天才がほぼ1人で作ったゲーム3選 ワンマンだからこその独創的な面白さ
マグミクス / 2021年7月11日 18時10分
![天才がほぼ1人で作ったゲーム3選 ワンマンだからこその独創的な面白さ](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/magmix/magmix_57848_0-small.jpg)
■ひとりで作ったからこそ作者のセンスが開花した名作ゲーム
技術の進歩に合わせて、大作化が進んでいるゲーム業界。しかし一方では、少人数で作るインディーゲームからもヒット作が生まれています。こうしたインディーゲームは、グラフィックなどでは大作に劣るものの、作者の色が濃く反映された濃厚なゲームが多いという特徴があります。
この記事では、少人数どころか、天才が“ほぼひとり”で作ったゲームを3作ご紹介。これらの作品は、ワンマンだからこそ作者のセンスが存分に発揮され、一世を風靡することになりました。
●『Undertale』
初めに紹介するのは、2015年にPCゲームとしてリリースされた『Undertale』。発売からほどなくしてミリオンヒットを記録し、深く突き刺さる内容で多くのプレイヤーたちに衝撃を与えたRPGです。
この『Undertale』を作ったのが、アメリカのゲームクリエイター、トビー・フォックス氏。開発を始めたのは彼が大学生の頃で、ゲームシステムからキャラクターデザイン、音楽に至るまで、そのほとんどをひとりで担当したといいます。
本作をプレイすると分かりますが、キャラクターのセリフ・デザイン・音楽がどれも抜群にフィットしているため、「このキャラたちは本当に生きているのでは?」と思うほどゲームへの没入感があります。ここまでキャラの個性が立っているのは、ひとりで作り上げたからだと言えるでしょう。
また、トビー・フォックス氏が今までプレイしてきたゲームの数々、そのカラーが色濃く反映されているのも大きな魅力。たとえば戦闘では、『新・女神転生』『マリオ&ルイージRPG』『東方Project』などに影響を受けているといいます。
作品全体を通して感じられるのが、どこか名作RPG『MOTHER』に似た雰囲気。ポップな音楽とともにジョークが飛び出したかと思えば、プレイヤーの価値観も揺さぶるほどシリアスな展開が待っている……絶妙なバランスです。「自分の好きなゲーム」をひとりで突き詰めていったからこそ、ここまで面白いゲームが誕生したのではないでしょうか。
●『Minecraft』
続いては、いまや世界中の子供たちに大人気の『Minecraft(マインクラフト)』。本作は、広大なブロックの世界の中で冒険をしたり、建築を行ったりしていくゲーム。普通のゲームには必ずある“ストーリー”や“使命”が設定されているわけではなく、プレイヤー自身が楽しみ方を見つけていくという、斬新なゲームです。
このゲームを作ったのが、「ノッチ」ことマルクス・ぺルソン氏。いまでは多くの人が『Minecraft』のアップデートなどに携わっていますが、2009年にリリースされたアルファ版は、すべてを彼ひとりで作り上げました。
ぺルソン氏は8歳からプログラミングを始めた根っからのプログラマー。もともとフラシュゲームを作る会社に勤めており、「ひとりで何でもできてしまう」天才エンジニアだったといいます。しかし、暇な時間にゲームを作ることを禁止され、この会社を退職。この退社後わずか1か月で、『Minecraft』を作り上げたのです。
プレイヤーの創造性に焦点を当てた『Minecraft』は、ゲームの新たな楽しみ方を提示し大ヒット。ぺルソン氏は大富豪となり、2014年にはビバリーヒルズにある7000万ドルの超豪邸を購入。『Minecraft』の世界でしか作れないような豪邸に、現実世界で住むこととなったわけです。
■ゲームの歴史を変えた作品も、たったひとりの男が作り上げていた
●『スペースインベーダー』
最後は、1978年に発売された伝説のアーケードゲーム『スペースインベーダー』。社会現象を引き起こし、ビデオゲームの歴史を大きく変えたこの作品の生みの親は、当時タイトーの子会社に勤めていた西角友宏氏です。
当時の日本は、ゲーム開発のノウハウがまだ成熟していなかった時期。西角氏は『スペースインベーダー』の開発も分業制ではなく、ゲームのシステムからキャラクターデザイン、プログラムまでほとんどひとりで担当していたといいます。
それどころか、開発のためのハードウェアすらも手作り。ソフトウェアについても、プログラミング言語を16進数に自動で変換することはできなかったため、手作業で変換を行っていたといいます。いまでは考えられない手さぐり状態のなかゲームを作り上げる……そのパイオニア精神に脱帽です。
また、西角氏は一社員であることから、営業担当とのいざこざもあったといいます。カクカクとした動きでも臨場感があるということから、“インベーダー”と戦うゲームを考えた西角氏。しかし、当時のタイトーには「宇宙ものはヒットしない」というジンクスがあり、営業から嫌みを言われていたといいます。それでも押し通して開発を続け、この大ヒットゲームが誕生したのです。もし西角氏がいなかったら、ゲームの歴史も大きく変わっていたのかもしれません。
(古永家啓輔)
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