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『岸辺露伴』実写ドラマ3話が一挙放映 高橋一生の【スタンド】に注目!

マグミクス / 2021年8月14日 16時10分

『岸辺露伴』実写ドラマ3話が一挙放映 高橋一生の【スタンド】に注目!

■『ジョジョの奇妙な冒険』のスピンオフ作品を実写化

 2020年12月に3夜連続でテレビ放送された、高橋一生さん主演ドラマ『岸辺露伴は動かない』(全3話)が、2021年8月14日(土)の夜22時56分からNHK総合テレビで一挙アンコール放映されます。荒木飛呂彦氏の人気マンガ『ジョジョの奇妙な冒険』からスピンオフした同名マンガの実写化ドラマで、個性の強すぎるマンガ家・岸辺露伴を高橋一生さんが演じ、「イメージがぴったり」と好評を博しました。

 2017年に劇場公開された実写映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第1章』は人気キャストが多数出演し、ド派手なアクションシーンが満載でしたが、興行的には奮いませんでした。その後、第2章は製作されていません。同じ荒木飛呂彦ワールドの実写化でも、原作ファンからの評価は異なる結果となっています。

 なぜ、NHK版『岸辺露伴』は成功したのでしょうか。多くの視聴者を惹きつけた魅力を振り返ります。

■『ジョジョ』の大ファンゆえの葛藤も

 短編マンガとして1997年から始まった「岸辺露伴は動かない」シリーズ、および短編小説集『岸辺露伴は叫ばない』のなかから、NHKドラマとして「富豪村」「くしゃがら」「D・N・A」の3話が実写化されています。高橋一生さんが出演したNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』の渡辺一貴ディレクターが演出、アニメ版『ジョジョの奇妙な冒険』や特撮ドラマで知られる脚本家・小林靖子氏がシナリオを担当。人気マンガ家・岸辺露伴(高橋一生)が、自身の周辺や担当編集者の泉京香(飯豊まりえ)が持ち込むおかしな事件の謎を解くミステリードラマとなっています。

 高橋さんは小学生の頃から『ジョジョの奇妙な冒険』を読んでいた、荒木飛呂彦作品の大ファンだそうです。岸辺露伴役のオファーを喜ぶのと同時に、ファンゆえにハードルの高さも感じたとのこと。でも、そこはさすがに演技派俳優です。変わり者で、ナルシスト系の岸辺露伴を、高橋さんはいたずら好きな男の子がそのまま大きくなったような憎めないキャラクターとして演じてみせています。

 撮影は第2話「くしゃがら」から始まったそうです。「くしゃがら」では、マンガ家・志士十五を森山未來さんが演じています。荒木飛呂彦氏の短編マンガ『死刑執行中脱獄進行中』の舞台版に主演していた森山さんだけに、作品への没入感はハンパありません。森山さんと高橋さんとの共演シーンは、同じ演技派同士の熱気があふれています。

 マンガ家としてのこだわりぶりを徹底的に描いた「くしゃがら」を最初に撮影したことで、高橋さんも役に入りやすかったのではないでしょうか。

■禁止用語が招く、かつてない恐怖

 古典的ホラー小説として知られるW・W・ジェイコブズの短編小説『猿の手』を彷彿させる第1話「富豪村」のサスペンスフルな展開、「わちにんこ」と不思議な言葉を口にする少女をめぐる第3話「D・N・A」のホロッとさせるエンディング、それぞれ違った面白さが楽しめます。ですが、より強く印象に残るのは、やはり第2話「くしゃがら」でしょう。

 新作のアイデアをカフェで練っていた岸辺露伴は、同じ雑誌で連載を持つマンガ家の志士十五と出会い、禁止用語についての奇妙な話を聞くことになります。志士が持っていた禁止用語の一覧リストには初めて見る、まったく意味不明の言葉が載っていました。なぜ、その言葉がNGなのかの理由は記されていません。志士も岸辺も、その言葉のことが気になってしまいます。

 しばらくして、様子のおかしな志士の姿を岸辺は街で見かけることになります。志士はその禁止用語のことが頭から離れず、寝食を忘れてあらゆる文献を調べ回っていたのです。禁止用語というタブーの世界に足を踏み入れたために、志士は底なし沼へとハマってしまいます。志士に関わったため、岸辺にも危険が迫ります。

 根拠のないタブーを恐れることはナンセンスですが、マンガ家という表現者ならではの好奇心とこだわりが、かつてない恐怖体験を招くことになります。最後のテロップまで見逃せない、とてもよくできたモダンホラーとなっています。

■すごすぎるスタンド「ヘブンズ・ドアー」

 岸辺露伴が使う超能力の一種、スタンドにも注目です。岸辺が操るスタンドは、「ヘブンズ・ドアー」と呼ばれるもの。人間の脳内に記憶されている過去を一時的に書籍に変え、自由に読むことができるという特殊能力です。しかも、岸辺は相手の記憶を書き換えることもできます。使い方次第では無敵ともいえる、すごいスタンドです。

 この「ヘブンズ・ドアー」の描写を、NHKドラマ版では手作り感のある特撮シーンとして描いています。実写映画『ダイヤモンドは砕けない』がCGをバンバン使っていたのとは対照的な、ローバジェットな演出となっています。岸辺が本を読む姿は、どことなくユーモラスさを感じさせます。

 また、アニメ版『ジョジョの奇妙な冒険』『岸辺露伴は動かない』で岸辺役を演じた声優・櫻井孝宏さんが、NHKドラマ版では毎回カメオ的に声の出演しているのも密かなチェックポイントです。制作スタッフの遊び心が伝わってきます。

 限られた予算でも、原作の世界観をよく理解したスタッフ&キャストをうまく起用し、原作やアニメ版のファンの心理をくすぐる細かい演出が、NHKドラマ版には仕掛けてあります。人気マンガの実写化の見事な成功例だといえるでしょう。高橋一生さんが再び岸辺露伴を演じる新シリーズも、ぜひ観てみたいものです。

(長野辰次)

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