多くを語らない『ゼルダBoW』続編の新情報 考察が飛び交う！

■「続編制作決定」から2年…待ちに待った新情報

　例年、アメリカはロサンゼルスにて開催される世界最大のコンピュータゲーム見本市「E3」。コロナ禍にある2021年は6月12日から3日間にわたりオンライン開催が行われました。

　日本からは「任天堂」に「カプコン」「KONAMI」などの大手ゲームブランドが参加。　人気タイトルの最新情報に世界中のゲーマーが沸きました。なかでも2017年にNintendo SwitchおよびWii U用ソフトとして発売された『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』（以下、BoW）続編の新ムービーに心を躍らせた方が多いはずです。

　ファンの喜びは、ただ単に「『ゼルダの伝説』（以下、ゼルダ）シリーズの最新情報が発表された」ことだけが理由ではありません。『BoW』の続編”だからこそ”の背景も存在します。

『時のオカリナ』に『風のタクト』『トワイライトプリンセス』。『ゼルダの伝説』シリーズの傑作は、プレイヤーの年代や所持していたハードによっても評価が分かれますが、Nintendo Switchのローンチタイトルとして発表された『BoW』は、シリーズのなかでも特段人気の高いタイトルです。

「駆ける、活きる、護る。果てなき冒険を思いのままに。」

　シリーズで初のオープンワールドが採用された『BoW』の魅力はキャッチコピーに集約されている通りです。

　環境音を邪魔しないBGMに、どこまでも見渡せる広大なフィールドは歩くだけ、眼前の山を登るだけでも冒険心がくすぐられます。

　もちろん、「自分”だけ”の冒険譚を紡げる」自由度もプレイヤーの心をつかんだポイントでしょう。Nintendo Switchのデビューを華々しく飾った『BoW』は、「ゼルダ」シリーズにおける新機軸を打ち出した作品としても、世界中に熱狂的なファンを生み出しました。

　そして、2019年の「E3」にて続編開発を知らせるショートムービーが発表されます。続編が開発されること以外、細かな説明はなされませんでしたが短髪の「ゼルダ」に禍々しいオーラを放つ「ミイラ（？）」、そして空へ浮かび上がる「ハイラル城」のカットはファンの期待を膨らませるのに充分すぎるほど、濃い内容でもありました。

　……が、待てども待てども、追加情報が解禁されることなく月日が流れていきます。

　待ちわびること2年。2021年の「E3」で発表された新ムービーは、ファンにとって喉から手が出るほど心待ちにしていたニュースでもあったのです。

■多くは語らないが情報量は多い？　新作の謎解き（考察）はもう始まっている

冒険のフィールドは、空へと広がる　(C)Nintendo

　新たに公開された約1分半の動画は、見慣れない敵キャラクターやアクション描写なども映され、『BoW』続編のゲーム性が浮き彫りになる内容です。何より、2年の沈黙を破った新情報で「2022年発売予定」までもアナウンスされたことが、ファンのボルテージを最高潮にまで高めました。

　今回の発表も”文字”での紹介は「2022年発売予定」どまり……。未だサブタイトルも明らかになっていません。

　しかし、この硬派にも思えるティザー動画はファンにとって、真に刺さる工夫が施されていたとも言えます。それはカットごとに”考察材料”が散りばめられていたからです。

　たとえば、シリーズの主人公「リンク」の装備に描かれた紋章や敵のフォルムから、『4つの剣』『風のタクト』と言った、過去作品との関連性を見つける人もいれば、カメラアングルと『BoW』のマップを照らし合わせ、続編との相違点に目を光らせる猛者も現れています。

　類似するシーンから2021年7月16日（金）にNintendo Switch用ソフトとしてリマスター版が発売される『ゼルダの伝説 スカイウォードソード HD』との関連性を予感させる声も大きくあがりました。

　言葉通りカットごとに考察が進められており、BGMが逆再生されている意図にもさまざまな意見が出ているため、この記事で考察の全てを紹介することはできませんし、推測は推測、憶測は憶測です。

　しかし、謎解きに醍醐味を見つける『ゼルダ』ファンが多いことも事実。少ない情報からでも謎解き（考察）をうながすことは、『BoW』の続編”だからこそ”『ゼルダ』”だからこそ”の情報解禁方法のようにも考えられます。　

（ふみくん）