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声優・古川登志夫、75歳に デビューからの軌跡に日本アニメの歴史が見えた

マグミクス / 2021年7月16日 7時10分

声優・古川登志夫、75歳に デビューからの軌跡に日本アニメの歴史が見えた

■いきなりの主役抜擢でインパクト絶大だったデビュー時

 7月16日は、声優・古川登志夫さんのお誕生日です。おめでとうございます! 75歳の ベテラン声優として、いまだなお一線で活躍を続ける古川さんのデビューからの歴史を振り返ると、日本アニメの歴史の一端も見えてきました。

 古川さんの声優デビューは『ゼロテスター』(1974年)の名前のないサブキャラです。初めて名前のあるキャラ、しかも主役を射止めた作品が『マグネロボ ガ・キーン』(1976年)の北条猛でした。当時はロボットアニメの全盛期。しかし、主役をできる声優は限られていたので、古川さんの猛は新人とは思えないインパクトがありました。

 筆者が古川さんの声と名前を覚えた作品は、『惑星ロボ ダンガードA』(1977年)の大星秀人と『アローエンブレム グランプリの鷹』(1977年)のハンス・ローゼン。ふたりとも主人公の良きライバル兼友人という立ち位置で、マイナーですが今でも好きなキャラです。

 この時期は前述したようにロボットアニメの本数が多く、古川さんは主要キャラを多く演じていました。特筆するべきキャラといえば、やはり『機動戦士ガンダム』(1979年)のカイ・シデンでしょう。

 その後、40年以上にわたってゲームなどの声も演じているので、もっとも付き合いの長いキャラかもしれません。ちなみに『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』(2015~2018年)でもカイを演じていて、4人しかいないファーストから役を続投したひとりとなっています。

 80年代に入ってラブコメというジャンルがはやりだした頃、古川さんが演じることになったのが『うる星やつら』(1981~1986年)の諸星あたるでした。

 筆者としては、それまでにも二枚目半な役どころを演じていて適役だと放送当時に感じていましたが、そうでない人もいたそうです。後年になって降板要求の投書が多く寄せられていたという話を聞いてビックリしました。当時は原作マンガのアニメ化で自分のイメージと声が違うとすぐ騒ぐ人が多くいたので、そういう風潮だったのだろうと思います。

 この時期のラブコメといえば、『The かぼちゃワイン』(1982~1984年)の青葉春助も筆者には忘れられない“古川キャラ”でした。ギャグという面では、『Dr.スランプ アラレちゃん』(1981~86年)の空豆タロウも思い出されますが、作品中でモブキャラたちの声も多く演じていたのが印象的です。『機動戦士ガンダム』もですが、古川さんのモブキャラは声のバリエーションがあって素敵でした。

■幅広い演技力でさまざまなキャラを演じ、代表作も増やしていく

 その後も古川さんの主演作品は多く、この当時だと『最強ロボ ダイオージャ』(1981年)のエドワード・ミト王子、『機甲艦隊ダイラガーXV』(1982年)の安芸マナブ、『光速電神アルベガス』(1983年)の円条寺大作、『GALACTIC PATROL レンズマン』(1984年)のキムボール・キニスンなどが挙げられます。

 他にも『戦闘メカ ザブングル』(1982年)のブルメ、『とんがり帽子のメモル』(1984年)のリュックマンなど、印象的で助演男優賞もののキャラも演じていました。

 そんな古川さんが本格的に演じた初ラスボスといえば、『北斗の拳』(1984~1987年)のシンかもしれません。それまで悪役がなかったわけではありませんが、ここまで悪に徹したキャラはなかった印象です。

 実は古川さんは『北斗の拳』の主役オーディションを受けていたのですが、惜しくも神谷明さんに敗れてシン役になったと語っていました。古川さんと神谷さんは同学年だそうで、前述の『うる星やつら』でもライバルキャラを演じています。

 ちょうどこの時期は「週刊少年ジャンプ」のアニメがヒットし始めた頃です。古川さんと「ジャンプ」アニメというと『ドラゴンボール』(1987~1989年)のマジュニアことピッコロでしょうか。ピッコロもゲームなどでの登場が多く、いまだなお活躍する現役キャラですから、テレビ番組に出演した時に演じることも多いですよね。

 もちろん、この当時も『仮面の忍者赤影』(1987年)の赤影、『悪魔くん』(1989年)のメフィスト2世、『機動警察パトレイバー』(1989年)篠原遊馬など、印象に残る作品の主要キャラも演じていました。

 最近のファンは『ONE PIECE』(1999年~)のポートガス・D・エースが印象深いと思います。作中では亡くなってしまいましたが、重要なキャラだけに回想シーンなどでまだ出番がありそうですね。

 昨今ですと、『ゲゲゲの鬼太郎(第5作)』(2007~2009年)では、鬼太郎の兄的な頼れる存在である蒼坊主を演じていましたが、『ゲゲゲの鬼太郎(第6作)』(2018~2020年)では、一転して裏切者の代名詞ともいえるねずみ男を演じていました。筆者的にはどちらも古川さんらしい演技でとても良かったです。

 以上、駆け足で色々なキャラを挙げてみましたが、まだまだ出し足りません。今回はアニメだけにしぼりましたが、洋画吹き替えでは『白バイ野郎ジョン&パンチ』のパンチことフランシス・ルエリン・ポンチョレロなど、印象深い役も演じていました。

 しかし、振り返ってみると古川さんのお声を聞いて、もうそろそろ半世紀になるんですね。これからも年齢に負けない若々しいお声を聞かせていただければ幸いです。ますますの活躍をお祈りいたします。

(加々美利治)

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