朝起きたら「出産直後の妻」になっていた夫を描くマンガ 下半身が痛くて出血が止まらない…

■出産したばかりの妻から「離婚届」 夫に悪気はなくても…

　2021年8月19日よりマンガアプリPalcy（パルシィ）で配信開始したマンガ『朝起きたら妻になって妊娠していた俺のレポート 子育て編』（車谷晴子）は、前作『朝起きたら妻になって妊娠していた俺のレポート』の続編となるエピソードです。

　前作ではマタニティライフの実情がリアルに描かれ、「全人類に読んで欲しい！学校の指定図書にして欲しい！父子手帳とともに配布して欲しい！」と、読者から共感の声が多くあがっています。

　新シリーズとなる本作「子育て編」は、主人公である「僕」が目を覚ますと、出産後の妻になっていた……というところから始まります。

　自分では「人の気持ちにはよく気がつく方だ」と思っていて、積極的に育児に参加しているつもりでしたが、実際に妻の立場になってみると、一見優しそうな「僕」は、実際にはうわべだけしか子育てに参加しておらず、笑顔で地雷を踏みまくります。

目を覚ますと、出産したばかりの妻になっていた…マンガ『朝起きたら妻になって妊娠していた俺のレポート 子育て編』（Palcy）より

　重要なのは、「僕」は自分なりに育児に参加していると思い込んでいたという点です。妻の視点から見れば、指示を待つばかりで「手伝いをしなくていい」という妻からの声を待っているなど、当事者意識の薄い甘えが見えてきます。そして、その負担はただでさえ新生児の育児で大変な妻にのしかかってきます。

　いざふたりで子供を育てていくというシーンになった時に、たとえ夫には一切悪気がなくても、妻から当事者意識がないと思われ、戦力にならない……という事態は多くの夫婦に起こり得るという可能性を感じさせます。

　出産と子育てに直面する妻の立場を夫が疑似体験する設定で描かれる本作は、パートナー同士で「子育てをどのようにしたら良いか？」を考えるきっかけとなるでしょう。

（川崎晴代）