おひとりさま推奨“ソロ趣味”マンガ5選 ニッチすぎるテーマも

■オジサンがイケメン整体師に癒やされる異色作！？

　コロナ禍でおウチ時間が推奨されるようになってから1年が経ちました。ひとりで過ごす時間が多くなった人も多いであろう昨今ですが、マンガ・アニメ業界でも“ひとりで趣味を楽しむ”作品がトレンドとなっています。黙食を貫き通してきた『孤独のグルメ』や、アウトドアブームをけん引する『ゆるキャン△』などが有名ですが、この記事ではニッチすぎる趣味も含めた5作品を紹介します。

●女子高生がラーメン巡り！『ラーメン大好き小泉さん』（著：鳴見なる）

　クールで無口だがラーメンマニアの女子高生・小泉さんが、ラーメン店を食べ歩くグルメマンガ。Webコミック「ストーリアダッシュ」で連載され、累計発行部数は200万部を突破、アニメ化やTVドラマ化もされる人気作です。普段はクールで笑顔も少ない小泉さんですが、ラーメンを食べた時だけはとびきりの笑顔を見せてくれるギャップがたまりません。実在するラーメン店がモデルになっているため、読者もラーメン巡りができるのもポイント。注文に独自のルールがあるなど、初見では入りづらい店でも、この作品で予習しておけば行きやすくなるのではないでしょうか。

●再現したくなる山ゴハン『山と食欲と私』（著：信濃川日出雄）

著：信濃川日出雄『山と食欲と私』第1巻（新潮社）

　2015年からWebマンガサイト「くらげバンチ」で連載されている登山をテーマにしたグルメマンガ。主人公の日々野鮎美は、ひとりで山に登る「単独登山女子」を名乗り、絶景の中で食べるご飯を愛する27歳。読者の食欲を刺激する魅惑のレシピが次々と登場します。欲張りウィンナー麺・魅惑のブルスケッタ・炊きたてご飯のオイルサーディン丼などなど……紹介される料理はお手軽なものから本格的なものまでさまざま。料理だけではなく、登山時のトラブルなど知識も身につく作品です。

●ハウツー本としても活躍『ふたりソロキャンプ』（著：出端祐大）

著：出端祐大『ふたりソロキャンプ』第1巻（講談社）

　キャンプをテーマにした作品といえば、女子高生たちがほのぼのとキャンプを楽しむ『ゆるキャン△』が大ヒットしましたが、こちらはオジサンが主人公。自然を愛しストイックにソロキャンプを楽しんでいた木乃倉厳（きのくらげん）ですが、キャンプ初心者の女子大生・雫（しずく）に弟子入りされたことから“ソロキャンプの極意”を教えていくストーリーです。そもそも“ふたりソロキャンプ”とは同じ場所で各々がソロキャンプをすることで、キャンプ歴20年以上という作者の知識も盛り込まれており、初心者のハウツー本としても楽しめるマンガとなっています。

●ひとり時間の定番・釣り！『おひ釣（つ）りさま』（著：とうじたつや）

著：とうじたつや『おひ釣（つ）りさま』第1巻（秋田書店）

　秋田書店のWebマンガサイト「Championタップ！」にて連載中の本格釣りマンガです。24歳の主人公・上条星羅（かみじょうせいら）の趣味はひとりで“釣り”に出かけること。休日はオジサンたちに混じって、釣りに没頭する根っからの釣り師であり、磯釣り・堤防釣り・釣り堀などで趣味の時間を思う存分楽しむ姿が描かれます。

　釣り中は星羅の実況で進行しますが、その“例え”が面白いと好評です。大きな音を立てて行う「ナマズ釣り」をミュージカルに例えたり、餌をとるのが上手なカワハギは貢がせ上手の女性に例えたりなど、知識がなくても釣りの面白さが伝わってくるのがポイントです。

●読んで癒やされる異色作『ほぐされ紳士、揉井さん』（著：渦井、監修：崇志）

著：渦井、監修：崇志『ほぐされ紳士、揉井さん』第1巻（小学館）

　コミックアプリ「マンガワン」で連載され全2巻が刊行されたマンガ。キャッチコピーは「疲れてる人へ。読んでほぐす整体偏愛マンガ」という異色作。エリートサラリーマンの揉井快人（もみいかいと）42歳が、出張ついでにご当地のイケメン整体師に癒やされまくるストーリー。若いイケメンにツボを攻略された時に見せる、揉井さんの表情は思わずこちらまで癒やされます。ネット上には「整体・マッサージ屋さんに行きたくなった！」という感想が続出。ちなみにプロ整体師の崇志(たかし)氏が監修を務めており、疲れた時に実践できるセルフマッサージ紹介もあります。

　新たな趣味を見つけようとしても、実行するのはお金もかかるし長続きするかという不安も……まずは趣味系マンガで自分にあった趣味探しというのも良いのではないでしょうか。

（椎名治仁）