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20周年!「ゲームキューブ」の“コントローラ”が最高傑作と言われる3つの理由

マグミクス / 2021年9月14日 6時10分

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■コントローラに必要だったのは「目視不要」の領域に達することだった!

 抜群のフィット感が手のひらから伝わる握り心地、各指の可動域に応じて設計されたそのボタン配置。そして何よりまるで眠る子ウサギのような、そっと両手で包み込みたくなる美麗なフォルム……なんて、なんて素晴らしいのでしょう。

「ニンテンドー ゲームキューブ」(以下、適宜GC)のコントローラについて解説しようとすれば出だしからぬめり気の強い文体になってしまいました。2001年に発売ということで2021年は何とゲームキューブ20周年にあたります。この記事ではそんなGCの本体ではなく、コントローラに注目。今なおネットでは「GCのコントローラこそ最高傑作!」の呼び声が高いのです。一体、何がどのようにすごいのか。少々、マニアックな内容となりますが、その理由をポイントに分けて解説します。コントローラの進化の歴史も分かるはず!

●GCコントローラのここがすごい!(1)開発に3年! グッドデザイン賞を受賞

 前世代機「NINTENDO64」のコントローラの衝撃を覚えていらっしゃる方も多いでしょう。未来感漂う三叉のフォルム、センターの3Dスティック。「スーファミ」の時代は終わった……有無を言わさぬ迫力でした。ただし、海外マーケットを重視していたため、手の小さい子供には少々大きすぎるという難点があったこともまた事実。そこで宮本茂さん率いるチームはこうした問題を全て解消した、今までにないコントローラの開発を目指すことになります。幾度も幾度も試作を重ね、プロトタイプは実に5バージョンにも及んだとか。キャリア最長となる3年もの歳月をかけて、ついに完成したのが今のGCコントローラ。サイズは大幅に小さくなり、振動モーター内蔵でありながらも軽量化を実現。実に500万回の打鍵試験を行い耐久性も格段にアップしています。宮本さんは過去の海外メディアのインタビューで「例え触ったことのない人でも、おばあちゃんでも、手の小さい子供でも誰でも使いこなせるデザインを目指した」との旨を語っており、事実2002年にはグッドデザイン賞を受賞します。なんという機動力でしょう。

●GCコントローラのここがすごい!(2)「配置」と「触感」で目視不要に

 ボタンについて詳しく見ていきましょう。GCコントローラは「目視不要」という革命を起こしました。大きなAボタンを基点に配置することで位置関係が明確になっただけでなく、周囲のボタンを腎臓型にしたことにより、指先での形状判断もまた可能になりました。さらに開発チームが力を入れたのが「触感」です。指先がすっとなじむよう設計されたトリガーボタンですが、さらに押した時の「カチリ」としたクリック感を実現するために何度も試行錯誤を重ねました。「Cスティック」もまたこれまでにない特殊樹脂を使用。指先の“フィードバック”を最適化するために配合比を何度もトライアル……。気が遠くなる作業を繰り返しました。

「たぶん当分の間、一番スタンダードとなるコントローラじゃないか」

 20年前のインタビューで宮本さんはこう語っておられます。……果たしてその“予言”はどうなったのでしょうか。

●GCコントローラのここがすごい!(3)今なお使用される“完成度”の高さ

 20年の時を経て宮本さんの言葉は現実になりました。2021年、さまざまな新世代ハードが登場していても「GCコントローラ」は愛され続けているのです。Nintendo Switch用のGCコントローラ接続アダプタが発売されたり、テレビでプレイする際に必要な「ドック」に最初からGCコントローラが接続できる仕様ものまで登場したりと今もなお友人同士でのゲームには欠かせない存在となっているのです。その人気はWii Uなどの次世代コントローラと比較しても明らかであり、ゲーム機のコントローラのひとつの到達点であることは間違いないでしょう。

 以上、GCコントローラが今なお愛され続ける理由を機能面、デザイン面、開発者の熱意、それぞれポイントごとに解説してきました。「スタンダード」としてこれからも君臨し続けるのか、それとも新人に座を明け渡すことになるのか……『スマブラDX』をプレイしながら気長に見守りたいと思います。

(片野)

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