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ロボットアニメ受難の80年代中期、不振の影にあった「ファミコン」の影響とは?

マグミクス / 2021年7月23日 18時20分

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■80年代半ば、ロボット玩具が不振

 1980年代前半、ロボットアニメは黄金時代を迎えていました。『機動戦士ガンダム』『超電磁ロボ コン・バトラーV』『超電磁マシーン ボルテスV』『勇者ライディーン』など多くの作品が平日夕方に何度もリピート放送されており、ロボットアニメは現代よりも身近な存在でした。

 1981年には『太陽の牙ダグラム』。1982年には『超時空要塞マクロス』。1983年には『装甲騎兵ボトムズ』と、毎年のように続編が作られメディアミックス展開が行われている名作が生まれたのもこの時代の特徴です。その他にも『聖戦士ダンバイン』や『銀河漂流バイファム』『戦闘メカ ザブングル』など、さまざまな切り口、斬新なデザインのロボットが登場し、子供たちを夢中にさせていました。

 しかし1985年にロボットアニメを取り巻く状況は一変しています。この年にロボットアニメは『機動戦士Zガンダム』『超獣機神ダンクーガ』『蒼き流星SPTレイズナー』『忍者戦士飛影』の4作品が放送されていますが、「Zガンダム」以外の3作品は放送途中で打ち切られているのです。

 打ち切られた理由に関しては、『レイズナー』はメインスポンサーであった三洋電機が販売したファンヒーターで一酸化炭素中毒事故が起こり、撤退したためとされていますが、プラモデルの売り上げが良くなかったことも大きな理由となっていると考えられます。

『ダンクーガ』についてはアメリカで超合金ブームが起こり、ダンクーガを含むすべての在庫を輸出したために売るものが無くなり打ち切られたと奥田誠治監督により明かされています。しかし、日本国内で番組が放送されている最中に、放送していない海外にすべての玩具を送り出してしまうというのも不自然です。おそらく国内での売り上げが伸び悩んでいたことも理由のひとつと思われます。

『飛影』についても玩具が売れず、打ち切りとなりました。後に、ある玩具店が在庫処分に困り『幽遊白書』の飛影の人気が出た際に、便乗して在庫処分を行おうとした……というエピソードも残されているほどです。

■子供たちの興味がファミコンに移った?

80年代のファミコン全盛期、子供たちはゲームに熱狂した。画像は『ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ』 (C)2016 Nintendo

 なぜ1985年に打ち切りが重なったのか。大きな影響を与えたと考えられるのが、1983年に発売された「ファミリーコンピュータ」です。

 特に1985年は子供たちのバイブル「コロコロコミック」で大々的にファミコンが特集されていた時期にあたります。

 高橋名人が「16連射」で子供たちのヒーローになったのも、『スターフォース』で全国キャラバンが開催されたのもこの年です。9月にはファミコン最大のヒット作『スーパーマリオブラザーズ』も発売されており、ファミコン本体は完売に次ぐ完売。入荷するという情報が出回れば、期待に胸を膨らませる子供たちと疲れた顔をしたお父さんお母さんが列をなすという状況でした。

 そう、子供たちが親にねだる玩具がロボットの超合金やプラモデルから、ファミコンへと変化したのが1985年なのです。この年に放送されたロボットアニメにとっては不運と言うしかありません。

 結果、関東圏では土曜夕方に放送されていた日本サンライズ(現:サンライズ)のロボットアニメは1987年の『機甲戦記ドラグナー』でいったん終了し、『鎧伝サムライトルーパー』へと移行。これが高い女性人気を獲得するという、思わぬ結果をもたらします。

 しかしロボットアニメの命脈がここで断たれたわけではありません。ファミコンを遊ぶにはまだ早い低年齢層へのアプローチがより強化されるようになり、1988年には『魔神英雄伝ワタル』、1990年には『勇者エクスカイザー』が登場し、人気作となりました。同時期には「トランスフォーマー」シリーズも大きな人気を獲得しており、通算で5作品が放送されています。

 一度はファミコンにより大きな影響を受けたロボットアニメでしたが、その後も安定して作品が展開されており、1995年には『新世紀エヴァンゲリオン』が大ヒットを飛ばしています。

 現代でも「機動戦士ガンダム」シリーズを中心に進化を続けるロボットアニメ。2021年秋にはさまざまなロボットアニメのメカとキャラクターが登場する「スーパーロボット大戦」の最新作『スーパーロボット大戦30』の発売も予定されており、まだまだこれからも私たちを楽しませてくれそうです。

(ライター 早川清一朗)

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