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3Pシュートの必殺技を持つ『黒バス』のシューター3選。ロングショットを魅力的に描く

マグミクス / 2021年8月29日 9時30分

3Pシュートの必殺技を持つ『黒バス』のシューター3選。ロングショットを魅力的に描く

■作中最高の3Pシューター・緑間

 東京オリンピックで史上初の銀メダルに輝いた女子バスケットボール。その躍進の要素はいくつも語られていますが、筆者が注目したのは「3P(ポイント)シュート」を重視したチーム構成でした。今回は、人気バスケ作品のひとつである『黒子のバスケ』から、3Pシュートの必殺技を持つ3人をご紹介します。

 年配の方には、3P(スリーポイント)シュートを知らない人もいるかと思います。3Pというのは、3Pエリアというゴールから遠い場所で決めるシュートのこと。それゆえに通常の2点より高い3点が得られるわけです。このルールは1960年代頃から広まり、日本では1985年から採用されました。そのため(筆者もそうですが)年配の方は学校の授業などで経験したことがないわけです。

 遠くからシュートするわけですから成功率も低く、だからこそ高得点の3点になるわけです。これを「2点ずつより3点ずつ取ったほうが強い」と論理立て、3Pにこだわった選手がいました。「キセキの世代」随一の3Pシューター、緑間真太郎です。

 3Pにこだわる緑間の座右の銘は「人事を尽くして天命を待つ」。日々の練習に真摯であることはもちろん、眼鏡の掛け方、バッシュの紐の結び方、さらには毎日テレビ番組の占いコーナーでラッキーアイテムと言われたものを持ち歩き、試合中はベンチにまで持ち込みます。それを見てチームメイトは呆れますが、本人はいたって真面目。なぜならばそれが緑間の言う「人事を尽くす」ということだからです。

 さらにバスケ以外での日常生活では左手の指をテーピングでガードをするのも、3Pシュートには爪のかかり方が重要だと考えているからで、緑間の3Pシュートに対する執念にも似た姿勢は徹底されていました。

 その緑間の唯一であり最強の必殺技が「超長距離(スーパーロングレンジ)3Pシュート」。フォームを崩されない限り100%の精度を誇り、中学時代の射程範囲はハーフコートまででしたが、高校入学後はオールレンジ(コート全て)になっています。シンプルなだけに、キセキの世代でもっとも恐ろしい能力でしょう。

 これにコンビプレイも加えた「空中装填式(スカイ・ダイレクト)3Pシュート」ですと、ジャンプした状態でシュート態勢に入り、そこでパスされたボールをキャッチして打ち込むという、より攻略難易度の高い技になります。

 さらに、緑間の3Pシュートはボールの軌道が恐ろしく高く長いループを描き、長い滞空時間中に自軍チームがディフェンスに戻ることができるという利点と、それを見ることしかできない相手チームを絶望的にさせるという特徴がありました。

 2点より3点の方が強い「シンプルだからこそ真理」。3Pに対する緑間のスタンスですが、当時のチームメイトの黒子テツヤからは「緑間君って頭いいのにたまにアホですよね」と言われてしまいます。

■「プッツンメガネ」と「夜叉」の名を持つ3Pシューター

 主人公サイドにも3Pシューターはいます。それが誠凛高校バスケ部主将である日向順平。普段は温厚ですが、スイッチが入ると毒舌家に豹変します。しかし、一度このスイッチが入ると集中力が増し、シュートの成功率が格段に上がるという面がありました。

 それは主将としてチームを引っ張るという目的のため、練習中にシュートを外した数だけお気に入りの戦国武将のフィギュアを壊すという特訓で、性格がゆがんだせいだと言われています。ちなみにこの特訓を提案したのがカントクの相田リコでした。

 そのリコの父親である相田景虎から、自分が「誠凛の生命線」という指摘を受け、そのトレーニングで身に着けた技が「不可侵のシュート(バリアジャンパー)」。シュートをするときに相手との距離をとってブロックをかわすフェイダウェイシュートです。ちなみに、その景虎が日向につけたあだ名が「プッツンメガネ」。

 その実力はキセキの世代や無冠の五将に劣るものではなく、劇場版では日本代表チームともいえる「VORPAL SWORDS」のメンバーのひとりとして選ばれていました。

 この日向がフォームの参考にしているほどの実力派3Pシューターが、実渕玲央です。キセキの世代には及ばぬものの天才と呼ばれるほどの実力を持つ「無冠の五将」のひとりで、その異名は「夜叉」。

 緑間や日向と違って3Pを外す場面もありますが、実渕の恐ろしさは3種類のシュートパターンにあります。フェイダウェイで放つ「天」、相手のファウルを誘ったうえで3Pを決め、さらにバスケットカウントのフリースローも決める4点シュートの「地」、ブロックに跳ぼうとする相手を硬直させて動けなくさせてから放つ「虚空」。これら3種を使い分けることで3Pシュートの成功率を上げています。

 特に相手がファウルしていないのにそう見せることのできる「地」は最悪で、この技で4ファウルをもらった日向がベンチに下げられたこともありました。しかし、もともと実渕のフォームを参考にしていた日向はこの技をマネして逆襲に転じています。

 バスケの華といえばやはりダンクシュートですが、もう一方で確実に3点を取りに行く3Pシュートも双璧というべき華ではないでしょうか?

 バスケマンガですと派手なダンクが注目されがちですが、『黒バス』ではたびたび3Pシュートのスゴさを強調したシーンがあって、そこが印象に残っています。だから今回の東京オリンピックでの女子バスケチームの躍進のカギが3Pシュートにあったと聞いた時、筆者は思わずこの作品のことを思い出したのでした。

(加々美利治)

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