声優ユニット「スフィア」のバーチャルデビュー 画期的な演出に“いつもの”安心感も
マグミクス / 2021年9月14日 7時30分
■参加者全員が最前列のセンターに。バーチャルならではの演出も
2021年8月22日(日)に「Sphere Virtual Live Vol.1 Future Streaming -バーチャル飛びだスフィア-」を開催した声優ユニット「スフィア」。寿美菜子さん、高垣彩陽さん、戸松遥さん、豊崎愛生さんの4人が3Dキャラクター“バーチャルスフィア”として出演した、初のバーチャルライブの模様をレポートします。
今回のバーチャルライブは、Oculus QuestなどのVRヘッドセットのほか、PCやスマートフォンでも楽しめる形で実施されました。今回筆者はPCから参加しましたが、参加者全員が最前列のセンターという好待遇。ステージの目の前で迎えたカウントダウンが終わると、スポットライトに照らされた4人のメンバーが登場しました。
デビュー曲であり今回のライブタイトルの元ネタでもある「Future Stream」でライブがスタートします。4人の振り付けは丁寧に再現され、カメラアングルやフォーメーションが変わっても違和感なし。キャラクターだけを見れば“いつものスフィアライブ”が見事に展開されているという印象です。
しかしその間、ステージ上では「大好き!」のアイコンと星や花束が飛び交い、背景のチャット欄では「キター!」のコメントが多数流れるなど、バーチャルならではの演出も多数。さらに客席では、コロナ渦によって久しく聞けていなかった「ハイハイ!」などのコールが湧き、続く楽曲「Ding! Dong! Ding! Dong!」のソロパートでは担当メンバーの色に合わせてペンライトの色が変わるなど、ステージ外の演出でもこだわりの強さを感じさせました。
そんな驚きとともに始まった初のバーチャルライブですが、MCに入るとスフィアらしい賑やかな雰囲気に。それぞれがあいさつをする合間に戸松さんは動き回って客席にアピールし、高垣さんは得意のダジャレでステージとチャット欄を凍りつかせます。また留学先のイギリスからバーチャルライブに参加している寿さんは「離れていても、バーチャルな空間なら一緒にライブできるのがうれしい」と今回のライブについて笑顔で語りました。
豊崎さんが考えたというキャッチコピーつきの自己紹介の後、全員で「バーチャルスフィアです!」と名乗った4人はライブを再開。この日が初披露となった「スクランブルデイズ」では、宙を漂う泡のなかに4人の写真が映り込み、「一分一秒君と僕の」では「写真を撮ろうよ 最初で最期の特別な一枚」という歌詞に合わせて画面がセピア色になるなど、バーチャルならではのエモーショナルな演出でファンの涙腺を刺激します。
■スフィアメンバーが目の前に来てくれる特別感
観客による「ギフティング」で星や花束が飛び交うステージ
「一分一秒君と僕の」の曲中には、スフィアが目の前に来て歌ってくれる場面もありました。このような演出はその後も行われ、MCでは隣に来て一緒に“スフィアポーズ”を取ってくれたり、目の前でバーチャルな姿でのチャームポイントを教えてくれたりと、リアルのライブではありえないファンサービスも。
ステージに戻った4人は、ステージ背景として大きな月を背負っての「MOON SIGNAL」からラストスパートへ。その後も「GENESIS ARIA」「Super Noisy Nova」と、テンションの高いナンバーを続けてライブ本編を終えました。
■バーチャルスフィアとしての再会は……?
ステージ上のモニターに「本公演は終了しました…?」と表示されると、チャット欄ではアンコールを求めるコメントが次々に流れます。それに応えてバーチャルスフィアがふたたびステージに登場。4人はデビューライブを振り返り、初めての試みを支えたスタッフへの感謝と、バーチャルスフィアとして再会することへの期待をそれぞれの言葉で語りました。
4人が最後に歌ったのは、「楽しい瞬間はいつか終わっちゃうね だけどドアが繋がってれば すぐに絶対また会えるよ」という歌詞が印象的な「vivid brilliant door!」。ここでも客席に降りて目の前で歌ってくれた4人は、パフォーマンスを終えるとステージへ。そしてマイクを手放して手をつなぎ、「ありがとうございました!」とファンに伝える、ライブでは定番の終わり方で、初のバーチャルライブの幕を下ろしました。
見事に再現された“いつものライブ”にバーチャル空間らしい演出が加わり、新鮮ながら安心感もあった「バーチャル飛びだスフィア」は、声優ユニットが3Dモデル化して行うバーチャルライブとしては初の試みです。声優だけにとどまらず、バーチャルライブがあらゆるアーティストのライブに新たな表現をもたらしてくれる可能性も感じさせました。
今回のバーチャルライブを技術面でサポートするのは、バーチャルライブのプラットフォームを提供する株式会社VARK。同社で開発統括とイベントプロデューサーを兼任する石川宣永さんは、ライブ実施前の取材で「手応えがあればスフィアさんの第2弾もあるかもしれませんし、ほかのアーティストでの展開もあるかもしれません」と語っていました。
スフィアのファンはもちろんですが、今回の新たなライブ形式に興味を持たれた方は、ぜひ続報をチェックして、同様のライブが実施された際はぜひ体験していただきたいです。
(はるのおと)
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