『鬼滅の刃 鼓屋敷編』かまぼこ隊のおもしろシーン 珍道中からの“かみ合わない”コント

■炭治郎・善逸・伊之助がついにそろう！

　2021年9月18日（土）19時より、アニメ『鬼滅の刃』の特別編集版「鼓屋敷編」がフジテレビ系で放送されます。炭治郎・善逸・伊之助が、元・下弦の陸である鼓を使う鬼・響凱 (きょうがい) の屋敷で戦います。響凱と激突する炭治郎は、これまでの鬼にはなかった力に苦戦します。

　ヘタレだけど眠ると頼りになる男・善逸や、通称「かまぼこ隊」の名前の由来となった文字通りの猪突猛進男・伊之助が顔をそろえ、『鬼滅の刃』の世界は一気ににぎやかに。特に笑えるシーンを厳選しました。

●「心臓が口からまろびでる所だった」善逸と正一くんの珍道中

　指令を受けた炭治郎と善逸は、兄・清を探しているという子供、正一とてる子に出会います。そこは、鼓の音が鳴ると部屋の位置が入れ替わる、響凱の「鼓屋敷」でした。炭治郎とてる子、善逸と正一は離ればなれになってしまいます。

“正一くん”と行動することになった善逸は、鬼への恐怖から「死ぬ」と大騒ぎ！　道端での求婚シーンに引き続き、“下野紘劇場”が繰り広げられます。逃げ出そうとする善逸に対し、幼いのにド正論を吐く正一くんのセリフは必聴です。

「なんで外に？　自分だけ助かろうとしてるんですか？　死ぬとかそういうことずっと言っていて恥ずかしくないですか　あなたの腰の刀は一体何のためにあるんですか？」

　借金を肩代わりしてくれた師匠に言われるがまま、鬼殺隊に入隊した善逸。炭治郎とは違い、命がけで鬼と戦う理由はないようなものです。それでも正一くんの言葉は刺さったようで、善逸は震えながらも歩を進めます。しかし、ちょっと正一くんから呼ばれただけで大騒ぎ。

「合図　合図　合図　合図をしてくれよ　話しかけるなら急にこないでくれよ　心臓が口からまろびでる所だった」

　さらに「もしそうなっていたら正しくお前は人殺しだったぞ」とたたみかけます。正一くんが声をかけたのは、あまりにも善逸の震えがひどかったから。善逸が怖がっていると自分も不安になると聞いて、善逸は泣き出します。

「やだ　ごめんね　でもな　でもな！？　あんまり喋ったりしてると鬼とかにホラ！！　見つかるかもだろ！？　だから極力静かにしたほうがいいって思うの俺は　どう！？」

　しかし善逸の願いもむなしく、鬼に遭遇してしまいます。膝が笑ってしまって立てなくなってしまった善逸は、自分を置いて逃げてくれ、と頼みますが正一くんは善逸を見捨てませんでした。そんな正一くんに、善逸は感動します。

「なんて好い子なんだ　こんな怯えた”音”になってるのに　俺がなんとかしなきゃ　俺が守ってあげないと可哀想だろ！！」

　そして「享年が1桁とかあんまりだぞ」と妙に現実的なことを考えていた善逸でしたが、鬼に「お前の脳髄を耳からぢゅるりと啜ってやるぞォ」と言われて失神してしまうのです。

　恐怖と責任感でパンクした善逸は、眠ったまま「雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃（いちのかた へきれきいっせん）」で鬼の首をはねます。ヘタレの善逸が覚醒する、まばたきをしたくないシーンです。

●かまぼこ隊の名付け親？　伊之助と炭治郎のかみ合わないコント

　初登場時は、多くの視聴者が「新たな敵」だと思ったであろう伊之助。?凱を倒した炭治郎が屋敷の外に出たときも禰豆子の箱を守る善逸に暴力をふるっていて、どう見ても敵キャラです。さらに、炭治郎の頭突きで美しい素顔が明らかに。脳しんとうを起こしたのか気絶し、目覚めてからは炭治郎とのかみ合わない会話が始まります。

　鬼の犠牲者を埋葬する様子を目にするのですが、それよりも力だめしがしたい伊之助は「生き物の死骸なんて埋めて何の意味がある！！」と騒ぎます。そんな伊之助に対し、ナチュラルボーン正直者な　炭治郎は「傷が痛むからできないんだな？」と盛大な誤解をします。さらに「痛みを我慢できる度合いは人それぞれだ」「伊之助は休んでいるといい」と真剣に心配し、伊之助を怒らせてしまいます。

「舐めるんじゃねえぞ百人でも二百人でも埋めてやるよ　俺が誰よりも埋めてやるわ！！」

　伊之助は鬼である禰豆子を殺したかったはずなのですが、次第にうやむやに。しかし、炭治郎と戦いたい伊之助は、「お前に勝つ！」と言い放ちます。「お前」と呼ばれた炭治郎は「俺は竈門炭治郎だ！！」と名乗り、ここで伊之助の衝撃発言が飛び出します。

「かまぼこ権八郎（ごんぱちろう）！！　お前に勝つ！！」

「かまぼこ隊」が生まれるきっかけとなった名シーンです。さすがの炭治郎も「誰なんだそれは！！」と怒り、伊之助は「お前だ！！」と返す……かみ合っているのかいないのか分からないコントが繰り広げられました。

＊　＊　＊

「鼓屋敷編」では、炭治郎・善逸・伊之助の3人が初めて一堂に会します。それぞれの個性もはっきりしていて、天然な炭治郎と伊之助に、善逸が突っ込むパターンもこの頃からできあがりました。「鼓屋敷編」はほかにも、響凱のクリエイターとしての悲しみや、禰豆子を守る善逸の勇気など、見どころが詰まっています。

※禰豆子の「禰」は「ネ」+「爾」が正しい表記

（マグミクス編集部）