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格ゲーの歴史を変えた『THE KING OF FIGHTERS '94』 凶悪な小技ハメに泣いた…

マグミクス / 2021年8月25日 11時50分

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■SNKの歴代キャラが集うオールスター的格闘ゲーム

「1994年。KING OF FIGHTERSを開催する」
 1994年8月。上記の文言通り、一本のアーケードゲームが対戦格闘ゲーム界隈に新たな風を巻き起こしました。その名も『THE KING OF FIGHTERS ’94』(以下、KOF’94)。シリーズ全体で25年以上の歴史を持つ、チーム制格闘ゲームの先駆けです。

 本作が稼働し始めた1994年当時はまさに対戦格闘ゲームの流行真っただ中。ブームに火をつけた『ストリートファイターII』のリリースからすでに3年こそ経過していましたが、その人気はまだまだ継続中。ゲームセンターも活気に溢れており、『スーパーストリートファイターIIX』や『ヴァンパイア』といった2D対戦格闘ゲームの新作がファンの心をつかんでいたのです(初の3D対戦格闘ゲーム『バーチャファイター』もこの前年に誕生しています)。

 そこへ大々的に登場したのが『KOF’94』。2D格闘ゲームの体裁を取りつつも、さまざまな部分で新機軸を打ち出し、後の「THE KING OF FIGHTERS」(以下、KOF)シリーズを形成する上での礎となりました。

 何よりも目を引いたのが”豪華な参戦キャラクター”。本作は「格闘大会(KOF)にチームで参戦。優勝をかけて激突し合う」といった名目で進行するのですが、各チームを構成するのはなんとSNKの歴代ゲームキャラクター。「怒」シリーズや「サイコソルジャー」をはじめ、SNKの2大格闘ゲーム「餓狼伝説」(以下、餓狼)と「龍虎の拳」(以下、龍虎)のキャラクターもコラボを果たしました。「餓狼」と「龍虎」の共演(キャラクターのゲスト出演など)は過去に見受けられたものの、本作の規模感(複数タイトルのコラボ)はそれらを遥かにしのぎます。ジャンルやプラットフォームの垣根を越え、最終的には合計8チーム24名が集結。まさにオールスターと言うべき豪華な顔ぶれでした。

 また、単純にキャラクター数が増加しただけでなく、チーム制を採用したことで「どのキャラを先に出すか」という一種の駆け引きも生まれています。序盤から強キャラを送り込んで連勝を目指す。もしくは後半に備えて得意キャラを温存する。各々のパワーバランスを考慮しつつ、”キャラ選択の読み合い”も味わえたのです。

■小技ハメからの手痛いコンボに泣かされた

「餓狼」と「龍虎」のキャラクターが一同に介していることもあり、両タイトルのゲームシステムを取り入れているのも特徴的です。本作はライン移動の概念をなくし、代わりに「攻撃避け」と「ふっとばし攻撃」を新たに追加。相手の攻撃をかわしつつカウンターを叩き込む避け攻撃は「スルーアタック」へと名称を変えて採用されています。また、ガード・被弾・パワー溜めに応じてエネルギーが蓄積していく「パワーゲージ」システムも加わり、低体力からの逆転劇がひんぱんに生まれるようになりました。

 こうした変更に伴う形で、一部キャラクターのコマンド技も調整が施されることに。顕著なところで言えば、「龍虎」からやって来た「リョウ・サカザキ」などのコマンド技修正。気力ゲージの消費を気にせず(そもそも本作には存在しませんが)、「龍虎」シリーズでは超必殺技扱いの「覇王翔吼拳」を”通常技の必殺技”として連発することができました。

 ただし、本作は当初から優良で遊びやすかったわけではなく、「SNKの対戦格闘ゲームなのにサムライスピリッツ勢が参戦していない」、「CPUの超反応(特にルガール)についていけない」といった不満点もあったようです。特に目立ったのは「小技ハメ」。しゃがみキックなどは発生が速く、なおかつ気絶値を溜めやすいため、「ジャンプ攻撃でめくり→小技で気絶値を蓄積→無防備な相手にコンボを叩き込む」といったテクニックが横行。なかには立ち攻撃(弱パンチ等)を連打するだけで、容易に相手を気絶へ追い込めるキャラも存在しました。

 とは言え、一部の不満点を含めても本作が対戦格闘ゲーム界隈にもたらした影響は計り知れません。事実、本シリーズは『KOF’94』のリリースから1年ごとに新作を展開しているほか、日本を飛び越えてアジア圏(中国・韓国)の人気も高め。とりわけ1998年7月に誕生した『THE KING OF FIGHTERS ’98』はオールスター色が強く、総勢64名(隠し要素を含む)が参戦を果たし、初期の「KOF」シリーズにおいて集大成と言うべきクオリティで今なおファンから根強く支持されています。

■27歳を迎えた「KOF」 2022年に新作リリース予定

 その後、「KOF」シリーズは紆余曲折ありつつも、『The King of Fighters XIV』で約6年ぶりにシリーズ再始動。2Dから3Dへとグラフィック表現を変え、新世代の「KOF」としてシリーズファン&新規ユーザーの注目を集めました。その一方、『THE KING OF FANTASY 八神庵の異世界無双 月を見るたび思い出せ!』(小説/コミック)、『THE KING OF FIGHTERS for GIRLS』(スマートフォンアプリ)などなど、ナンバリングタイトルに負けずとも劣らない、強烈な個性を放ったスピンオフ作品も印象的です。

 対戦格闘ゲームの歴史に名を刻む「KOF」シリーズは2021年で27歳。人間で言うところの”アラサー”ですが、2022年春に最新作『THE KING OF FIGHTERS XV』の発売を控えており、まだまだ今後の展開に目が離せません。

(龍田優貴)

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