働く猫に「えらい」称賛の拍手！ お仕事後に要求されたのは…？

■猫にやって欲しいお仕事と言えば

　犬はすごい。災害救助犬のニュースを見ていて、当たり前の事をしみじみ思った。人命を救助するため泥の中鼻を効かせる犬……ありがたい以外に言葉が出てこない。猫もネズミ番をしたり駅長をしたりすごい。というかアニマルセラピーのアニマルとして色んな動物が人の側で働いていたりもする。あまりにもありがたい。抱き締めたい心地になる。仕事中なので迷惑にしかならないだろうが。

　ところで自分が猫にやって欲しいお仕事No.1と言えば、楽団である。おそらく昔好きだったブレーメンの音楽隊の影響だ。人間達に奉仕していた動物たちがそんな生活が嫌になり、音楽の都ブレーメンで音楽隊に入れてもらおうと集まった。労働や虐待から逃げてそれでも尚音楽隊に入って自立しようとするなど、偉すぎやしないだろうか。そして旅の途中に盗賊達の家を強襲し強奪、家を取り返しに来た泥棒をも追い返し、美味しい物を食べ歌って楽しく暮らしましたという話……結局、ブレーメン行っていないという所も含めて好きだ。ロバ、犬、猫、鶏……だったと思う。

　それはともかく、猫には是非太鼓を担当して欲しい。お腹にくくりつけた小太鼓をその肉球でほぷほぷ叩いて欲しいのだ。かわいさの天元突破ではないだろうか？　たまに座り込んだままぼうっとしている猫を捕まえ前足で腹太鼓を叩いてみたりなどするのだが、これが本当に太鼓だったらすばらしいなと思う日々だ。

　おっと、チャイムだ。こんな夜更けに一体誰が？

　扉を開ける猫たちが立っていた。ぶれえめん、と書かれた旗を持ち、楽団だと名乗った。手に手に楽器を持ち、演奏が鳴り響く。なすすべの無いかわいさに翻弄され惜しみない称賛の拍手を送っているうちに、すべての猫缶はあけられカリカリは強奪されてしまった。なんということだ……また来たときのために、すぐにでも買っておかねばなるまい。

（迷子）