『ガンダム』まさかの不死身キャラ4人 機体が自爆しても「痛い」で済むの…？

■不死身の「お笑い担当」キャラも？

　どの作品でも個性豊かなキャラが登場する「ガンダム」シリーズですが、なかでも“なぜか死なない”不死身伝説に注目してみると、実力で死なない者から、ただの強運というクセ者まで、多彩な魅力を放っています。シリーズ通してファンの評価が特に高い「不死身な4人」をご紹介します。

●キラ・ヤマト

『機動戦士ガンダムSEED』の主人公であり、続編『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場するキラ・ヤマトは、アムロと同じく、ガンダム奪取作戦に巻き込まれ偶然にもパイロットになった経緯があります。

　作中では「ストライク」「フリーダム」「ストライクフリーダム」の3機に搭乗しますが、特に作品後半で登場する「ストライクフリーダム」は“被弾しない”ことで有名です。「ストライクフリーダム」は登場以降、無傷の戦いを繰り広げ、唯一ダメージを受けた描写があったのは、初搭乗シーンでグフイグナイテッドから受けたムチ攻撃のみです。

　また同作では遺伝子操作によって生み出された、従来の人類よりも高い能力をもつ「コーディネイター」が登場しますが、キラはさらに優れた「スーパーコディネイター」でもあるため、「ガンダム」シリーズのなかでもしばしば最強パイロットに挙げられています。

●ヒイロ・ユイ

『新機動戦記ガンダムW』の主人公で、“自爆しても死なない”という並外れた生命力の持ち主として有名なヒイロ・ユイ。そもそも『ガンダムW』は自爆（未遂も含めて）が多いことで話題になった作品でもあります。

　象徴的なシーンは、第10話で降伏を迫られたヒイロが敵に機体を渡さないため、「ウイングガンダム」ごと自爆を決行する場面です。当然「ウイングガンダム」は大破しますが、ヒイロは生存しているという「奇跡」のひと言では片付けられないような展開が描かれました。

「ウイングガンダム」の修復には数話を要しますが、その間、自爆しようとする仲間に対して「死ぬほど痛いぞ」という忠告する余裕ぶりもみせています。

●ドモン・カッシュ

「ガンダム」シリーズには身体能力が高いキャラは多数登場してきましたが、“生身では最強”と言われているのが『機動武闘伝Gガンダム』の主人公、ドモン・カッシュです。

　地球の覇権をかけてガンダム同士が試合を行う“ガンダムファイト”を描いた同作は、シリーズ屈指の異色作とされています。そして生身でモビルスーツ以上の戦闘力を持つ東方不敗など、登場するキャラも曲者ぞろいです。

　そんななか、ドモンは「ガンダム」シリーズの主人公としては珍しい熱血漢のキャラクター。身体能力は常人離れしており、銃弾を素手で受け止め、コンクリートも打ち砕くパワーを披露。第34話では“2000倍の重力”を発生する罠にかかりますが、それでも平気……師匠である東方不敗譲りの、超人的な身体能力を見せつけました。

　ちなみに『Gガンダム』ではモビルスーツ（MS）ではなくモビルファイター（MF）という設定であり、操縦システムはセンサーによってパイロットの動きを再現するモビルトレースシステムとなっています。従来の作品より派手な操縦シーンも、視聴者のワクワク感を高める作品でした。

●パトリック・コーラサワー

　何度撃墜されても絶対に死なない、正統派の不死身キャラと言えるのが『機動戦士ガンダム00』に登場したパトリック・コーラサワーです。

　第1話で主人公、刹那・F・セイエイが乗る「ガンダムエクシア」にボコボコにされ、その後も幾度となくガンダムに撃墜され続けます。それでも怪我に関する描写はされず、平然と再登場するのがお決まりのパターンであり、作中でも周囲からは「不死身のコーラサワー」と呼ばれるに至っています。

　設定上はエースパイロットとなっていますが、シャアのようなクールなキャラではなく、大胆な軽口と結果が伴わないという、どこか憎めないキャラ。シリアスな本作において貴重な“お笑い担当”でもあります。1期・2期で性格が大きく変わるキャラが多数いた作品でしたが、コーラサワーの能天気キャラは変わらず、視聴者が安心感を得られる存在でした。

　人間関係や設定を丁寧に描く「ガンダム」シリーズで、どこか不可解な点があるキャラクターは長くファンに愛される傾向にあるのかもしれません。

（椎名治仁）