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ザクの系譜を受け継ぐMSにつけられた、「06」という数字の法則とは?

マグミクス / 2021年7月27日 19時40分

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■ザクにつけられた「06」の意味

「MS-06 ザクII」といえば、『機動戦士ガンダム』に登場した量産型MS(モビルスーツ)。やられ役でありながら、主役メカであるガンダムと肩を並べるほどの存在として、みなさんもよくご存知のことと思います。

 しかし、このザクの「06」という型番に注目したことはありますでしょうか? この数字に注目すると、ガンダムシリーズの意外な歴史が見えてくるのです。

 もともとザク、というかMSには型式番号はついていませんでした。それが最初に設定されたのは、ガンダムの「RX-78」です。これは第1話脚本でカットされた、ブライトがガンダムを軍のコードネームである「ガンダーX78」と言ったセリフをふくらませ、劇場版第1作公開前に発表さたものです。その後、劇場版第1作のパンフレットでザクの型式番号が「MS-06」と掲載されます。

 こうして型式番号が設定されたザクは、その後に書籍『ガンダムセンチュリー』でそれまで旧ザクと呼ばれていたタイプを「ザクI」としたことから、「ザクII」と呼称されるようになりました。この書籍でザクのバリエーションも設定され、06の後に地上用はJ、高機動型はRといったように、アルファベットが入ることで用途の違う機種を表現するフォーマットも確立します。

 それから、当たり前のようにMSに型式番号が設定されるようになりました。この軍用機のような型式番号が、MSのリアル感を増していったわけです。

 そして時代は流れ、新シリーズ『機動戦士Zガンダム』がスタートしました。この時、最初に発表されたMSの型式番号に前作との関連性があったことにお気づきでしょうか?

RX-78 ガンダム→RX-178 ガンダムMk-II
MS-06 ザク→RMS-106 ハイザック
MS-09 ドム→RMS-099 リック・ディアス
MS-17 ガルバルディα→RMS-117 ガルバルディβ

 このように、最初に発表された4機の新型MSは、前作のMSの型式番号を意識して作られていました。

 その後も、後続のMSのなかにはこの数字を意識的に取り入れたと思われるものが多々あります。特に「06」という数字は始祖であるザクの系譜、すなわち最初にガンダムと戦う宿命を背負った量産型MSにつけられるようになりました。

 もちろん、この定義は絶対ではありません。なぜなら『機動戦士ガンダムZZ』では「AMX-006 ガザD」と符合しますが、『機動戦士ガンダムF91』では「XM-06 ダギ・イルス」となるので、法則とは一致しません。

 しかし「06」という数字で作品を見ていくと、ガンダムシリーズにはある程度の法則があることがわかります。

■「06」を背負ったザクの後継者たち

『機動戦士ガンダム00』の人類革新連盟に所属する、MSJ-06II-A ティエレン地上型。画像は「HG 1/144 MSJ-06II-A ティエレン地上型 (機動戦士ガンダム00)」(BANDAI SPIRITS)

 筆者が最初に「06」の系譜だったと考えるのが、『機動戦士Vガンダム』に登場した「ZM-S06S ゾロアット」です。正確に言えば最初の敵量産型MSは「ZM-S08G ゾロ」ですが、ゾロアットはOP画像に先行して登場していたことと、主力MSとして最後まで出番がありました。

 出番が遅くなった原因は、ゾロアットが汎用でなく宇宙用だったからで、後に地上用の改修機「ZM-S06G ゾリディア」が登場します。ゾリディアはよりザクらしいデザインに修正され、当時は敵MSとして唯一1/100のガンプラが商品化されました。

『機動武闘伝Gガンダム』では、ザクによく似た「JMS-60 ブッシ」というMSが登場します。わかりづらいかもしれませんが、これは「06」をひっくり返した数字。それを裏付けるように、ジムによく似た「JMS-71 ノブッシ」の型式番号がJGM-97と、ジムの「79」をひっくり返した数字で発表された媒体もありました。

 新世代のザクといえるほど革新的デザインだったのが『新機動戦記ガンダムW』に登場した、「OZ-06MS リーオー」です。

 作中のメインパイロットでは五飛以外の全員が乗り込んだことがあるという、まさに大量生産の鑑(かがみ)ともいう量産型MSでした。あらゆる陣営で使われ、装備だけでなくカラーバリエーションも多いことも特徴的です。ザクとは違った魅力を感じました。

『機動新世紀ガンダムX』では、宇宙革命軍が採用しているMSの型式番号がジオン公国のものから取り入れられていたようで、「RMS-006 ジェニス」のほかも「007」「009」「014」などが使われています。

『機動戦士ガンダム00』は、当初は三大勢力がいましたが、そのなかの人類革新連盟が使う「MSJ-06II-A ティエレン地上型」などがザクの系譜でした。地上型、宇宙型、高機動型などのバリエーションが多いことも意識していると思われます。

 現時点で最新の「06」の系譜となるのが『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の「EB-06 グレイズ」でしょうか。カラーバリエーションも多く、カスタマイズ機もありました。

 以上が「06」の系譜である量産型MSたちですが、『∀ガンダム』の「MS-06 ボルジャーノン」や、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の「ZGMF-1000 ザクウォーリア」は割愛しました。

 また、『機動戦士ガンダムUC』の「MSN-06S シナンジュ」も「06」の系譜なのですが、ザクはザクでも「MS-06S ザクII S型(シャア専用ザク)」の系譜、正確には「06S」の系譜なのでしょう。

 このように、普段はあまり気にしない型式番号に注目すると、制作陣の意外な主張に気づくことができます。いつもは気にしないことを考えるというのは面白いものです。

(加々美利治)

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