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6/29は『Zガンダム』フォウ・ムラサメの誕生日。避けられぬ悲劇も、美しさは永遠に…

マグミクス / 2021年6月29日 7時10分

6/29は『Zガンダム』フォウ・ムラサメの誕生日。避けられぬ悲劇も、美しさは永遠に…

■「今の施設で4番めだったからフォウなの。ナンバー4」

 6月29日は『機動戦士Zガンダム』に登場したフォウ・ムラサメの誕生日です。ただし、この設定はTV版の36話でカミーユ・ビダンが見たデータに記されていたものでしかなく、本当の誕生日なのかはわかりません。

 青い髪と唇の、気が強そうなのにどこか儚げな美人。筆者がフォウを最初に見たときの感想はこのようなものでした。彼女の美しさは、ガンダムシリーズに登場した数多の女性キャラクターのなかでも上位クラスと言えるでしょう。強化人間としての力を振るいサイコガンダムを駆った際の恐ろしさ、街中でのカミーユとの触れ合いの中で見せたひとりの少女としての顔、そして悲劇的な最期も相まって、フォウ・ムラサメは今なお人気の高いキャラクターとなっています。

 フォウの初登場はTV版の17話「ホンコン・シティ」。16話でブラン・ブルタークのアッシマーを撃墜し、ニューホンコンに逃げ込んだカミーユたちの前に立ちはだかった新たな敵、それがフォウ操るサイコガンダムでした。

 日本のニュータイプ研究施設であるムラサメ研究所からベン・ウッダー大尉のもとに増援として送り込まれたフォウは、戦果を挙げて失われた記憶を戻してもらうために、街のど真ん中へサイコガンダムで乗り込み、カミーユたちをあぶり出そうとします。このときの戦いではまるで怪獣のように街を破壊しており、精神の調整を受けた強化人間が殺人や破壊に対する忌避感を削除されていることが見て取れます。

 やがて駆けつけてきたガンダムMK-IIやネモと交戦して圧倒しますが、カミーユの精神感応を受けて撤退に追い込まれます。これがまだ互いの顔も知らないフォウとカミーユの出会いであり、悲劇の始まりとなったのです。

 続く18話、19話では生身の状態でカミーユと出会い、互いに惹かれ合う姿が描かれています。ムラサメ研究所4番目の被験者だからフォウと呼ばれていることを明かすほど親密な間柄になるのですが、しょせんは敵同士。再び戦場で相まみえ、カミーユの説得を無視して荒れ狂います。このときフォウが漏らした「嫌いだぁ……」というセリフに込められた情念はすさまじく、担当声優の島津冴子氏による演技が光る場面です。

■ララァの悲劇を思い起こさせた、「永遠のフォウ」

フォウの前日譚が描かれた小説『機動戦士Zガンダム フォウ・ストーリー そして、戦士に…』(KADOKAWA)

 前半最後の登場となる20話「灼熱の脱出」では、ベン・ウッダー大尉に拳銃で撃たれ負傷しながらも、命を懸けてカミーユを宇宙に送り出す姿が描かれます。

 森口博子氏が歌う「銀色ドレス」をバックにシャトル用ブースターにしがみつき、宇宙へと上がっていくガンダムMK-IIを見送るフォウの表情は、悲しげでもあり切なげでもあり満足げでもあるという、極めて精妙な描かれ方をしていたのが印象的です。なお、劇場版ではフォウはここで戦死しており、以降は登場しません。

 フォウの再登場は35話「キリマンジャロの嵐」。ティターンズのキリマンジャロ基地に侵入したカミーユの前に姿を現したフォウでしたが、ニューホンコンでの記憶はすでに失われていました。カミーユに話しかけられてもまともな反応を返さず、淡々とサイコガンダムに乗り込み、カラバのモビルスーツ隊を次々と撃墜していきます。

 そして36話「永遠のフォウ」では、カミーユの決死の呼びかけにより遂にわずかな記憶を思い出しますが、ジェリド・メサのバイアランからカミーユをかばい、戦死を遂げてしまいます。その最期はあまりにも切なくカミーユに大きな心の傷を残し、その場に居合わせたクワトロ・バジーナとアムロに、否応なくララァ・スンの悲劇を思い出させることとなりました。

 ここでフォウの物語は幕を閉じていまいましたが、後に遠藤明範氏の手により短編小説として『機動戦士Zガンダム フォウ・ストーリー そして戦士に…』が執筆され、カミーユと出会う以前のフォウの姿が描かれました。

 同書によると、フォウは一年戦争時、家族とともに日本に住んでいましたが、コロニー落としの影響で一家が離散し、フォウ自身も過去の記憶を失ってしまったとされています。その後ムラサメ研究所に引き取られたフォウは過酷な訓練を受け、さらに仕組まれた悲劇的な出会いと別れを経て、サイコガンダムに乗り込んだことが描かれています。

 かつては幻とされていた小説でしたが、現在は電子化もされており、気軽に読むことができます。フォウが歩んだ過酷な道は決して愉快なものではありませんが、それでも彼女のことをもっと知りたいという方がいましたら、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

(ライター 早川清一朗)

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