1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. アニメ・コミック

映画『ザ・スーサイド・スクワッド』に詰まった、ガン監督の凄まじい「アメコミ愛」

マグミクス / 2021年9月9日 19時10分

映画『ザ・スーサイド・スクワッド』に詰まった、ガン監督の凄まじい「アメコミ愛」

■愛すべき悪役たちのなかで注目すべきキャラクター

「スーパーマン」や「バットマン」で知られるDCコミックスに登場する悪役たちが、チームを組んで戦うアクション映画『ザ・スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結』が全国公開中です。

 2016年に公開された映画『スーサイド・スクワッド』はデヴィッド・エアー氏が脚本・監督を担当しましたが、本作では『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズで知られるジェームズ・ガン氏が監督を担当。クセの強いキャラクターにコメディとアクション、狂気に愛までを詰め込み、絶妙なバランスで映像化した作品に仕上がっています。

 同作に登場するキャラクターのなかでも、今後の活躍や原作コミックでの登場などで特に注目したいキャラが2人います。

 1人目は、部隊のリーダーとして登場するロバート・デュボアこと、「ブラッドスポート」。武器オタクという設定で、原作ではクリプトナイトの銃でスーパーマンをICU(集中治療室)送りにしています。

 コミックでのブラッドスポートは、何もないところから武器を転送して扱いますが、映画ではプロテクター付きのスーツのいたるところに無数の武器が仕込まれていて、武器を取り出しながら戦います。幼少期から訓練を受けてきた殺し屋というリアリティを表現するための創意工夫が込められています。

 2人目は、数々のキャラクターの中でも異彩を放つ、喋れる人食い鮫=「キング・シャーク」です。原作ではネイナウという名前で、サメの神様と人間のハーフ。サメ人間という設定であり、サメに由来する能力(素早い泳ぎや、索敵能力、怪力、治癒能力など)を備えたシリアルキラーとして登場します。

 映画では名前をナナウエに変更され、コミカルな演技と強さでチームをかき乱しつつ活躍します。映画公開後、SNSなどでは「かわいい」という声が続出しているキャラクターです。

 このキング・シャークの声を『ロッキー』『エクスペンダブルズ』などで知られるベテラン俳優、シルベスター・スタローンが担当しています。ガン監督はキング・シャーク役で大規模なオーディションを行い、何人もの声優で全編のアフレコを行ったが上手くいかず、追い詰められた時に「スタローンにお願いすべき」という考えが浮かんだそうです。字幕版では、キング・シャークに命を吹き込んだスタローンの芝居にも注目したいところです。

■ジェームズ・ガン監督のアメコミ愛が爆発

『ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結』新バージョンポスタービジュアル

 アメコミファンの目で本作を見ると、監督をつとめたジェームズ・ガン氏のこだわり、原作コミックへの愛、濃厚で緻密な考えを感じ取ることができます。

 今作に登場したキャラクターは、DCコミックスの世界に登場する膨大なキャラクターからガン監督自身が選んだそうです。例えば、水玉模様が特徴的な「ポルカドットマン」は、「DCキャラクターの中で史上最も間抜けなのは誰だ?」とネットで調べた際に出てきたキャラクター。原作では悲しくて哀れなキャラクター性を、人からバカだと思われて落ち込んでいるキャラクターに変更し、悲劇的なストーリーを入れてキャラクターに深みを与えています。

 ガン監督のこだわりは映画のポスターにも表れています。公開日やキャストが書かれたポスターの下部に「Get DC comics at comics shop. Read DC comics at DC universe infinite(コミックショップでDCコミックを手に入れる。DCユニバース・インフィニットでDCデジタルコミックを読む)」と記載。これは原作コミックを読もうというメッセージです。

 新型コロナウイルスの影響により、コミック取次店のダイヤモンド・コミック・ディストリビューターズが凍結されたほか、多数のコミックショップや出版社、クリエイターが壊滅的なダメージを受けており、ガン監督はSNSで「素晴らしいコミック出版社やライター、アーティストたちをサポートしたいと思っている」とコメントしています。

 監督はDCコミックスにとどまらず、マーベルやイメージ、ダーク・ホースといった他の出版社のことも取り上げるなど、自身のアメコミ愛を広く発信しています。

 数々のこだわりによって作り上げられた『ザ・スーサイド・スクワッド』は、確実にジェームズ・ガン監督の代表作になったといえます。思い切りのあるジェットコースタームービーで最後まで視聴した人を楽しませる内容で成功をおさめています。スピンオフドラマの展開は決定していますが、続編の製作も期待したいところです。

※『ザ・スーサイド・スクワッド ”極”悪党、集結』はR15+指定で全国公開中。

(C) 2021 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM&(C)DC Comics

(大野なおと)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください