、もし本当ならば皆口氏の声が「萌え」の概念を作り出した可能性も考えられるのです。
2000年代に入っても、『Kanon』の水瀬秋子役など多くの役を演じておられましたが、なかでも特に印象深いのが2009年に発売された恋愛シミュレーションゲーム、『ラブプラス』の姉ヶ崎寧々役と言えるでしょう。主人公よりひとつ上の年上ヒロインなのですが、声が皆口氏なのです。皆口氏がヒロインで恋愛できるのです。そりゃもう強烈でした。プロデューサーの内田明理氏はインタビューで「皆口さんの声で甘やかされて嬉しくない男子が日本にいるでしょうか?」 と語っています。
いやホント嬉しかったですよ内田プロデューサー。溶けるかと思いました。
なお2010年6月の『テレビブロス』では、『ラブプラス』のヒロイン3人が表紙を飾っているのですが、地域ごとにキャラクターが異なっており、寧々さんは中部版だったのです。筆者は関東住みだったので「なんで千葉県に姉ヶ崎駅があるのに関東は寧々さんじゃないんだ!」と思いはしましたが、関東の高嶺さんバージョンはしっかり購入した記憶があります。
今年、2021年に発売された『ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者 / うしろに立つ少女』でも皆口氏はヒロインの橘あゆみ役を好演し、話題となっています。アニメでも、ゲームでも、TVのナレーションでも活躍を続けている皆口氏。きっとこれからも、絶対的な美声で多くの人を虜にし続けてくれることでしょう。
(ライター 早川清一朗)
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