【漫画】謎の画像を連投するアカウントを見付けた女性 ある“怖いこと”に気付き…

■結末の描き方で不思議な余韻が生み出された作品

　ある大雨の日に、主人公の女性は自宅で“意味が分かると怖い画像”を検索して閲覧中。そのなかで、2時間も前から謎の同じ画像をひたすら投稿しているアカウントを発見します。不気味に感じていると、外では雨が小振りになってきて……。

　漫画家の林あらたさん（@hayashialata）が、Twitterでホラー作品『出待ち』を公開しました。読者からは「怖い……」「危なかったね」「最後が不気味すぎる」などの感想が寄せられています。

　作者の林あらたさんに、お話を聞きました。

ーー『出待ち』はどのような経緯で描かれた作品でしょうか？

　雨の日の夜に寝ながらいろいろ想像していたら構想が固まりました。ちょうど夏の間は自分に課題を設定しようと思っていたので、そのうちのひとつを“ホラーマンガを描く”に決め、自分への課題として執筆を開始しました。

ーーストーリーのアイデアはどのように思い付きましたか？

　大雨が止んだ後の静寂は安心と不安とが入り混じった妙な気持ちになります。そこで「“大雨でかき消されていた音がある”という事実が浮き上がってきたら怖いだろうな」と思ったのがきっかけです。

ーー今回の作品はホラー要素が強いマンガですが、ホラーならではの描き方や演出の工夫などがあれば教えて下さい。

　瞳の描写など不安を煽る“雑味”を意識して描きました。

主人公はある“怖い”ことに気付いて…（林あらたさん提供）

ーー不思議な余韻のある結末です。Twitterでは没になったエンディング案も公開されていますが、そちらの解説と没に決めた理由をお願いします。

　積み上げたシリアスを崩してギャグに走るのが好きなので、執筆中に「ギャグにしちまえよ！」という自分自身からの誘惑がありました。ですが、あくまでこの夏の自己課題としては“ホラーマンガを描く”なので誘惑を振り切って没にし、当初の構想を形にしました。

　そして、結局我慢できずに没案も描き下ろしてしまいました。楽しかったです。

ーー作品に対する読者からの反応では、どのような声が特に印象に残りましたか？

「マイポグビビゲさん怖すぎ……」という声ですね。何のことかと思ったんですが、作中で写真を連投している謎のアカウント名を無理矢理に読んだ文字列のようで、荒唐無稽な響きに非常に笑いました。ランダムに文字列を生成するツールで作ったアカウント名だったので、無理矢理に読んでも特に意味はありません。

ーー今後もホラー作品は定期的に描いていくご予定でしょうか？　そのほかに挑戦してみたいジャンルはありますか？

　ホラーマンガは今後も突発的に描くことはあるかもしれませんが、定期的には描かないと思います。ほかに挑戦してみたいのは感動する話ですね。ギャグの誘惑に飲まれないようにして、しっかり感動するムードを描いてみたいです。

（マグミクス編集部）