大手企業もひしめく「バーチャルマーケット6」が開催中。開催3年で100万人規模へ成長
マグミクス / 2021年8月27日 12時10分
![大手企業もひしめく「バーチャルマーケット6」が開催中。開催3年で100万人規模へ成長](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/magmix/magmix_60931_0-small.jpg)
■VR空間で「モルカー」にもなれる。巨大エヴァと記念写真も?
長引くコロナ禍で大規模イベントの多くが中止や開催形式の変更といった苦渋の選択を強いられるなか、世界中から100万人を越える人びとが集い、交流しているイベントが開催中なのをご存知でしょうか。場所は、インターネット上のVR空間(バーチャル空間)です。
2021年8月14日(土)から8月28日(土)まで、世界最大のバーチャルイベント「バーチャルマーケット6」が開催されているのです。バーチャル空間に作られた巨大なマーケットで、アバター(VR空間で使用できる自分の分身)などの3Dアイテムから、洋服、飲食物といったリアル商品までさまざまな商品が販売されています。
出展者も実に多彩です。VRクリエイターによるサークルのほか、JR東日本などの有名企業も数多く参加。会場では、買い物はもちろん、来場者同士が音声による会話をしながら一緒に街を歩いているかのような体験も楽しめます。
今回の「バーチャルマーケット6」で多くの来場者が記念写真を撮影しているスポットは、JR東日本が出展しているバーチャル秋葉原駅。実在するJR秋葉原駅とそっくりな駅前の広場では、巨大なエヴァンゲリオンと使徒の像が展示。改札を通って駅の構内に入り、山の手線そっくりの電車に乗ると、窓からの景色を楽しみながらVR世界を一周することもできます。
前回の「バーチャルマーケット5」に続いての出展となるBEAMSのブースでは、さまざまな話題作とのコラボ商品が展示販売。人気パペットアニメ『PUI PUI モルカー』とのコラボでは、リアル商品のTシャツとサンダルのほか、バーチャル空間で自分がモルカーになれる3Dアバターも購入可能です。
VRとは縁遠そうなイメージのある老舗百貨店の「大丸松阪屋」も「バーチャルマーケット5」に続く二度目の出展。「バーチャル大丸・松坂屋」の屋台では、ワイン、ハンバーグ、ラーメンなど10点の精緻な3Dモデルが展示され、リアル商品を購入してお取り寄せ可能です。さらに、ページをめくると商品の3Dモデルが飛び出し、360度どこからでも見られる「飛び出すバーチャルカタログ」で買い物を楽しむこともできます。
■コミュニティの力で来場者が114万人へ
BEAMSのブースで販売されている「PUI PUIモルカー」の3Dアバター。全部で5種類
初めての「バーチャルマーケット」が開催されたのは、2018年8月26日。来場者は約1500人でした。しかし、回を重ねるごとに、出展サークルや企業、来場者が急増。2020年12月19日(土)~2021年1月10日(土)に開催された前回の「バーチャルマーケット5」では、約1200サークル、74社が出展し、約114万人もの来場者を記録したのです。その急成長の秘密について、「バーチャルマーケット」を主催する「VR法人HIKKY」のPRチーフ大河原あゆみさんに聞きました。
「『バーチャルマーケット』は広告を一切使っていません。サークルに参加されているVRクリエイターさんはインフルエンサーでもあるので、それぞれにファンを抱えていて、『あの人が出展するから見に行ってみよう』という形で広がっていく。そういったコミュニティの広がりやクチコミによって、1500人が114万人にまで成長しました」
イベントの注目度も規模も右肩上がりで成長していますが、原動力となったのはバーチャル空間での日々の生活を楽しみ、愛する人々でした。そのため今回の「バーチャルマーケット6」では、大きな変革を行ったといいます。
「前回は応募があったサークルすべてを受けつけた結果、会場がものすごい広さになってしまい、来場者に負担をかけてしまいました。今回は出展サークルの数に上限を設け、新たに出展費用をいただく形に変更しています。そうすることで、出展商品の精度が上がり、来場者さんとの良い出会いにつながると考えたのです。
企業出展は、今回61社になりました。VRの今を本気で知ろうとしている企業、あるいは現実とバーチャルの融合、DX化などのヴィジョンまで共有できる企業にご出展していただいています。そもそも、VR空間にも現実に比するような生活圏や経済圏を作って、『バーチャルで生きる』という人の多様性が認められる場所を作っていきたいというのがHIKKYや『バーチャルマーケット』のはじまりなので、ユーザーの皆さんにご納得いただける形を常に模索しています。」(大河原さん)
一見すると、VRに馴染みのない人には敷居が高そうな「バーチャルマーケット」ですが、VR機器がなくてもPCさえあれば、無料で24時間いつでも参加可能。参加方法は、「バーチャルマーケット」公式サイトで丁寧に解説されています。
また、参加できるのは一部のブースだけになりますが、「Vket Cloud(ブイケットクラウド)」のサイトを経由すれば、スマホやタブレットでも「バーチャルマーケット」を体験することができます。
VR空間での生活や楽しさを知ることができる入口でもある「バーチャルマーケット」。
興味のある人は、この機会に一歩踏み出してみませんか?
(丸本大輔)
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