『鬼滅の刃 浅草編』声に出して言いたい珍セリフ集 TV放送に合わせて「全集中！」

■キーパーソンが早くも顔を見せる「浅草編」

『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』のTV初放送を記念して、「竈門炭治郎 立志編 特別編集版」が5夜にわたって放送されます。2021年9月12日（日）の第2夜は大正ロマンあふれる建物や物がいっぱいの「浅草編」。鬼舞辻無惨、珠世、愈史郎といったキーパーソンが早くもお目見えします。TV放送に合わせて、声に出して言いたくなる“珍セリフ”を厳選しました。

●「違う違う違う違う」私は限りなく完璧に近い生物…のわりに短気な無惨様

『鬼滅の刃』における“ラスボス”である鬼舞辻無惨が早くも「浅草編」で登場します。炭治郎は鬼殺隊に入り、初任務で沼の鬼を倒したばかり。RPGで言えばスタートから次の町にたどり着き、小ボスのイベントが起こりそう……なくらいでしょうか。

　浅草にやってきた炭治郎は、あまりの都会の賑やかさに疲れて豊さんのうどん屋で休んでいました。その時、家族を殺した鬼の匂いを嗅ぎつけます。人混みをかき分けて見つけた相手は妻子連れの男性でした。人間のふりをして暮らしている無惨は、穏やかな態度で炭治郎に接し、通行人を鬼に変えて騒ぎを起こし逃げ出しました。

　ここまでなら、無惨は冷静な判断ができる狡猾な敵に見えます。が、妻子と別れた後、たまたま「青白い顔しやがってよぉ、今にも死にそうじゃねえか」とチンピラに言われただけで相手を殴り殺してしまう短気なさまを見せます。連れの大男も蹴り飛ばし、残った女性にこう詰めるのです。

「私の顔色は青く見えるか？　私の顔は青白いか？　長く生きられないように見えるか？　死にそうに見えるか？　違う違う違う違う　私は限りなく完璧に近い生物だ」

　原因は些細な言いがかり。人間を人間とも思っていなければ、顔色が悪いと言われたくらいで気にしないでしょう。子供にからかわれてもいい大人は取り合いません。無惨にはそういう“大人”の部分が全くなく、その場の気分で生きているということがよく分かるシーンです。無惨様の小物っぷりは、のちに「パワハラ会議」でさらに認知されるようになります。

●「醜女のはずないだろう！！」禰豆子は美人かどうか論争

　浅草で炭治郎が出会った次のキーパーソンは、珠世と愈史郎です。炭治郎と愈史郎との間で繰り広げられる“禰豆子は美人かどうか論争”に、禰豆子ファンは声を大にして「醜女（しこめ）のはずないだろう！！」と叫びましょう。禰豆子を「醜女」と言う愈史郎に、炭治郎は声を荒げて反論します。

「醜女のはずないだろう！！　よく見てみろこの顔立ちを　町でも評判の美人だったぞ禰豆子は」

　しかし愈史郎は、自分から言い始めたのに「行くぞ」とスルー。炭治郎は必死に、禰豆子は美しいと言い張ります。炭治郎がムキになる姿が微笑ましいシーンです。

　その後、愈史郎は禰豆子への気持ちを改めることになります。最後に愈史郎が炭治郎に言った「お前の妹は美人だよ」という言葉も心に残ります。

●「あいつらを囮にして逃げましょう！！」「冗談です」珠世のことしか考えてない…大丈夫か愈史郎

　愈史郎にとって珠世は命の恩人で愛する女性です。しかし、ちょっと崇拝の度が行きすぎているよう。まず、鬼が人のけがを手当して食欲を我慢するのはつらくないか、と心配した炭治郎を愈史郎は殴ります。さらに、珠世の年齢を聞いた炭治郎へまた拳を振るいます。とうとう珠世から炭治郎を殴るな、と止められました。しかし、炭治郎が思わず珠世に詰め寄った瞬間に投げ飛ばし、こう言い訳します。

「投げたのです　珠世様　殴ってません」

　もちろん愈史郎は珠世に叱られるのですが……無惨が差し向けた矢琶羽と朱紗丸が襲ってきます。立ち向かう炭治郎ですが、愈史郎はドサクサにまぎれてこんなことを言い放ちます。

「珠世様！！　あいつらを囮にして逃げましょう！！」

　これには、珠世様もドン引き！　愈史郎はすかさず「冗談です！」とあっさり手のひらを返しました。本当に愈史郎は珠世が大切なのは分かります。が、もう少し他のことを考えても……シリアスな展開なのに笑えるシーンです。

＊　＊　＊

「浅草編」は愈史郎のコミカルさに笑え、禰豆子が珠世たちを家族に重ねて人間だと思っている心温まるシーンもあり、新たに作られた特別編集版は「名作」に名を連ねるでしょう。

　また、舞台となった浅草は映画「帝都物語」に登場し、推理作家・江戸川乱歩にも愛されました。作中で共通点を探してみるのも、楽しいかもしれません。

※禰豆子の「禰」は「ネ」+「爾」が正しい表記

（マグミクス編集部）